#15 溺死の屍人(ネクロ・ネロ)
夜の学校のプール
澄野 香はプールサイドに座り歌っていた
澄野「歩いて、走って、陽の光浴びながら、自由に人間の世界で。」
シンク「ここにいたんだね、澄野。」
澄野「2日ぶりだね。元気そうでよかった。それでどうするの?私を殺す気になった?」
シンク「それは、」
獅子神「その前に1つ質問をいいか?澄野 香さん。」
澄野「あなたもいたんですね、獅子神さん。なんですか?質問って、」
獅子神「あんた、シンクを殺すために近づいたって言ってたけど、本当は逆だったんじゃないのか?」
澄野「逆?どう言う意味?」
獅子神「あんたはシンクを殺すんじゃなく、シンクに殺されるために近づいたんじゃないのか?」
澄野「どうしてそう思うの?」
獅子神「ここからはただの勘で憶測に過ぎないが、あんたは人を殺すことが好きじゃない、そう考えてた中に現れた対策課のシンクという存在。学校に骸が出るという嘘の情報を流しシンクと心を通わすタイミングを作った。仲良くなっていく中ででも情が湧かないように程よく線引きしていた。」
澄野「それじゃあおかしくない?情がわかない程度って言ったって友達関係になったら殺しづらくなってしまうじゃない?」
獅子神「そう、この程よくが大事なんだ。」
澄野「?」
獅子神「あんたは俺とシンクの仲を知っていた。だからその信頼し合う情を超えないように俺を傷つけることでシンクを怒らせる。そしてお前を殺せればシンクの心も成長できる。ってな。」
澄野「こんな変な作戦バレるなんて思わなかったなぁ。刑事の勘って凄いですね。」
シンク「本当なの?」
澄野「そうかもね。」
獅子神「これが本当なら、あんたは心が優しすぎる。自身を殺させるという作戦だけではなくシンク自体も成長させるなんて。どうしてそんなことを。」
澄野「私ね、昔は根暗で喋らなくていかにも陰キャって感じだったの。そのせいで、学校は楽しくなかった。何かあれば保健室に行く日々。その日も保健室に行ったの。そしたら、ベッドで休んでる人がいて私も休んだの、そしたら急に話しかけてきて、話が盛り上がって、そんな日が何日か続いたの。すごく楽しかった。気づいたら私は彼に惹かれてた。そしたら、彼が私に、互いに声しか知らない私に、告白してくれた。名前もそこで初めて知った。でも私は逃げちゃったの。どうしたらいいか分からなくて。」
獅子神「思春期ってそういうもんだよなぁ。」
澄野「そして次の日、その子に謝ろうと思って教室に行ったら、その子は女の子と歩いてた。」
獅子神「どういうことだ。」
澄野「後々知ったの。告白してきた子は、学校で人気な男の子で一緒にいた女の子も人気の子だった。そして女の子は、私をいじめた主犯格になる子。」
獅子神「あの話か。」
澄野「虐められてる時に言ってた言葉。」
いじめっ子「あんたがあの時、逃げてくれたおかげで○○くんと付き合えたわ。ありがとね。」
澄野「その言葉で察したのあの日、私が逃げたあの日、この子が居たんだって。私に、あのベッドで話し合った私になりすましてるんだって。」
シンク「それってまるで、」
澄野「人魚姫みたいでしょ?なんか親近感湧いちゃって、大好きになったの人魚姫。」
獅子神「本当に怖いのは骸でもなく人間って訳か。」
澄野「そんなある日、虐められてた日にあの事件が起こった。私はプールに落とされてその際に足を挫いたの、だから溺れちゃった。でもいじめっ子が助けてくれる訳もなくて、そのまま死んだんだと思う。でも私は泡になってたの。恨みはあったけど殺せなかったなぁ。」
獅子神「じゃあ十年前に起きたって言う女子高生3人の殺人未遂事件は。」
澄野「ニュースにもならなかったのに、よくわかったね。」
獅子神「でもなんで、シンクに殺して欲しかったんだ。」
澄野「もう飽きちゃって、死ねない人生。歳も止まちゃったし、もう生きてる意味ないなぁってそう思ってた時にシンクくんに出会ったの骸を専門に扱う部署の刑事さんで、喫茶ノワールの常連さん。シンクくん見てるとなんだか可愛くて、でも獅子神さんって人の話をしてるシンクくんは楽しそうで、私は1番になれないなぁって思った。じゃあいっその事殺してもらおって思ったの。そこからはさっきの刑事の勘が正解。」
獅子神「そうか。でも倒すと息巻いてたが屍人を殺す方法は知らないんだ。」
澄野「そうなの?ふふっ。じゃあ殺して欲しいから教えてあげる。屍人は自身の死因以外で死ぬと”第2の死”が起こるの。そうなると屍人は復活することが出来なくなる。」
獅子神「それが、屍人の殺し方。」
澄野「そう。シンクくん私を救ってくれるんでしょ?」
シンク「うん!」
澄野「じゃあ、私を、死の輪廻から外れた私を殺ってね。」
ザパーン!
澄野のはプールに飛び込み溶けた肉が浮いてきた
その肉塊は再集結し溺死の屍人
へと姿を変えた
シンク「俺は、もう覚悟を決めた!澄野、君が殺して欲しいと言うのなら!僕は、君を殺うから!」
カチ!
シンクは自身を炙り焼死の屍人に姿を変える
溺死の屍人を見た獅子神に天理との会話が過ぎった
天理「今回の報酬の件だが。」
獅子神「手短に頼む。」
天理「その溺死の屍人の一部を所望する。」
そして現在に戻る
獅子神「天理の野郎。あれの一部を使って何をする気なんだ。」
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