表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/72

人類最強



「――表に出ろ、ガキ共!」


オネイの一喝。

その威圧だけで、ギルド内の空気がビリビリと震えた。


「えぇ!? わ、私も!?」


ミリアが思わず自分を指さす。

完全に「自分は関係ないですよね?」という顔だ。


しかし逃げ場はない。


一行はそのまま、ギルドの訓練場へと移動させられた。


ここなら多少暴れても問題ない場所だ。


レオンはギルドスタッフへ必死に視線を送る。


(止めて! お願い止めて!)


だがスタッフは――


(無理! ゴメン!)


と、力強く首を振り返した。


レオンは今にも泣きそうだった。


その時。


レオンの前に――

のっそりと大きな影が立つ。


訓練場でお留守番していたトロちゃんだ。


レオンの怯えた様子を見て、助けに入ったらしい。


オネイとトロちゃんが、静かに睨み合う。


三メートル近い巨体のトロール。


その前では、オネイでさえ小柄に見えた。


だが――


「トロール如きが、俺に勝てるとでも?」


その声には、微塵の動揺もない。


ドラゴンすら討ち取るパーティ――

戦場の花園。


トロールなど役不足だと言わんばかりだ。


オネイは肩を回しながら言う。


「いいぞ。お前ら全員で来い」


「俺一人で相手してやる」


そして――


ガシャッ

ガシャガシャ


両腕にガントレットをはめる。


レオンは腹をくくった。


「いけ! トロちゃん!」


「君に決めた!」


トロちゃんが雄叫びを上げる。


「グォオオオ!」


そして――


ドォン!!


オネイへ全力の拳を叩き込んだ。


砂煙が舞う。


視界が真っ白になる。


そして――


煙が晴れた。


「えっ……」


レオンが目を見開く。


「トロちゃんの一撃を……ノーダメ?」


そこには――


無傷のオネイが立っていた。


「……こんなもんか」


次の瞬間。


ドゴッ!!


オネイの拳が、トロちゃんの腹をえぐる。


「グェェェ!」


トロちゃんは膝をついた。


だが――


トロールの肉体がうごめく。


裂けた腹が、みるみる再生していく。


トロちゃんは再び立ち上がった。


「ほう。再生か」


オネイはニヤリと笑う。


「トロールの倒し方はな――」


拳を構える。


「再生できなくなるまで殺ればいい」


「グォォォ!!」


次の瞬間。


ドゴッ!!

バキッ!!

ドゴォォ!!


オネイとトロちゃんは――


ノーガードで殴り合い始めた。


「おかしくないか?」


レオンが思わず呟く。


「いくら強くても、トロちゃんの攻撃を食らいまくってノーダメなんて……」


その時。


「ホッホッホ」


後ろから声がした。


「教えてあげましょうか?」


振り向くと――


「マダム!」


マダムは優雅に扇子を揺らしながら言う。


「お姉様はね。オートで発動する自己回復Aランクなの」


「お姉様は少し特殊でね」


少しじゃ無いけど聞いてた人は皆思ったが何も言わない。


「Aランクだけど――他人は回復できないの」


「その代わり」


マダムは微笑む。


「オートで発動する回復量がSランク並みなのよ」


「戦闘技能も高い。」


「身体能力も高い。」


そして――


「ダメージを受けた瞬間に回復するの」


「だから。」


マダムは誇らしげに言った。


「お姉様の二つ名は――」


訓練場ではまだ、殴り合いが続いている。


ドゴォォン!!


砂煙の中で立つ影。


それは人間の形をしていた。


「【人類最強】」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