第82話 契約交渉
冥界のヘルという神が送ってきた、勇者イワネツ。
先生が暴力の権化とか、野蛮だとかめちゃくちゃ言ってた人と通信が繋がった。
なんだろう、すごい怖い。
先生やロバートさんが、あれほどまで言うなんて、かなりやばい人なんだろうけど。
「マリーちゃん、我が対応すん。龍とアンリ君、呼出ちくぃらん?」
私は向こうに悟られないよう、無言で頷き別室でデリンジャーと龍さんを、水晶玉の通信で手短に要件を連絡して、水晶玉をセッティングする。
すると、通信がイワネツと繋がったようだ。
「な×ぢ○ロマーノれ□ご×おうこくヴィトーゐふか? わし○ジ△ポンおりべ○くに、イワネツなり。な×ぢわれ○ごしめゐのごとしな○□@」
ちょ!? なんか発音とかが何言ってるかわかんない。
ナーロッパの言語とかと全然違うし、日本語のようにも聞こえるけど、全然違う言語だこれ。
すると、ジローは顔をぽりぽりと指で掻いたあと、ニコリと笑う。
「Let's talk in english, You are also from the earth, right?」
え? ジローって英語話せるの?
でも私の英語の成績さっぱりだったし、何言ってるかわかんない。
「俺が通訳してやるぜマリー。英語で話しようぜってやつだ。ちょっと訛りがキツイが、お前地球出身だろって事も聞いてる」
「私も翻訳を頼む友よ。イギリスとも商いはしたが、英語はそれほど得意じゃない」
そうか、デリンジャーは元アメリカ人だから英語わかるか。
「なんだ、もしかしてお前もそうか。なら話が早い。お前は、どこ出身で何者だった? 俺はソビエト、モスクワ出身だったが」
あ、イワネツも英語で返してきた。
そうか、この人って確かアメリカでも活動してたって先生から聞いてる。
「俺はロマーノ連合王国王太子、ジロー・ヴィトー・デ・ロマーノ・カルロ。前世は沖縄出身、1941年生まれの金城二郎、アシバーって言う遊び人だ。一応沖縄琉道会って組織を仲間達と作って、遊ぶ金欲しさに色々やってた。世間じゃ、暴力団だの不良だの言われてたがね。君も多分そうだろ?」
「フン、同業者か。確か西側最大クラスの米軍基地があった日本の島だったな? 俺もよく密輸で使った。それに前世は俺と同い年かお前? 英語は話せるよ。そうじゃねえと、ビジネスにならねえからな。お前もそうだろ?」
なんだろう、多分自己紹介的な事言ってるのかな?
あ、通訳してくれるけどやっぱりそうか。
それにこのイワネツって、転生してからそんな歳をとってなくて結構若い?
なるほど、転生前はジローと同い年の1941年生まれか。
私が生きてた時代だと結構年寄りだけど。
それに声の感じちょっと甲高いけど、ドスが効いてるって言うか、なんか悪そうな感じもする。
「そうだねー。アメリカ世の時、英語は米軍基地から食べ物とか武器とか、沢山盗んで闇市で売ったり、海兵隊のアホ共に喧嘩売るには必要不可欠だった。あと、不良軍人やその家族脅して金を取るのも、アメリカ女を口説くにも、密輸にもね」
うーん、やっぱジローって、前世で悪いことしてるのよね。
今はどっちかって言うと、優しくていい人だし……たまに私が首を傾げる事言うけど。
「なるほど、その話が嘘じゃなければ、お前も俺と同類か。アメリキー相手にやるじゃねえか、気に入った。もっとも俺の場合は、ソ連軍や共産党の御子息様に、似たような事をしてたぜ。恐喝も盗みも得意なんだ、喧嘩もな。お前の盗賊としての一番の大仕事はなんだ?」
あれ? なんかイワネツとジローって相性いいのかな?
いや、ちょっと違うかも。
ジローの引き出し方というか、スキルめいた感じで、相手の懐に入るのが上手いのかな?
