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サイクロップスと対峙している花園メンバーは苦戦していた。


鬼特攻の【破魔矢】か【童子切】で、踵に一撃を入れないと――

ほとんどの攻撃が無意味になる。


サイクロップスは、サクラとピオニーを重点的に警戒している。




ドドドッ


ドドドドドドッ


砂煙が――こちらに向かって迫る。


トロちゃんを先頭に、トロールの群れが走っている。




「トロールに乗ってるのは……去勢の童でありんすね」


「ちょっと、止めないと!」


リリィが、何かに気づく。




「レオンちゃんの魔法は強力かもしれないけど――」


「今のサイクロップスは、痛覚を感じてないのよ!」


「!!」


皆も気づく。




「「「待ってレオンちゃん!!」」」




―――


「アババババババ」


トロちゃんのあまりのスピードに、風で顔が歪むレオン。


サイクロップスまで、あと少し。




(でけぇ……ん?)


(花園の……なんで変態達、全員全裸?変態だからか…)


(何か言ってるみたいだけど……視界に入れたくない!)




サイクロップスだけに意識を向ける。




「イケる!」




メンバーの声が、届き始める。


「駄目よレオンちゃん!」


「まだ、痛みを感じてないの!」


「解除できるまで待って!」




「発動!」


「ぇ?」


「わっ、無理もう発動したよ!」




サイクロップスは――再生しない。


痛覚が無い今、


ただ“失う”だけ。


気絶はしない。


失えば――


レオンの魔法は、次が無い。




光が、サイクロップスを包み込む。




「ォ゙オ゙ォ゙ガァァァァァァ!!!!!」


絶叫。


大地を震わせる、悲鳴。




ギリ……ギリ……


巨大な眼が、ぐるりと回り――


白目を剥く。




ドンッ


膝が、崩れる。




バタン。


巨体が、大地に沈んだ。




「「「ハァァァァ!?」」」




「……効いた、みたい……ですね」

「あっ、トドメお願いします…」


レオンは、自分でも驚いていた。




……見ていた。


ドラゴンは、見ていた。




加護により、痛覚無効であるはずのサイクロップスが――


“痛み”で、倒れる瞬間を。




……ありえない。


【アキレス】の加護が――無視された。


【アキレス】より上位の力…




「貴様かぁ!!」


ドラゴンの声が、空を裂く。




気づいた。




目の前にいるオネイは、ヘラの祝福を受けている。


だから――


勘違いした。




郷から感じた“神の気配”は、祝福だったのだと。




だが、違う。




ドラゴンの視線が――


レオンを捉える。




【レオン・アークライト】

【火属性:E】【氷属性:E】【回復魔法:E】……

【ヘラの呪い】…



「見つけたぞ」


低く、確信の声。




「やはり貴様が――呪い持ちかぁ!」




「えっ?」


「ドラゴンが喋った!?」


「てか、呪い?」


「俺……呪われてるの?」




戦場の中心で。


最も危険な存在に――


レオンが、“認識”された。




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