神座闘争 8
その頃、一方……。
魔王残党軍が計画を進行させている巨大な魔法陣が描かれている場所で、戦闘が発生していた。
「何が、起こっているんだ!?ワールド・ルーラーか?それとも別派の奴らか?」
ヴァルロットは黒い風と共にその場に出現し、近くにいた部下であるローブを纏った者に質問する。
「どうやら、ワールド・ルーラーのようですが……なんだか様子が違うんです!!」
「というと!?」
「無論、敵軍の中にシリウスとセリウス・アルザメントは確認できたのですが……あの二人は後方で待機しているだけで、今攻めてきている兵士を率いている中心人物が……謎の生命体と鬼の面を被った男で―」
と言いかけている所で、巨大な衝撃波が地面を伝ってこちらに向かってきている。ヴァルロットは会話を遮り、そのまま魔力でバリアを展開させ、部下を守る。
「まだ分からんが、とりあえず異常事態なのは分かった……。魔法陣はほぼ完成している、であるならば、今、発動させる!」
「い、今ですか?しかし……一部の魔法陣が奴らにかき消されていて、それを魔力で補助させるとしても、五分から十分はかかります!!」
「だったら、その時間を私が稼ぐ!ベリウス達にそのまま待機していろと伝えろ!あとは……ナナシだが、奴もすぐに来るだろうから……」
と言っていると、ちょうどヴァルロットの右隣に黒い風と共にナナシが現れる。
「これはまずい状況ね。私も一緒に戦うわ」
「グッドタイミングだ。アンタも、世界の力が使えるようになったんだから、それなりに戦闘も上手くやってみせろよ」
「無論よ」
そうして、二人は戦いの中へと身を投じていく。
「おらァ!!雑魚がよォ!」
黒い巨大な怪物が、両腕を蠢く触手に変形させ、ローブの者たちを一斉に呑み込んでいく。
「さすがだな、ジョウキリが生み出した最高傑作のひとつ、特別指定危険人工獣の四号君、そして…‥謎の男、キコツ。このままワールド・ウォーカーに入らないか?」
後方から様子を見に来たのか、アルザメントとシリウスが激戦の最中、二人の前へとやってくる。
「ワールド・ルーラーであるアンタらが何者なのか、やいち殿からは聞いていたし、信用できないのは確かだが、ジョウキリからシンへ、シンからNEUから空白地帯に出るために手助けしてくれた。その恩を返しているだけだ。それに、この戦いの結末が、俺を解放させるための糸口になるんだろ?」
そう言いながら、刀を大きく振り下ろし、刃に付着した血を払う。
「本当は目の前の彼らが悪人であっても、無駄な殺生はしたくないんだがな……」
「仕方ねェだろ。俺も、どうせ行く当てのない化け物だァ。アンタが殺生したく無いッて言うんだったら、俺が代わりにもっとぶっ殺してやるぜェ!!」
ヒャハハハッ!と嗤いながら、肉体がまるで液体スライムのように蠢いていると、次の瞬間には人の形に成り、そのまま腕をまるで刀のような刃に変形させる。そして、敵陣へと突っ込み、どんどん敵兵を屠っていく。
「四号、別に俺が殺さないから大丈夫だ……って話じゃないんだがなお前が殺そうと、誰が殺そうと、殺生は殺生だからな。って聞こえてないか」
「ハハハハハッ!」
ドスッ、バスッ!ザクリッ!と斬ったり、刺したり、貫いたり、どんどん敵を自由に殺していく。しかし……。
「あァ?」
巨大なバリアが目の前に出現し、四号の動きを止める。




