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オネイ様は強し



オネイはトロちゃんにその場を任せ、オーガへ歩み寄る。


「貴方達は――私が相手よ」


ドゴッ!!


拳が叩き込まれる。


「……硬いわね」


ニタァ……


オーガが、勝ちを確信したように笑う。


――次の瞬間。


ボゴォッ!!


振り下ろされた腕が、オネイを潰す。


骨が軋む音。


だが――


「残念♡」


ぐにゃり、と潰れたはずの肉体が巻き戻る。


裂けた皮膚が、音を立てて閉じる。


「効かないのよ、それ」


一歩。


近づく。


「ねぇ、知ってる?」


スッ――


拳が、オーガの腹に触れる。


叩かない。


押さない。


ただ、触れているだけ。


「強い生き物ほど――」


一瞬、止まる。


「中身は柔らかいの」


――ドンッ


遅れて、音が鳴る。


その瞬間。


オーガの体内で――


ブチッ


何かが千切れた。


「……ァ?」


遅れて理解が追いつく。


内臓が、ズレる。


潰れる。


絡まる。


逃げ場のない圧力が、体の内側で暴れ回る。


ボコッ……ボコボコッ


腹が、不自然に脈打つ。


皮膚の内側で“何か”が暴れている。


「が……ッ……」


呼吸ができない。


肺が潰れている。


声を出そうとした瞬間――


グボォッッ!!!


血と、肉片と、消化されかけの内容物が一気に逆流する。


止まらない。


吐く。


吐く。


吐く。


「コレがね」


オネイは、そっと拳を離す。


「鎧の中身だけ壊す技」


さらに――


指先で、軽く“弾く”。


トンッ


その瞬間。


グチャッ


体内で完全に何かが崩壊した。


膝が折れる。


支えきれない。


内側が、もう“形”を保っていない。


「――寸勁って言うのよ」


ドサァ……


巨体が崩れ落ちる。


地面に広がる血は、黒く濁り、粘ついていた。


外側は――ほぼ無傷。


なのに。


中身だけが、完全に死んでいる。


「ほら」


オネイは微笑む。


「硬い皮膚、意味なかったしょ?」





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