バルガス再び
ギルドで、ウルフ肉とクレイボア二匹以外を売った。
残しておいたウルフ肉とクレイボアは氷漬けにして研究塔に預ける。
トロちゃんの餌だ。
たぶん四日はもつと思う。
学院の食堂で、今後の予定を三人で話していると――
またヒソヒソと話す声が聞こえてきた。
「あの子って、バルガスと揉めてた子よね?」
「最近、“去勢”とべったりだよね」
「もしかして……何かされたのかな?」
「アイツ、気に入った男に変なことするって噂だよ」
「うぉい!!」
レオンが立ち上がった。
「してねーよ!ってか俺の名前は去勢じゃねぇ!」
食堂の視線が一斉に集まる。
「くそっ、言いたい放題言いやがって!」
レオンはアリスの方を向いた。
「アリス!証明してやれ!」
「イヤイヤ、何を!?」
アリスが慌てる。
それを見ていた生徒が小声で言う。
「やっぱり証明できないって事は……」
「お願いだアリス!頼むからーー自主規制ーー見せてくれ!」
レオンは必死だった。
「また誤解を生む言い方してる……」
ミリアは呆れ顔だ。
そして後日。
「レオンがアリスに無理やり見せるように強要してた」
という噂が学院中に広まっていた。
その噂を聞いて、怒りに震える男がいた。
「……あの野郎」
「人の事を陥れたくせに……!」
「自分はアリスと楽しそうにしてやがるのか!!」
バルガスだった。
その日の教室。
レオン、ミリア、アリスの三人は雑談していた。
すると――
ガラッ!!
教室の扉が勢いよく開く。
「去勢のレオン!!」
バルガスが叫んだ。
「アリスを賭けて勝負だ!!」
突然の宣言に、教室が一瞬静まり返る。
レオンはぽかんと口を開けた。
「……なんだコイツ?」




