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調停者


「やはり貴様が――呪い持ちかぁ!」


「俺……呪われてるの?」


レオンは突然、自分が呪いにかかっていることを知る。


「呪いってなんだよ!何の事だよ!」


「黙れ!」


一喝。


空気が震えた。


ドラゴンはレオンを睨みつけ、ゆっくりと眼に力を込める。


覗き込む。


 


深く――


 


【ヘラの呪い】……『対象を去勢する…対象※※※※※※※※※※※※※※』


 


さらに力を込める。


隠された“その先”を――覗こうとする。


 


「……なっ……なんて呪いだ……」


 


ドラゴンの瞳が、わずかに揺れた。


(世界に出る影響が大きすぎる……)


(ドラゴン種も絶滅しかねんぞ……)


 


脳裏に浮かぶのは、“種の終わり”。


 


「貴様の存在は、この世界を滅ぼしかねん!」


空気が変わる。


重圧。


存在そのものに押し潰されるような威圧が、戦場を覆った。


「この世界の【調停者】として――この場で始末する!」


「何で俺がこんなのに殺されなきゃいけないんだよ!」


問答無用。


ドラゴンが動いた。


「グァングァ!」


トロールの群れが、壁のように前に出る。


レオンを守るために。


「面倒だ。焼き払う!」


ドラゴンの口腔に、灼熱が集まる。


 

――ブレス。



ボコンッ!



――ボッッンッ!!!!


 


「貴方!ふざけんじゃないわよ!」


爆炎の中。


影が、弾けた。


「どんだけ私を無視してんのよ!」


オネイの拳が――ドラゴンの顎を打ち抜く。


口内で爆ぜた炎が、内側から炸裂した。


「……き、貴様〜……」


煙を吐きながら、ドラゴンが睨む。


「貴様らには、もう用はない」


「さっさとこの場から消えろ!」


 


目的はただ一つ。


レオンの死だけ。


「はい、そうですかってレオンちゃんが狙われてるのに放っておけますか!」


「レオンさん、安心して下さい。私が盾となり守ります」


「マリーさぁん……」


泣きそうな声。


 


だが――抱きつかない。


(いや無理だろ)


全裸のオッサンに。


だが。


この異常な光景のおかげで――


レオンは、いつもの調子を取り戻していた。


「ってか!何だよ呪いって!説明しろよ!」


ドラゴンにキレる。


「貴様が知る必要はない」


「なら――お前も喰らえ!」


レオンの手が、光る。


――その瞬間。


ドラゴンの爪が振り下ろされる。


「あれ、発動しない……」


ッガン!!


マリーの盾が、大きく歪む。


「ぐぅ……!」


ガザザザザ……ッ


後退。


誰一人動かせなかった鉄壁が、押し込まれる。


「カハッ!」


「グァハッハ!」


ドラゴンが笑う。


「貴様の呪いは――我に通じぬようだな」


「ドラゴン種に性別は無いからな」


 

――そう。嘘は言ってない。



ドラゴンに、性別は無い。


単体で卵を産み、増える種。


 

「クソ……どうすれば良いんだよ……」


レオンの手が、わずかに震えた。


――通じない。


唯一の武器が。


戦場に、再び緊張が走る。



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