「うん、台湾の組織とも色々やったし、島で喧嘩もたくさんした。けど俺が思い出に残ってるのは、大暴動起こした件。あいつら米国は、米軍連中は……女達をアバズレ呼ばわりした。子供らをモンキー呼ばわりした。土地を奪い、琉球人の自由を奪い、奴隷のようにした。だから、あいつらから取り戻したさ。自由と尊厳を取り戻す、島ぐるみの本土復帰さ」
「……」
なんだろう、会話が急に止まった。
もしかして、この人ジローの話を聞いて、何か思うような事があったのか?
先生から史上最悪の暴力団って話しか、私も聞いてないし、ロシアンマフィアって事でしか、この人の事は知らない。
「お前は俺と同じだな、俺もそうだ。少し長い話になるが、俺の話を聞いてみるか?」
イワネツが話をしたのは、ソビエト連邦の話。
私も東西冷戦って話しか知らないし、歴史の授業でも全然触れられないし、イワネツの話が本当なら、とんでもない国だ。
ソ連という国は、ロシア帝国を革命によって倒して生まれた国で、密告社会と監視社会みたいな感じ。
ソ連共産党は市民のため、労働者のためって理由で革命起こして、ロマノフ王朝も教会も倒したけど、強引な工業化で農家を蔑ろにした。
結果、国内で多くの餓死者を出して、市民が祖国批判や権力者批判すると、誰かが密告して秘密警察に逮捕され、強制収用されたりシベリアの大地へ強制徴用され、そして殺されるという。
そして猜疑心が強い独裁者によって、軍人や政治委員も、粛清の嵐が吹き荒れて、一千万人以上の人間が大虐殺されたそうだ。
「俺もチラッと聞いてたが悪夢みてえな国だ」
「共産党とは悪魔の集まりか? 大清の女真の蛮族よりも酷いなそれは」
デリンジャーや、龍も思わず呟く。
彼の母親の実家は、元々ロシア正教会関係だったそうだけど、教会はソ連によって接収されて、悪夢のような収容所に変わった。
レーニンという独裁者が、徹底的に宗教弾圧して、教会関係者は大虐殺されたそうだ。
彼の母親は軍人と結婚したそうだけど、レーニンからスターリンという独裁者に代替わりした時、第二次世界大戦が勃発し、両親は心を病んでしまった。
彼は父親から、お前なんて生まれて来なければよかったなんて言われて、虐待されて育ち、学校しか居場所がなかったそうだ。
「君もなかなかハードな生まれ方してるなー。もっとも俺は学校なんか、小学校すらまともに行けなかったけどね」
「ふん、人から同情なんざいらねえ、ソ連じゃよくある話だ。運動神経がよかった俺は、国から目をつけられて、オリンピック選手になるよう教育された。まだガキだった俺は、祖国に忠誠を誓ってたんだ。だが、国は共産党員のお坊ちゃんの方が、祖国代表に相応しいっていうんで、俺は全てを失った。大好きだったスポーツも、学校の友達も……俺の夢も心も」
「……それが理由で君は不良になったか。俺も同じようなもんさ。大戦で父や兄が米軍に殺された。俺だって、小さい時からやってた空手続けたかったけど、ダメになった。食べていくためにはさー」
なんて悲しい話。
彼らだって戦争が無ければ、そんなひどい時代じゃなければ、きっとすごいスポーツ選手や武道家とかになってたかもしれないのに。
「祖国を信じてた俺は、祖国と社会から裏切られ、全てを憎むようになった。俺は、自分が人でなしになるかわりに、祖国にかつての信仰を、人間らしさを、自由を取り戻したかったんだ。あのクレムリンの人でなし共や、クソッタレなソ連社会をぶっ壊してやってな!」
彼はこうしてソ連の裏の世界で、社会を憎む盗賊になったようだ。
話を聞くとその後の彼は、紆余曲折あってソ連全土のブラックマーケットを掌握し、国営企業恐喝をしてた時、転機が訪れる。
