ちょっと怪しい雰囲気
――ギルド受付。
「こんちわ! 買い取りお願いします!」
「今日は、ずいぶん多いですね」
受付嬢は、山のように積まれた素材を見て目を丸くした。
「トロちゃんがパワーアップして、狩りが捗りました!」
「僕は何もしてないから、オークのタマタマもちゃんとついてますよ!」
ニヤニヤ。
「……セクハラですよ」
「この前、睾丸が大事ってお姉さんが言ったじゃないですか」
「セクハラかどうかは、“言われた側がどう受け取るか”で変わるんですよ」
「理不尽」
即答だった。
受付嬢はため息をひとつ吐き、素材に視線を戻す。
「……それにしても」
「この量、しかも浅い層のものですよね?」
「ああ、そうだけど」
「やっぱり、少し変です」
空気が、ほんの少しだけ変わった。
「最近、同じような報告が増えてるんです」
「モンスターの出現数が異常に多いって」
「……やっぱりか」
レオンは小さく呟いた。
森で感じた違和感は、気のせいじゃなかったらしい。
「ギルドとしても調査を始めてます」
「近いうちに、討伐依頼が出るかもしれません」
――森の中層。
ギルドの依頼を受けた冒険者たちは、物陰から“それ”を見ていた。
巨大な影。
圧倒的な存在感。
――ドラゴン。
「……おい、嘘だろ……」
誰かが、かすれた声で呟く。
「なんで、こんな場所に……」
ドラゴンは、本来もっと深部に棲む存在だ。
中層に現れるなど、あり得ない。
「……これで、わかったな」
「モンスターが浅い層に溢れてた理由が」
誰かが唾を飲み込む。
「縄張りを、追い出されてたんだ……」
あれに。
その瞬間――
ズシン。
ドラゴンの首が、ゆっくりと動いた。
視線が――合う。
「――やば」
次の瞬間。
轟音。
視界が、光に焼き尽くされた。
ブレス。
回避する間もなく。
悲鳴すら、上がらなかった。
すべてが、一瞬で――消し飛んだ。
最近読んでくれた人の評価が気になり始めました。良かっかたら感想下さい。メンタル強くないのでお手柔らかにお願いします。




