マンスリー
「レオンちゃん。二人を連れて、私たちのパーティハウスにいらっしゃい」
ギルドから出て帰ろうとしたところで、オネイ様に呼び止められた。
「どうしてです?」
「誰にも聞かれない場所で、呪いのこと……話しておいた方がいいでしょ?」
――確かに。
オネイ様がいる今のうちに話しておいた方がいい。
「わかりました。呼んできます」
「住所はここよ」
紙を受け取る。
「本当は一緒に行きたいんだけど……今の私たち、ちょっと刺激が強いから♡ 先に帰ってるわね」
――その言葉で、ようやく気づく。
(……俺、普通にこの人たちと外歩いてたな)
全裸のオッサン集団。
しかも違和感が、無かった。
(……慣れてきてる……?)
自分が少し怖くなった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □
「「「うわぁ〜……」」」
目的地に近づくにつれ、周囲の家の大きさが変わっていく。
そして。
「……デカ……」
目の前に現れたのは、明らかに“場違い”な豪邸だった。
「ようこそいらっしゃいませ」
扉が開き、マリーが出迎える。
丁寧な所作。
だが――
(デカい……)
体格が。
威圧感が。
いろいろと強い。
「ははっ……お邪魔します」
(いや無理だろこれ、平民が入っていい空間じゃないだろ……)
「きたわね〜♡ 待ってたわよぉ♡」
ホールに入ると、オネイ様たちがくつろいでいた。
「早速なんですけど……オネイ様たちって王都の冒険者ですよね?」
「なんでミトマにこんな豪邸を……?」
「ふっふ〜ん」
得意げな顔。
「マンスリーよ!」
「「「賃貸!」」」
「豪邸だけど庶民感出ましたね」
お陰で、レオン達は豪邸に入る事に抵抗感があったが少し安心した。
「ほんとは宿屋でもいいんだけどねぇ」
「私たちが泊まると、他の宿泊客が騒いじゃうのよぉ♡」
「……でしょうね」
「宿屋に迷惑かけるのも良くないし、長期のときはこうやって借りるのよ。美しさは罪よね♡」
(いや絶対騒ぐだろ……)
(変態集団が同じ宿にいたら……)
(罪ってか、平気で外を全裸で歩く集団なんて普通に犯罪だよ。)
「でも遠征でこんな豪邸って……」
「いいのよ」
一拍。
「金はあるわ♡」
「ぐっ……」
シンプルに強い。
羨ましい。
「まぁまぁ、細かいことはいいじゃない」
パン、と手を叩く。
「お話は、食事しながらにしましょ♡」
案内された食堂。
そこに並んでいたのは――
「すっご……」
見たこともないほど豪華な料理の数々。
「この短時間でこれ用意したんですか!?」
「出前の館よ♡」
「なんですかソレ?ギリな感じしますけど」
「デリバリーのお店よ♡」
「ギルドで受付の子に頼んでおいたの」
「こんな豪華なデリバリーあるんですか……?」
「あるのよ♡」
「まぁ、いいじゃない」
オネイが笑う。
「冷める前に食べましょ」
「「「いただきます」」」
一口。
「……うめぇ……」
思わず、力が抜けた。




