覚醒!パーフェクトオネイ様
倒れるトロちゃん。
その体はまだ再生しているが――
明らかに回復速度が落ちていた。
「トロちゃーん!」
ミリアが駆け寄る。
「ヒール!」
淡い光がトロちゃんを包む。
元々、自己再生能力を持つトロール。
そこへ潜在能力Sの回復魔法。
それが組み合わされば――
ほぼ永遠に戦えるモンスターになる。
「リジェネーション!」
ミリアはさらに魔法を重ねる。
常時微量回復する魔法だ。
これでトロちゃんは、戦いながら回復し続ける。
そこへ――
アリスも駆け寄ってきた。
「ゴメン!トロちゃん!」
そう言いながら、トロちゃんに何か薬を打ち込む。
次の瞬間。
「グォォォォォ!!」
トロちゃんの体が膨れ上がる。
筋肉が膨張する。
「アリス、何したの?」
レオンが慌てて聞く。
「えーと、【筋力増加】【速度上昇】【耐久上昇】のドーピングだよ」
「え、大丈夫なやつ?」
「ホントは緊急用に作ってた薬だから、ちょっと副作用あるけど……」
アリスはケロッと答える。
「その分すごく強力だし、トロールの回復力があれば大丈夫だよ」
レオンはトロちゃんを見て顔を引きつらせた。
「いやいや、トロちゃん見たことないくらい興奮してるし」
「肌も紫になってるしと緑の縞なんて見たこと無い」
「なんか角生えてきたよ」
「それはわかんない!」
アリスはニコッと笑った。
周囲がざわめく。
「……あれ、オーガじゃないか?」
「トロールってオーガになるの?」
レオンは青ざめた。
「あれ? これヤバくない?」
自分が怒られる未来しか見えない。
トロちゃんが雄叫びを上げる。
「グォォォォォ!!」
そして――
次の瞬間、姿が消えた。
ドゴォォォン!!
とんでもない衝撃音。
壁を見ると――
そこにはオネイがめり込んでいた。
「はんっ!」
瓦礫の中からオネイが立ち上がる。
「従魔を強制進化なんて……意外とやるじゃない」
すでに傷は修復されていた。
レオンは思わず言う。
「いや、とりあえず……その戦いづらそうな服装どうにかしたら?」
オネイはフリルだらけのドレスにハイヒール。
どう見ても戦闘服ではない。
だがオネイは不敵に笑った。
「フッ……わかってないわね」
「社交場は女の戦場のよ!」
「ドレスは乙女の鎧!ハイヒールは乙女の武器!」
「社交場ちゃうし」
レオンは突っ込む
「美しい物にはねぇ」
「テンションアゲアゲのバフがあるの!」
そして指を鳴らした。
「いいわ……」
ニヤリと笑う。
「私のホ・ン・キ、見せてあげる♡」
次の瞬間。
「ぬぁぁぁぁぁ!!」
野太く、力強い叫び声。
筋肉が膨れ上がる。
ビリ……
ビリビリ……
ドレスが裂けていく。
そして――
パァァァン!!
服が粉々に弾け飛んだ。
オネイはポーズを決める。
「パーフェクトオネイ様よ!」
キラン☆
――全裸だ。
一瞬、訓練場の時間が止まる。
そして次の瞬間。
「目がぁぁぁ!!」
「見るな!見るなァ!!」
「遅い!もう見たァ!!」
「吐いた!吐いたぞ!」
冒険者たちが次々と崩れ落ちる。
レオンは頭を抱えて叫んだ。
「乙女の鎧粉々やん!!」
修正「ドレスは乙女の鎧!ハイヒールは乙女武器!」→「ドレスは乙女の鎧!ハイヒールは乙女の武器!」




