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私の精霊はまさかのポメラニアン?~新米ハンターと賑やかパーティーが繰り広げる異世界冒険記~  作者: アインス
第3歩 力を求めて

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洞窟の入り口 ~別邸~

“深淵の洞窟”近くの荒野に着いたあと、鉱竜に翌朝まで待つように告げてから篝火かがりびの照らす町へと入る。


町と洞窟を見下ろすイツカの別邸にて。



「くたびれた~!もう何もしない!」

「鉱竜に乗れたのは良かったわね。

 帰りが歩きだとまだ途中でしょ?」

「それはいいんだけど、腰とお尻が…」


「地龍と鉱竜に乗った感想がそれか?

 普通もっとこう…あるだろ?」


「何がよ?誰のせいよ?

 ドラゴンに興味なんかないっての!

 一体何往復したと思ってんの?」

「えっと…1、2…3往復かな?」

「数えなくていいから!」


「全部歩いたわけじゃねえだろ?」

「そういう問題じゃないわね」

「うるさいよ。数少ない組!」


「あ、全部行ったの私とノエルだけだ」

「疲れたよね~?大変だったよね~?」


「文句言う元気はあるじゃねぇか」

「うっさい!メシ!酒!」

「食べるし、飲むんだ?」

「ソファ!なんか言った?」

「言ってない。…お腹すいたね。

 っていうか暗くて洞窟分かんなかった」


「そう言えばまだ見てないのよね?」

「なんだ?行きたいのか?」

「あんなとこ行かないよ!

 ウチは旅に出るの!」


「でも一度は見てみたい…かな」

「明日の朝見ればいいじゃない。

 入り口もちょっとした町よ」

「あ、それいいかも!

 ピエールの武器も探さなきゃだしね」


「武器屋があるの?」

「武器屋もあるけど、鍛冶屋が主ね。

 腕のいいドワーフが多く住んでるの」

「砦の時に見た!

 ここもあの人たちが作ったの?」




――洞窟の入り口前の宿場町


“グロームハル”

