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「うるさい。黙れっ! 我が国が世界で一番なのだ。我が国が世界を支配するのだ。我が国が……」


そのままゼノア王は喉をかきむしりながらずんずんと前に進むとシェリアの前に現れた。


「オルベリアが一番世界で美しい国なんだ!」


腰に帯刀していた刀をすっと抜く。


「危ない! シェリア」


シェリアをわきにのけて、デュランダルがすっと聖剣を抜いた。


ゼノアに対峙する。



「きゃーーーー!」


会場は大混乱だ。

きらびやかなドレスを着たきれいな令嬢たちは扉のほうへ我先に逃げようと必死で走るために団子のようになってたくさんの人たちが転がる。

近衛兵たちは人々を助けるために大忙しだ。


「ロレッタ! ホワイトサーベルを呼んでくれ!」


「はいっ!」


ダニエルがロレッタを守るようにカチャっと腰の剣に手をあて、周りに気をはりめぐらせている。


すっとデュランダルの横に白銀の美しい体毛のトラのような風貌の魔獣が現れたため人々は息をのみ、さらに混乱を極めた。


『一度に注ぎ込むぞ』


「ああ。いくぞ」


デュランダルの合図でゼノア王に向かって聖剣は振り下ろされていく。


ゼノア王は剣をシェリアの前に構えたが、その視線を彼女へと向けた。


「シェリア。オルベリアを頼む」


え?


ズサっとゼノア王の心臓にデュランダルが振り下ろした聖剣がつきささる。


同時に碧く白い光があたりを照らし、ゼノア王を包み込むとゼノア王はその場にドサリと倒れ落ちた。


「よし。仕留めたぞ。ホワイトサーベル」


『ああ。だが……何かがおかしい』


「肌の色が白くなった。そして生きている。シェリア。君の兄は息をしているぞ」


「ほんとうですか?」



シェリアは兄がすーすーと息をしていることを確認すると、ホッとしている自分に気づいた。

あんなことをされたのにやはり血は争えないのか。


最後に言った言葉が耳に残っている。


『オルベリアを頼む』?


兄は何かに操られていた?


何かが兄を……



「デュランダル様。魔王はまだ生きているわ」


「やはりそうか」


『この男は魔王に操られていただけの存在だ。魔王は別にいる』


「ええ。それは今もオルベリアにいる。そしてもしかしたら今すぐオルベリアに行かなければ大変なことになるかもしれないわ。今各国々は我が国への舞踏会に重鎮たちが訪れているから国の警備が手薄です。そこを魔王が狙うと……」


「では今すぐ行こう」


『本気で言っているのか?』


「当たり前だ。お前たちも魔王を排除したいのだろう?」


『ああ。仕方ない。行くか』


「兄も連れていきましょう」


「俺とホワイトサーベルの移動魔術を使えばこの人数は何の問題もない」


『勝手に次々と…』


移動魔術は結構な魔力を消費する。

だが四の五の言ってられない。とにかく行かなければ。


『ほかの聖獣から力を借りよう。ギルドロンとメトロイド。われらをオルベリアまで運ぶのだ』


ホワイトサーベルが命じるとおそろしい吐き気が襲ってきて、グルングルンと視界が回った。


そして瞬く間にオルベリアの王宮前に到着していた。

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