1978年、ソ連によるアフガニスタンへの侵攻戦争が勃発すると、彼はアフガニスタンのイスラム武装勢力やアメリカのスパイなんかと共謀し、アフガニスタンで作られたヘロインを、ソ連全土にばら撒いたらしい。
私も全然知らなかったけど、アフガニスタン戦争って言えば、アメリカのテロとの戦いって感じで、私の生まれる前に起きた戦争だったけど、元はソ連があそこで戦争をしていた土地だったようだ。
そして、あの土地が、世界で有数の麻薬産地だって事も知らなかった。
「金と麻薬で、軍とコミンテルンの馬鹿どもを支配してやった。そしてアメリキー共に協力してやったのさ、密告なんざ盗賊のする事じゃなかったが、ソ連をぶっ壊す為にな。そしてソ連はぶっ壊れた」
この人は、先生と違うタイプのヤクザなんだ。
先生は、ヤクザも社会の一部って認識だったけど、この人は存在自体が反社会的。
けど、いくら自分の国が酷い国だったからって、犯罪で国を壊しちゃうなんて、とんでもない人だ。
そのせいで、多くの人の人生が破滅したり、死んじゃったかもしれない人も、いたかもしれないのに。
「俺の知らない歴史だ。俺が死んだのは、その戦争が起きる前、1975年の昭和50年間近の沖縄だった。本土復帰した俺の地元に、本土から資本が入ってきて、一緒に本土のヤクザもやって来て、俺は地元を守って刑務所行った。けど刑務所から帰った後の沖縄は……全然違う風になってったさ」
そう、彼は……転生前の金城二郎は、失意のうちに死んだ。
自分の守った愛する地元が、どんどん様変わりしてって、愛してたはずの地元の人間に殺されたのが彼だった。
「なんで死んだんだ? まさか刑務所から地元に帰ったあと、邪魔者扱いされて、頭を銃で吹っ飛ばされでもしたか?」
「……なんでそれをっ! まさか……君もそうなのか?」
「……」
ジローが聞くと、イワネツの水晶玉がまた沈黙する。
そして通信先で、瓶の蓋を開けるような音がして、何かを一気飲みしてるような、喉を鳴らす音がした。
「ぶはー! 生まれ変わった国の酒、うめえけど酔えねえんだ。おい! さっさと俺に酒持って来い! パシリの猿野郎! あ? もう用意してあるだと! 早く言え猿! それとお前が持ってくるんじゃねえ! 女に注がせろ阿保! ああ゛? お前じゃねえ! 座ってろ、うるせえメスガキが!」
途中で怒鳴るようなジッポン語に切り替わると、代わりの飲み物を用意させてるようだった。
「俺もそうさ。ワインも悪くないが、酔って気持ちよくなるの、沢山飲まなきゃならん。泡盛飲みたいんだが、米がなくてさ」
「なんだ? 米ならこっちに売るほどあるぞ? それで、ソビエトから自由を手に入れたロシアは、アメリキーとか日本とか欧州の物がドンドン入って来て楽しかったな。それで街には、元共産党員のホームレスどもが溢れかえり、KGBや軍人の雌犬共も不良になり、あいつら落ちぶれてざまあって思ったよ。俺はたしかにソ連をぶっ壊してやった。だが……」
「なんか思ってたのと違う……か?」
ジローは口に煙草を咥えて、人差し指に炎の魔法を灯して火をつける。
「そうだな、俺はソ連崩壊後に西側の真似して生まれた、新興のレェケットやらマフィアとか名乗って、気取りやがったクソ生意気なガキ共に、規律ある泥棒とはどういうものか、直接体で教えてやった。その後ソ連や新生ロシアのアホ共の情報をCIAとかに高値で売り払い、イタリアマフィア共と組んで渡米し、ニューヨークを拠点に全世界で商売した。本当の自由ってやつを味わってみたくよ」
「その自由の国はどうだった?」
「ああ、俺の手下共をヨーロッパにも送り込み、沢山金儲けしたぜ。中南米のカルテル共ともブツの商売して、上がりがざっと100億ドルに届こうかってくれえにな。地球一の密輸皇帝といえば、このイワネツ様よ」
自分で皇帝とか名乗ってるよこの人。