地底の砦を意味する名。



山脈の裾野に岩肌を削って築かれた町。

洞窟へ向かう者の唯一の拠点にして、

地を掘る者たちの城塞。


通りは黒鉄の敷石で舗装され、

建物は岩を削るか組み合わせて造られ、

継ぎ目には銀灰が詰められている。


頑丈な石造りのそれは吹雪にも崩落にも耐え、百年経っても歪まぬ設計。


造ったのはドワーフの職匠――

鉄槌と炉の音を子守唄に育った者たち。



壁に埋め込まれた魔導灯が橙に輝き、

通り全体を柔らかく照らしていた。


広場の中央には湯気を立てる噴水からは温泉水が絶えず流れ落ちている。

その温もりは傷ついたハンターを癒し、洞窟から戻った者たちの談笑の場ともなる。



町の外れには、洞窟へ続く深い裂け目が口を開け、吹き上げる風は金属を擦るような低い唸りを帯び、まるで地底の巨人の咆哮のよう。


宿場町の者たちは言う——

「夜に風が鳴るとき、

 深淵の主が目を覚ます」と。



町の説明を聞いていると料理が運ばれてきた。

鍛冶の音が絶えないここでは、もうひとつの熱があるそうだ。


ほむらの味と呼ばれる二つの名物。


一つは溶岩窯で焼かれた平石のパンで

ピッツァと呼ばれるもの。


鉄の円盤ほどの生地に燻製した獣肉、

山菜と香草、黒塩のチーズを乗せ、

窯の高温で一気に焼き上げる。


表面は香ばしく、石の焦げ目が走り

熱でチーズが泡立つ。


炎精が宿る火炉の中で焼かれるそれは、

町では“火への祈り”とされている。



もう一つは銀鉄杯と呼ばれる杯に入った

火酒かぐつちと呼ばれる酒だ。


鉄炉の余熱で温められた鉱石灰の壺に、

発酵させた麦と蜂蜜を流し込み、

炎精の魔力を宿した薪でじっくり炙る。


一口飲めば、胃の奥でほむらが燃えるように熱が巡る。

熟練のドワーフほど、これを平然と飲み干すのが自慢だ。

初心者はまず一杯で咳き込み、

二杯目で笑い、三杯目で旨みに気づく。


火酒かぐつちを飲めぬドワーフは

 鉄を打つ資格なし」とまで言われ、

この町では命のように扱われている。



「ここじゃコレでいいだろ?」

運ばれてきた料理に対しイツカが問う。


「いい匂い!確かにここじゃコレね」

「私も久しぶりだわ」

そう言って食事を始める2人に対して、私は恐る恐る尋ねる。


「……これ、本当に飲むの?」

「飲め。飲んで、喉が焼ける。

 それが“ここの洗礼”だ。

 嬢ちゃんなら気に入ると思うぜ」


銀色の鉄杯に注がれた透明な液体。


チラッと隣に目をやると

セレナが既に杯を空けていた。


ノエルが一息に飲むと

青白い炎のような息が漏れる。


「…これ!本当に飲めるの?」


視線に促されて火酒かぐつちを一息に飲み干した。


瞬間、喉が焼け、胃の底に火が落ちる。

熱が体の奥を貫き、指先まで痺れた。


「な……に、これ……!」


イツカが笑いながら鉄杯に火酒かぐつちを注ぐ。


注がれた杯には口を付けず、切り分けられたピッツァを口に運ぶ。


外は硬く、噛めば香ばしい音がした。


次の瞬間、内側から溶け出す肉の油と香草の刺激が舌を焼き、溶けたチーズは涙が出るほど熱い。

それでも一口、もう一口と手が止まらなかった。


「そう、どうだ。食えるだろう?」


もう一度笑いながら鉄杯を差し出された。


火酒かぐつちが光を反射し銀の内側で揺らぐ。

――断り過ぎると失礼だよね?


差し出されたそれを一息に飲み干す。


口が、喉が、胃が焼けるほむらの味に、もう呆れて笑うしかなかった。


「火が出るお酒ってなに?

 でもこのパンはホントに美味しい」

「熱いうちに食べなきゃ意味ないよ」

「そうそう。一気に焼き上げるから

 次々出来上がるわよ」

「そんな一気に食べれないって!」


「杯が空いてるじゃねぇか!

 もう1杯いっとけ!」


そう言って鉄杯に火酒かぐつちを注ぐ。

――もう1杯?


仕方なく一息に飲み干した。


「…え?甘い…」


「言った通りだ。

 気に入っただろ?」


「ここ連れて来たら絶対やるよね?」

「普通ならこの後寝込むんだけど…

 ソファは平気そうね」

「なんせ嬢ちゃんは底無しだからな。

 好きなだけ食って飲めよ」


そう言って料理と火酒かぐつちを差し出す。

この日の私の胸に残ったのは、味でも痛みでもない。


3人の笑い声と、鉄と火の香りだった。








― ドワーフ鍛冶師の鉄火場にて ―



おい!聞いたか?

前に砦にいた新人の姉ちゃんの話!


聞いたでよ。

“ダンナ”に騙されて火酒カグツチ飲み干したって


飲んだのか?何杯いっただ?

樽空けたそうだべ。


…樽?嘘吐くでね!何人でだ?

…4人だべ。

ただほとんど2人で空けたそうだ。


“ダンナ”がいたにしても、

蟒蛇うわばみだな、その姉ちゃん。


負ける訳にはいかねのす!


そりゃそうだ。

ドワーフが酒で負けるわげにはいがね!


挑むか?

当たり前だども!総当たりだ!

作者より…ピザが食べたくて…

名称を変えようと調べました。

…どの言語も似た響き(;・∀・)

頭がピザピザ…

本作ではピッツァとします!

ピザ好きさん集まれ!!

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