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教室の中心で愛を叫ぶ



「去勢のレオン!アリスを賭けて勝負だ!」


突然、教室にそんな声が響いた。


レオンはぽかんとする。


「………なんだアイツ」

扉の前には、腕を組んだバルガスが立っていた。


「お前は俺のお願いを聞かなかったくせに!」


「自分の欲望を満たす為にアリスに魔法を使い、毎日楽しんでるらしいな!」


「脱げと強要してるって聞いたし!」


「街で首輪をつけて鎖で引き連れ回したってのも聞いた!」


「そんなの羨ま……じゃなかった、非道は許さん!」


「俺と戦え!」


「俺が勝ったらアリスを寄越せ!」



色々ズレている。


レオンは頭を抱えた。


「なんちゅー勘違いしてんだ……」


しかし実はそれ、勘違いではなかった。


学院で普通に流れている噂だったからだ。


首輪はトロちゃんだ


アリスはバルガスを、まるでゴミを見るような目で見ている。



「まず、アリスに魔法を使ってない」


「アリスとそんな関係でもない」


「そもそもアリスは俺の物でもないし、勝負を受けるメリットがない」


レオンは淡々と言う。


「もし勝負するとして、俺が勝ったら何くれるの?」



バルガスはニヤリと笑った。


「負けたら玉をくれてやるよ!」

「集めてるんだろ!」


周りの生徒がざわつく。


「おー……」


なぜか感心している。



「集めてねーし!」


レオンは思わず叫んだ。


「俺が勝った時点で、お前無くなってるって事だろーが!」


周囲の生徒も、うんうんと頷いている。


「馬鹿か!」


バルガスは胸を張る。


「そんなの正々堂々、魔法無しで勝負だ!」



見事なクズである。


レオンは額を押さえた。


「魔導士に魔法使うなって、どこが正々堂々だよ」


「だったらお前は身体使うなよ。魔法だけで戦え」



「本当にバカだな!」


バルガスは鼻で笑う。


「俺は魔法が使えんのにどうやって戦うんだ!」


「だんだんイライラしてきた……」


レオンはため息をつく。


「言葉が通じん」


その瞬間。


「ライトニング!」

ピカッ!

ドカーン!!


「レオン君、聞かなくていいよ。こんなの」


アリスだった。


どうやら、かなり怒っている。


しかも躊躇なく魔法をぶっ放した。


怖っわ。


「ま、待てアリス!」


バルガスが慌てて叫ぶ。


あ、生きてた。


「クレイウォール」


アリスが静かに言う。


次の瞬間、土の壁がバルガスの体を拘束した。


完全に動けない。


「ウォーターボール」


ふよふよと、水の球が浮かぶ。


それがゆっくりと――


バルガスの顔を包んだ。


ゴボッ!

ゴボボッ!


バルガスは慌てて暴れる。


しかし体は固定されている。


逃げられない。


怒ったアリス、マジで怖い。


てか錬金科なのに魔法のコントロールめちゃくちゃ上手くない?


バシャッ。


アリスは魔法を解除した。


バルガスは床に崩れ落ちる。


アリスはゆっくり歩み寄る。


そして――


バルガスの髪を鷲掴みにした。


顔を持ち上げる。


「……いい?」


アリスは低い声で言った。


普段とは全く違う声だ。


「ーーーー自主規制ーーーー」


「気持ち悪いんだよ」


「今後近づくな」


「次やったら、---自主規制ーーー」


バルガスは顔を青くして頷いた。


そして次の瞬間。


アリスはいつもの笑顔に戻った。


「ごめんね〜僕のせいで変なのに絡まれて」


「お詫びにカフェで何かおごるよ!」


「行こっ!」


レオンの腕に抱きつく。


「う、うん」


レオンは流されるまま歩き出す。


教室の後ろで。


ミリアがぽつりと呟いた。


「……わたし、空気だった」






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