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私の精霊はまさかのポメラニアン?~新米ハンターと賑やかパーティーが繰り広げる異世界冒険記~  作者: アインス
第3歩 力を求めて

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別邸 ~休息と親睦~

グロームハルのイツカの別邸にて



「お前らよ、

 いつまでここでメシ食ってんだ?」


「うわっ!ケチくさっ!

 ね?そう思わない?」


「…またこの流れやるの?」

「少し違うわね。今回はいつまでここにいるのかって聞いてるわよ?」


「ケチくさいな。旦那らしくない」

「アリアさんは…いない、ね」

「待てファニー。一体何が…」


「いい感じに砕けてきたでしょ?ファニーも取り込んでやる」

「なんだか楽しそうね?」


「だからよ、いつまでいんだよ?」

「アンタこそなんでこっちにいるのよ?屋敷があるでしょ、ヤ・シ・キが」


「イツカ、ノエルは無視しろ」

「今回は私も理由聞いてないわね」


「説明すりゃあいいんでしょ!あと4日くらいしたら出てくわよ!」


「それ、理由になってねぇぞ?」

「お、それなら俺から説明できる」


そう言ったオリバーがイツカに武具の新調をバルカンの工房に依頼した事と、その期間として3,4日必要だと告げられた事を伝えた。


「理由は分かったけどよ、その間どうするつもりだよ?」

「それは…続きはノエルだ」


「あれ?言ってなかった?」

「「「聞いてない」」」


「あ、今のいい感じかも!」

「ノエル?ちゃんと説明しなさい」


「ファニーと話してたらさ、()に興味持っちゃって、じゃあ行ってみようかってなって。ピエールは武器が変わるみたいで練習したいみたいだし、ソファもフレイルの練習がしたいって言うし、オリバーも色々試してみたいんでしょ?ちょうどいいじゃん」

「なるほどね、大体分かったわ」


「俺は多分出てこないぞ?」

「俺もあの時に出て来なかったって事は、駄目ってことになるのか?」

オリバーは諦めているみたいで、ピエールは前に出てこなかった事を気にしているみたい…。


「普通はそんなポンポン出てくるモンじゃあないだろうが。それが当たり前なんだよ」


「出てきたやつのセリフだな」

「え?イツカさんも精霊と?」


「ソファ、ストップ」

「今度説明するわね」

ここでノエルとセレナから止められた…。

多分まだ言えない事が色々あるんだろう。


「まぁ俺としてはあの辺りに行くのは賛成だ。オブリヴィオンを試すのにも丁度いい」

「私も賛成!あのコウモリ…ストーンバットだっけ?フレイルの練習に良さそう!」

「私はパスしようかしら。ギルドにいるわ。旅に出ると当分戻らないんでしょ?皆に挨拶しておかないとね」


「オッケー。セレナ以外参加っと」

「…俺は何も言ってないんだが」


「ファニーが行くのに?

 グレイブの練習だよ?」

「いや…行くのは行くが」


「聞かれたかったみたいよ」

「バッカじゃない?」


「――っ」

「諦めよ?ノエルだよ?」

「そうよピエール。あれがノエル。私も段々分かってきた」


「なっ!ファニーまで?」

「取り込んじゃった~」


ニンマリと勝ち誇った表情のノエルと、何やら悔しそうなピエール。




「お前らよ、どうでもいいけどメシ食わねぇのか?」


そう言うイツカは黙々と木のスプーンを使い、料理を口に運ぶ。



机の上には深紅の火山から湧き出たような、煮えたぎる灼熱の液状物スープ

炎を象徴する赤いスパイスの香りが立ち込め、赤銅色の熱泥の中には、細かく砕かれた肉が散りばめられている。


一口含むたびに口内を焦がすほどの熱が、からさを魂まで響かせ、舌の奥を刺激するしびれが食べた者に忘れがたい陶酔を与える。


しかし、この料理の真髄は別にある。

激しい熱を瞬時に鎮める一口サイズの白く柔らかな塊、熱に溶けることなく、燃え盛る旨味の海の中で、唯一の安息が次の一口への呼び水として存在感を放つ。


「辛っ!でもこれがいい!」

「クセになるわね」

「私これ好き~」


「飯がすすむな」

「うっ!辛い」

「オリバーさんって甘党?」



「お前らよ、黙って早く食えよ」

皆でここにいると、イツカさんが王に思えない不思議。まぁ王らしいところなんて見たことあったっけな?

あ~辛いっ!でもおいしっ!





◇◇◇





山の斜面を穿うがつように開いた穴に広がるその湯殿は、周囲の岩肌と同じ黒曜石こくようせきで、湯殿を囲む石壁には、含まれる金属の輝きが微かに反射し、見上げる星空との対比が美しく映える。


鍛冶の炉から引かれたかのような真っ赤な鉄鉱泉は、地中深くの熱をそのまま抱き絶え間なく石組みの湯船へと注ぎ込まれる。

その湯面からは、溶鉱炉の熱とは異なる、湯気が濛々《もうもう》と立ち上っていた。


鍛冶場の重労働で凝り固まった筋肉を芯まで緩ませ、魂の炉に再び火が灯るような活力を与える大地の恵みの泉。



「ここも凄い贅沢~。上も下もキラキラしてて星空に浮いてるみたい」

「私は、木造りのレイブの所が好きかな?」

「セレナはそうだよね~。アタシは温泉ならどこも好き」

「星の光の反射だけがあかりなんだ…」


「…先客がいるんだが?」

「ピエール。黙れ」

――!

今の声は?


「あら?オリバーとは初めてね。そんな隅っこにいないでこっちへ来ない?」

「構うな。俺はノエルに吹き飛ばされたくはない」

「先にいたんでしょ?別に見えてないし、いいわよ」


「あ、ピエール。そっちへ行っていい?一緒に星見よ?」

「ファニー、こっちだ」

「そこ!さかったら飛ばすからね!」


「じゃあオリバーを1人きりにはさせられないわね」

「セレナ…頼むから、ここでの事はギルドで話すな」


「皆で温泉ってのも、これはこれでいいかもね」

「なんか気にし過ぎてる私がバカみたいじゃん」


なんで皆そんな普通なの?

これって私がおかしいの?

…ま、いっか。


「ね、折角だし聞いていい?ピエールとファニーの出会いは?」

「待て。それを知って…「聞きたいの?」」


ピエールの言葉をさえぎり、食い付き気味に話し出したファニー。


そんな2人の話を聞きながら、私たちは星を眺め暫しの休息と親睦を深め、やがて夜も深まっていった。

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