神座闘争 14
「ちィッ、お前の魔力は無尽蔵か!?」
ヴァルロットは予想外の力を持つ目の前のキコツに苦戦していた。しかも、どんどん戦えば戦うほどに魔力量が増えていっているではないか。
(私の魔力量はもう……くそっ、どういうことだ?……いや、まさか奴も世界と繋がって……!?)
「戦闘中に何を思案している、俺との戦いに集中することだな…さもないと死ぬぞ?」
キコツは刀に魔力を込め、力強く振り下ろすことで衝撃波を発生させる。なおかつその行為を素早く行い、連続して衝撃波を発生させ、ヴァルロットに襲い掛かる。
とっさにヴァルロットは半球体型のバリアを展開し、その攻撃を防ぐ。だが、三回ほど攻撃を当てられた時にバリアにヒビが入り、それから間もなく完全に破壊されてしまう。
「くッ!!」
体に魔力を纏わせ、なんとかその攻撃から身を守ろうとするが、その魔力の膜を突き破り、気づけば体中が擦り傷だらけになっていた。
(い、痛ぇ、はぁ、落ち着け、私……体内に残った魔力を集めるんだ!!)
一度肺に大量の空気を入れ、一気に吐き出す。
「ふぅー!はぁ!」
「まだ継続させる気力があるのか。驚いたな、敵ながら褒めよう。だが、もうお前の勝ち目があるとは思えんぞ?」
「うるせぇ、原点魔法〈シュルヴェイェ・エ・ピュニール〉!」
ヴァルロットが唱えると同時にキコツを中心に大地に魔力で魔法陣が描かれていく。
「なんだ!?」
警戒し、その場から逃げようとしたその直後、キコツを取り囲むようにいくつもの黒い柱が出現する。まるで牢獄の鉄格子のように……。
「それは防御兼封印魔法だ…一時的ではあるものの、お前を捕らえた。事が終わるまでその中でジっとしてもらうぞ」
キコツは何度も刀でその黒い柱に斬りかかるのだが、全くダメージが入らない。
(か、硬い!これほどの魔法、一体それほどの魔力を使っているんだ!?)
きっと、並々ならぬ魔力を消費しているはずだ。
実際、ヴァルロットから感じる魔力量が大幅に激減している。
「くそッ、これほどの魔法を使わせやがって……」
そこに、まるで触手のように動く鎖が何処からともなくヴァルロットに襲い掛かる。
とっさの判断で手に持っていた剣でその攻撃をはじく。
「死んだマルニアスト大将が十八番としていた錬成術なのだが、こういうのが案外戦闘時には役に立つんだな……」
目の前に現れたのは、後方にいたアルザメントであった。
そう言って、シリウスはすぐさま四号の方へと向かう。
「さて、弱っているお前程度なら、私でも倒せそうだな?」
「ははッ、ほざけ……お前の強さはある程度認めるが、所詮『程度』の範囲。本当の強者は人間の『程度』を超える。キサマの所の最強であるシリウスも既に人間の分類では計り切れないだろ?」
「確かにそうだ……。だから最初にキコツを戦わして、弱らせてから俺が直々に仕留めにかかるんだ。キコツ、ここまで手助け感謝する。さすが、死王の言った盤上の異物。自作もとい、あらゆる魔法の始まりとなった魔法、原点魔法でも抑えきれないとはな」
「何!?」
ヴァルロットは慌ててキコツの方を見る。




