神座闘争 16
この白い大地が、一斉に震えだす。
ものすごい揺れの中、なんとか地面を駆けていく四号とキコツであった。
「このままでは、間に合わない!!」
「キコツ、どうする!?」
「諦めるしかないのか……」
その頃、一方。
「う、うわッ!な、何だ!?」
現場にいなかったやいち達は地震でも起きているのか?と思いながらも、その揺れに対処できずに皆が地面に倒れていく。しかし、一人だけは理解していた。神座の召喚が行われるのだと。
「間に合わなかったか!?」
ブライハが叫ぶ。
「何だと……!」
「喋るな、ゲーマー!」
この状況をどうにかせねば……!と思い、何も思い浮かばないが、動かないといけない!ということで立ち上がろうとしていたやいちに、気持ちは分かるが危ないぞと博士がやいちの体を抑え込む。
「やいち君たち、来るぞ!覚悟しろ!」
ブライハのその声と同時に、その場にいた者……、いや空白地帯に居た全ての者の力が何かに吸い取られていく。
(くッ!どう…いう…こ、と……だ!)
体全身に力が入らなくなり、声も全くでなくなる。
そして、力は光となって、天へと吸い上げられる。
またまた別の場所、空白地帯の中でも妖国寄りである南東方面では……。
「て、抵抗…出来ない……!」
レイビィア率いる騎士団もまた、力を吸われていた。
「レイビィア元団長!一体、何が……」
部下である一人の兵士が、かすれた声で必死にレイビィアに訊ねる。
「わ、たしが…知るか!!」
「さぁ、来い!五百年以上この時を待ちわびたぞ!魔王様は死んだ、だが、目的は達成される!」
ヴァルロットは天へと両手を掲げる。そんな彼女の姿を無視し、ぶっ倒れていたアルザメントは力が溜まっていく天へと注目していた。
(何が起きる……!?)
集まった膨大なエネルギーは一点へと集中し、太陽の如き光を発し続けている。
そして、とうとう……。
そのエネルギーが一斉にはじける!
エネルギーは空全体へと広がり、雪が降り止む止んだように見えた。
だが、止まったのではなかった……空が消えたのだ。
雲が、太陽が、星が、空が、宇宙が、全て……そこにあったものが消え、真っ白な天が現れる。
何か、起きる。
そうアルザメントが察知した次の瞬間には、消えた空から一本の光が地上を照らす。さらにそこから、何かがゆっくりと降りて来る。
それは、巨大な道であった。坂として、天へと上る大きな道が出現したのだ!
「これが……神座への…道…!」
アルザメントはとうとう力が尽き、意識をそのまま失ってしまう。




