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目的


――上空


戦場を見下ろすドラゴン。


羽ばたき一つで、空気が震える。


「お姉様〜」


戦場の花園のメンバーが、オネイのもとに集まる。


「ちょっと厳しいわね」


「姉妹達! 全力で行くわよ!」


「解放!」


――また、始まる地獄の光景が。




「ぬぁ〜ぁ゙〜」


ビリ


ビリッ


ンッパァーーン!


「戦場の花園パーフェクトスタイル!」


全員、全裸になった。




「オェェェー」


「ふざけてんのか!」


「あれ? 力が抜ける?」


後方で戦っている騎士や冒険者がダメージを負った。


【試練】を越える覚悟が折れた者たちのバフが切れる。


まさかの、フレンドリー・ファイア。




――上空


「何故だ……あのモノ達は、何故装備を脱いだ」


ドラゴンは理解に苦しむ。


ほんの僅かに――眉が歪む。




「行くわよ!」


「地上にいるサイクロップスからよ!」


サイクロップスは、トロールの群れにしがみつかれ、


鬱陶しそうに頭をちぎり取ったり、


ハンマーで殴ったりしている。


だが、再生するので中々剥がれない。


地面が砕け、衝撃が周囲に広がる。




そこに――


トロちゃんがトロールを踏み台にし、


サイクロップスの顔面を殴る。


ドゴッ!!


だが、全く効果はない。


【痛覚無効】【再生小】


それが攻撃を無意味に変えている。




「まずは踵ね」


「トロちゃん! トロールを引かせて!」


「グォン!」


トロールはトロちゃんの指示に従い、後退する。




「ピオニー!」


サクラが呼ぶ。


ピオニーは【破魔矢】を持つ指を離そうとした――その瞬間。


ヒュン――


サイクロップスのハンマーが、一直線に飛来する。


「……しまった……」


グガァン!!


衝撃が空気を裂く。


「大丈夫ですか!?」


マリーが庇う。


「……助かりました」


後方に構えていたピオニーを、


武器を投げてまで攻撃した。


何をされるか分かって、防いだのか……



「仕方ありんせん。わっちが切ります」


サクラが踵を狙い、斬りかかる。


――だが。


「オ゙オ゙ォ゙!」


サイクロップスは、サクラの初動前に殴ってきた。


ドゴォォン!!


地面が大きくえぐれ、土砂が舞い上がる。




「……大丈夫でありんす」


「解放した、わっち……動きを先に読まれたでありんす」


まただ。


サイクロップスは、先に動いた。




サイクロップスは見ていたのだ。


大きな眼で、モンスターがやられるのを。


特に、同じ鬼種であるオーガが――


サクラに斬られ、


ピオニーに踵を破魔矢で撃ち込まれ、


鬼八で射られるのを。




サイクロップスは、鍛冶が出来るほど頭がいい。


大きな眼は、どんなに速いモノでも捉える。


そして――覚える。


そんな存在に、


“戦い方”を、教えてしまった。




その時――


空気が、変わった。


「グァハッハ!」


「お前だな!」


上空から、影が落ちる。


ドラゴンが、一直線にオネイめがけ飛んでくる。


速い。


見えた時には、もう目の前。


オネイは隙を突かれた。


ガシッ


「しまっ――」


逃げ場はない。


ドラゴンの爪が、オネイを掴み上げる。




「見せろ!」


【ロータス・ガントレット】

……【身体強化】……【ヘラクレスの祝福】……【⁉⁇の祝福】


「もう少し……」


ドラゴンの瞳が、妖しく光る。


覗き込む。


“中身”を、見るように。




【ヘラの祝福】


……


沈黙。


ほんの一瞬――


だが、それだけで十分だった。




「祝福だけか……」


興味を失った声。


「なら用はない」


力が抜ける。


「我は郷に戻るか……」


その巨体が、空へと向きを変える。


まるで――


最初から、戦う気など無かったかのように。



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