けど、全然小物臭くない、犯罪でずっと生計立ててきたっていう、凄みが声に感じられる。
「世界に流れるブツは3割以上、俺の流したブツだったからな。武器は戦術核とかプルトニウムからボールペンタイプの毒ガス暗殺道具に至ってまで、なんでも扱った。だが……どんなに金持ちになっても、自由なんかアメリキーになかった。パクられちまったしな」
そりゃあ自由なんてなかったでしょうよ。
先生の言うことが本当なら、世界の3割以上の麻薬と武器をこの人が扱って、多くの人を不幸にしたり、破滅に追い込んだかもしれないのだから。
「上部だけさー。あいつらアメリカの自由なんて。一部の白人の大金持ちしか自由は謳歌出来ねえ。そういう国さ」
「ああ、お前の言う通りだった。東欧の野蛮人のチビ呼ばわりして、俺の寝込み襲って捕まえにきやがって。催涙ガス焚いて、150万ボルトの大型スタンガン持ってきた、FBIとか言う民警共な。記念撮影とか言って、俺の無様な姿を世界中に流して馬鹿にしやがったんだ。だから俺は言ってやった」
通信先で、酒を飲み込む喉を鳴らす音がした後、ジローは煙草の煙を燻らせる。
「クソアメリキーは、世界のありとあらゆる犯罪と紛争を、俺の麻薬と銃のせいだと非難しやがる! 確かにその通りだ! だが俺は自由の女神を犯そうとか、真珠湾を爆撃しようとかいう気はねえ! なのに俺に喧嘩売るとはいい度胸だクズ共! お前ら全員のケツ穴を犯してやろうか? 死んじまえクソ共めってよ」
「あっはっは、奴らチビリ上がっただろうな。君、なかなかやるなー」
うわぁ、なんかデリンジャーが翻訳をためらう、私でもわかるようなFワードと、ロシア語言った感じ。
「そんなわけで、俺をとっ捕まえたおまわりや、俺をゴミみてえな目で見てきた裁判官、大金払ったのに、刑務所行きとか阻止できなかった弁護士もまとめて、俺がロシア戻った後で、不幸にもおかま掘られて死んじまったよ」
ちょ!?
やっぱこの人やばい人だ。
司法とか人の命とか軽く考えてて怖い。
「こいつ、とんでもねえワルだな! 100億ドルの上がりとかクレイジーだぜ。こいつが犯罪王だ」
「ああ、とんでもない男だ! ロシアか、私の時代では商売した事はないが。この男、世界の3割の密輸業を支配してたか。すごいな、私よりも上かもしれないな」
いや、突っ込む所そこじゃねえって!
なんかそこら辺、私とちょっとズレてるよ、この人達。
「なるほどねー、それで君はロシアに帰ったけど、君の居場所は無くなってたか」
「ああ……。俺が帰った2005年のロシアは、KGB上がりの野郎が仕切ってて、若い奴らは盗賊の掟なんざ素知らぬ風だ。街じゃ、よくわかんねえ髪型した、アディダスのジャージ着てるクソガキらが、意味も知らねえくせに、盗賊の入れ墨を入れるようになり、誰もそれを咎めねえ。西側の風に当てられ、規律も無くして、このイワネツ様を腫れ物扱いしやがった。頭に来たから、ロシア全土に俺の恐ろしさを思い知らせようと思った。が……年には勝てなかった」
つまり、アメリカに行ってて刑務所に入ってたから、かつての影響力が無くなってて、体も老いて、かつての体力とか勢いも無くなってたって事か。
「それで頭を吹っ飛ばされて死んだか……。君を殺した奴は?」
「2009年の10月に、俺は死んだ。チェチェンのイスラームの盗賊共は、俺の軍門に下る予定だったし、あいつらには俺に気付かせず、軍用ライフルなんざ使うスキルなんてねえ筈。やったのはロシア政府だろ? 俺の事にビビり上がってやがったからな。いや? アメリキーの仕業かもな。あの黒人大統領、ロシアを敵視してやがった」
そして彼は死んで地獄に行ったんだ。
10万って膨大な刑期で。
