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オネイのヒ・ミ・ツ



 学院の食堂に、昼食を取りに来た。


 ザワザワ。

 ザワザワ。


「……なんか、いつもより騒がしくない?」

 レオンが周囲を見回す。


「あそこ、人だかりできてるよ」

 アリスが指さした。


「ちょっと見てくるー!」


 ミリアが先に駆けていく。


 レオンとアリスも人混みに近づいた瞬間――

 どこかで嗅いだことのある香りがした。


 人だかりの中心。

 食堂の一角のテーブルに座っていたのは――


「あら、レオンちゃん!」


「オネイ様が……なんでここに……」


 そこには、【戦場の花園】の面々がいた。

 そして――ミリアもちゃっかり同席している。


「……食欲がなくなってきた……」


「レオン!オネイ様がご飯奢ってくれるって!」


「二人とも、とりあえず座りなさいよ」


「牛のお肉頼んでいいってよ!」


「マジで!?」


「レオン君……チョロすぎでしょ」


 この世界では、牛や豚は超高級食材だ。

 庶民は基本、モンスター肉を食べる。


 だが学院には貴族もいるため、食堂には用意されている。

 ――ただし価格は、約50倍。


「ところで、なんで学院にいるんですか?」


「指名依頼よ」


「どんな依頼ですか?」


「戦士学部の特別授業」


「うわっ……戦士学部ご愁傷さま」


「どういう意味よ」


「だって模擬戦とかですよね?

 全裸の変態と組んず解れつとか地獄ですよ」


 ――ゴッ!


「痛っ!」


 殴られた。


「貴方、ほんと失礼ね」


「そもそも、パーフェクトスタイルまで追い込める人なんて、ここにはいないわよ」


「花園のメンバーは、各武器のスペシャリスト。

 最高峰の戦士との一戦は、後々ちゃんと糧になるの」


 確かに――

 こんな地方都市に「人類最強」がいる機会はほとんどない。


 王都から呼べば、依頼料が高すぎる。

 学院からすれば、完全に棚ぼただ。


「で、いくらぼったくったんですか?」


「失礼ね!無償よ、無償」


「え!?無償!?」


「今は休暇みたいなものだし、余裕があるの。

 それに――後進の育成は大事よ」


「……ホントは?」


「若い男子の汗の香りを嗅ぎながら手とり足取り――」


「さっき殴られ損じゃないですか!!

 俺、間違ってなかった!!」


「いいから、お肉食べなさい」


「「うっま〜!!」」


「だからチョロすぎだって……」


「じあわせ〜……」


 


 ――食事後。


 満腹になったレオンは、ふと気になっていたことを口にした。


「オネイ様のヒールって、最初からあんなに特殊だったんですか?」


「違うわよ」


 あっさり否定。


「私の適正、元々Eだったの」


「「「え?」」」


 三人の声が揃う。


 適正は“限界値”。

 本来、成長することはない。


 以前聞いたときはAだったはずだ。


 回復量はSだが、他人を回復できないため総合評価はA――

 それが現在の評価だ。


「どうやって上げたんですか!?」


 アリスが食い気味に聞く。


「うーん……」


 オネイは少しだけ遠い目をした。


「ちょっと昔の話になるわね」


 ――そう言って、語り始めた。





最近読んでくれた人の評価が気になり始めました。良かっかたら感想下さい。メンタル強くないのでお手柔らかにお願いします。

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