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「シェリア。舞踏会の日だが、君がシェリア王女だと公表するにあたって、俺がパートナーでないほうがいいだろうか?」


「え?」


ファルコン公爵を出て馬車に乗った時点で、デュランダルが眉をひそめながら言い出した。


「どういう意味ですか?」


「君がダニエルをまだ好きなら……」


言いながらデュランダルの顔は苦悩に満ちている。


ああ……。


シェリアは思った。

わたしはこの人のこの単純なところが好きなんだわ。

ごちゃごちゃと考える自分にはないこの単純さが。


「わたし、わかったんです。さきほどダニエルに会って」


「え?」


デュランダルの顔がさらに苦悩に満ちた。

早く解放してあげなければ。


「ダニエルのことは恋人として愛していなかったって」


「え?」


「なんというか同志のような愛です。彼は優秀な剣士でした。国を守ることに誇りを持っていました。そんな彼とわたしの共通点はオルベリアを愛していることです。そういう同志です」


「それは……」


「わたしが男性として愛しているのはデュランダル陛下だと、改めて……」


言い終わらないうちに、デュランダルのきつーい抱擁が待ち構えていた。


「シェリア。ああシェリア」


「へ、陛下、胸が……」


「ああ。悪かった。だがうれしくて……」


くすっと心の中で笑った。


「陛下ほど愛しい人はおりません。わたしにとって男性は陛下だけなんです」


そのまま馬車の中で濃厚な時間をすごしたのは言うまでもない。


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