アリス戦場の花園加入
ギルドの中は――地獄だった。
「失礼しちゃうわ」
オネイはそう言って、“ソレ”をしまう。
「あの、お姉様……僕の魔法、服の上からでも大丈夫です……」
レオンは力なく答えた。
「あらぁ~、そうなの!?」
「ヤダぁ~」
「レオンちゃん、役得ね!」
オネイはパチンとウィンクする。
「もう無理~……」
レオンのHPは、残りわずかだった。
アリスが倒れかけたレオンを支える
なぜか少し息が荒い。
「レオン君、大丈夫!?」
ハァ、ハァ……
「こんなに弱っちゃって……」
ハァ、ハァ……
オネイはそんなアリスを見下ろした。
(あらぁ、この子……)
次の瞬間。
「貴方、戦場の花園に入りなさい!」
「実力は私たちが鍛えてあげる!」
「え、えぇ~!?」
「貴方は、私たちみたいに美しくなれるわ!」
アリスは、ほんの少し欲を出したせいで――
見事なもらい事故に遭っていた。
「ご遠慮します……」
その時、レオンが起き上がる。
「ちょっと待ってくれ!」
「アリスは俺のパーティメンバーだ!」
「それに――アリスは十分綺麗だろ!」
ドクンッ!!
アリスの鼓動が爆音を立てた。
「レオンく~ん……」
もちろんレオンは、自分が事故ったことに気付いていない。
後ろではミリアがニヤニヤしている。
「レオン最高よ!」
「そうじゃなくちゃ!」
「もっと私を楽しませて!」
レオンは改めてオネイに向き直った。
「俺は……人にこの魔法を使いたくないんだ」
「使い方次第で、かなり強力なんだ」
「人に使って……歯止めが利かなくなるのが怖い」
「そして――」
「人に変な噂されて、おかしな二つ名で呼ばれるのが辛い」
最後のが、本音だった。
「じゃあ……使ってくれないの?」
「ごめんなさい。本人が望んでもやりません」
「そう……」
「だったら……仕方ないわね……」
意外と聞き分けが――
「力ずくだな!」
……よくなかった。
「えっ?」
「おい、よく聞けガキ!」
「今から全力でお前を襲う!」
「やられたくなかったら――俺に魔法を撃て!」
「それしかお前に勝ち目はない!」
オネイの口調が変わる。
それはさっきまでの軽いノリではない。
肌で感じる威圧。
それは――
歴戦の戦士のそれだった。