「10月かー、俺も死んだの10月だったな。もしかして誕生月、1月だったりしない? 俺、前世で1月生まれだけどさ、こっちの世界でも」
「はは! お前もか! それでお前、ビジネス希望だったな? ジッポンじゃ、そこかしこでアホ共が好き勝手しやがり、規律もクソもねえ状況だ。お前の国の船も強奪され、部下もおかま掘られそうになって、ぶっ殺されそうだったぞ?」
「なんだって? 君の国の詳しい状況を教えて欲しい。こっちの情報も君に話そう」
ジローとイワネツは、この世界の東西について情報交換し始めた。
ジッポンの状況は、天帝家が南北に分かれて、100年以上続く戦国時代になってるようで、モラルも人心も乱れ切ってるようだ。
こっちのナーロッパと違って、とてもじゃないが、平和なんて言えない状況になってる。
「なるほど、そっちの西側の状況もわかった。この世界は、神が悪さしてて人間の尊厳が奪われてる。そしてお前と仲間は、元凶の神を始末したが、ロキって神が悪さしたり、オーディンが送り込んだ奴らが、世界を巻き込む戦争を望んでいる……これに間違いねえんだな?」
「ああ、そうだ。そっちの戦争をなんとかせんと、君との商売は難しそうだね。その八州だったか? 俺の国なめやがってぽってかすーが。交易ついでに、君に加勢してやろうか?」
ジロー怒ってる。
船を襲われた事や、ロマーノ国民が殺されたり、アントニオさんが酷い目にあった事も。
「よおし、じゃあ俺の国はお前の国と、ビジネスの契約を結ぼう。俺がジッポンのクソ生意気なゴミ共を、まず先になんとかする。その後、そっちの西側の喧嘩道具とか密輸して欲しい。それと物資もだ」
「いいよ。そっちの米とか武器とか、他に金になりそうな物を交換で寄こしてくんない? 交易結ぼう、同盟もさ。それに……俺がそっち喧嘩しに行くよ。俺も得意なんだ、喧嘩」
なんか一気に話が進んだ。
ていうか、大丈夫なのかな?
ナーロッパから、ジッポンまでってめっちゃ遠いでしょ。
「マリーちゃんさぁ、兄貴の組ぬスカンザ共同体んかい話ちきーんばー。あにひゃーらやれー、早き行かりー飛行機、用意出来んだろ?」
ん? あ、そうか。
旧ノルド帝国にいるブロンドさんとかに頼んで、戦艦とか飛行機用意してもらえたら、あっという間にあっちに行ける。
「いいぞ。ただ俺にもお前を迎える準備があるから、少し時間をくれ。お前も船でこっちへ密航するの、1ヶ月以上はかかるだろう? そんなわけで今から45日後、俺の国まで来てくれ。もちろんそっちの邪魔が入らねえようにするし、書面で契約結べるよう全部俺が整えてやるから」
なんか、イワネツって人がこっちの都合も汲んでくれてちょっと猶予くれた。
でもその方がありがたい。
こっちにはこっちで、エリザベスの問題や、ロレーヌ皇国の問題に、ワルキューレ達の動向とか、色々考えなきゃなんないから。
それに、フレイアの置き土産みたいな、凶悪な魂達の業の問題も。
「わかった。それと、この時間で定期的に話しよう。君とは話が合うし、仲良く出来そうな気がする。友達、いや兄弟になってくんない? イワネツ」
「ふ、いいぞ。友達か……悪くねえな。お前とまた明日、話をするのを楽しみにしてるジロー。Пока」
なんかジロー、先生がやべえ奴って言ってた、ロシアマフィアの怖い人と、ちゃっかり仲良くなってる。
「やっさ、あいつーと会う前かい、やなクスリ扱ってる外道見ーちきーん、たっ殺すど」
ジローが呟くと、ロマーノの軍服着た人が、ジローにそっと耳打ちする。
「へへ、サルバトーレのぽってかすー、ネアポリぬ港で見つかったさー。早速行ちゅがなー」
「あ、じゃあ私も行く。この世界で麻薬なんか作らせないようにしなきゃ」
こうして私はジローと共に、サルバトーレ伯が潜伏する、ネアポリの港に赴く事になった。
次回バトル回




