第5話
そんなこんなで学校生活は一週間が過ぎた。
その頃にはレオニードの奇行を忘れたのか、声をかける者も現れ始めていた。
女子の割合が多かった。
ひとえに彼の容姿が理由だろうということは、その様子から見て取れた。
明らかな好意が、声の端々から溢れていた。
「ねぇ、レオニード君。今日の放課後一緒に帰らない?」
「ん? 構わんぞ。鍛錬でもするか? それともこれからの計画でも立てるか?」
「えっ? 計画って?」
「魔王を倒すんだ。簡単なものでは無理だろうな。君は賢者か? だったら助かるが、見たところ違うようだな。何ができる?」
「あー、うん……ごめんね。ちょっと今日は用事があったから、大丈夫」
「うむ。また何かあったらすぐ言ってくれ!」
概ねこんな感じで、彼女たちは去っていく。
素直すぎるその思想は、入学したての子供たちには刺激が強すぎた。
誰が話しかけても、
やれ魔王、
やれ勇者、
やれ仲間、
と押しに押され、みな引き下がっていくことになる。
ただ変なことに、レオニードは度々マルキュナに振り向く。
「どうだ! 俺と一緒に旅に出ないか?」
マルキュナは一切同意するそぶりはない。
(毎日毎日……いい加減止めてほしいな)
その面倒くささから、休み時間は机に突っ伏して過ごすことを決めた。
しかしそんな杞憂も、すぐに過ぎ去った。




