神座闘争 20
お互い、最強の技がぶつかり合ったその衝撃は、坂から近くなるのを避けながらも、島から島へと移動していたやいちもしっかり視認することが出来た。
「何だ、あれは!?すごい魔力量だが……ワールド・ルーラーと魔王残党軍でもぶつかっているのか?まぁ、どちらにせよあの坂にはやっぱり近づかない方が良いな」
そう思いながらも、頑張って高く飛び上がり、かなり上に浮いていた島へ昇る。
「っし。ここまで良い。さて、ここからどこに移るか……」
その島からさらに上で浮いている島もあったものの、やいちの居る島からではかなり遠く、魔力で身体能力を上げたとしても、きっと届かないだろう。
そう思ったやいちはその島を少し散策することにした。
今、やいちの居る島は大きく、村一個分ほどの大きさであった。そして、きっと南部の方の大地から浮かんできたのか、かなりの魔樹が生えており、見上げても、葉っぱで視界が遮られているため、もしかしたら見えないだけで、移動できる距離に島が浮いているかもしれない。
(にしても、他に誰とも会わないな。ワールド・ルーラーと魔王残党軍だけは勘弁だけど……いや、ワールド・ルーラーでもシリウスとかの話が分かる奴ならともかく、の話だがな。ともかく、博士も、格闘家も、スピネルとも会える気配が無さそうだなぁ)
と思っていると雪の上に足跡があるのを発見する。
「ん?この足跡は……」
よく観察してみると、靴底の跡が二つある。つまり、ここに二人いたみたいだ。あとは、どっちの方向へと歩いていったのか、などの簡単な情報しか得られなかった。
きっと、狩人のような知識があれば、最近のものなのか。またそれが男の足跡か、女の足跡かなども分かるのかもしれないが、やいち程度ではそれほどの分析力は無かった。
(ここにあるのは二択。この足跡を追いかけるか、無視するか……)
しばらく、やいちはその足跡を眺めながら、考える。
敵であったら……。
(いや、ここは当たって砕けるべきだな)
敵であれば、倒して情報を聞けば良い。味方ならば、一緒に行動する。
そう考えながら、やいちは足跡を追いかけていく。
数分後……。
「あれ……?足跡がここで止まってる。なんでだ?」
周囲を見渡す。誰もいない。
急に、神隠しにでもあったかのように、突然足跡が消えているのだ。
(……)
やいちはキョロキョロと辺りを見ながらも、考える。
(一体、どうやって……?いや、待て。漫画の知識だが、聞いた事あるぞ。確か、動物の習性に、バックトラックっていうのがあるって……)
追いかけている敵から逃げきるために、足跡を踏みながら後ろへ下がり、途中で高く別方向へ飛び上がるというもの。
「ということは……!」
やいちが答えにたどり着いた瞬間、シュンッ!と音を立てながら後方から何かが飛んでくるのを理解したやいちはすぐさま右へ避ける。
すると、すぐさまやいちの足元に槍が勢いよく止まる。
「誰がついてきていると思ったら……流星の勇者だったか…」
魔樹に登って身を潜めていたのだろう、二つの影がやいちの目の前に降りて来る。




