5
「行こうか。シェリア」
「はい」
デュランダルが交流を深めようと言うので第二回目のオペラに出かけることになった。
今日は昼間からだ。
ロレッタは快く送り出してくれた。
「陛下ったらわかりやすいのよね。でも陛下。くれぐれも独り占めは許しませんからね。ディアンはわたしの先生でもあるんですからっ!」
ツンと顎を上げて言って許してくれた。自分はウナと遊ぶと言う。
かなり仲良くなっているようだ。
先日とは違うオペラを見た。
でも今度はヒーローが死んでしまった。ヒロインはヒーローが死んでも強く生きていくのだ。
そんな物語だったけれどやはり感情移入してしまい。ポロポロと泣いてしまう。
そんな時突然キュッと手を握られた。
「え? 陛下?」
指を絡めるように。
「ずっとやってみたかった。恋人みたいだろう?」
そきてスッとそのまま手を上げて手の甲にキスを落とされた。
は、恥ずかしい。
絶対に顔が赤くなっているに違いない。
「誰も見ていないんだ。いいだろう?」
指は絡められたままだ。オペラが全然入ってこないではないか。
手の体温が気になって……。
「陛下。あの……オペラを」
「ああ。あの主人公がすごくけなげだ」
なんだかんだと手をつないだままでオペラが幕を閉じるころには集中できていた。
手をつないでいることが普通みたいになっていて、
拍手をするために手を離した時にさみしく感じてしまった。
二人で拍手をする。
ガラス張りで向こうからは見えていないが、拍手をしてしまうほどすばらしいのだ。
「シェリア。いつかこのガラス張りを向こうからも見えるように。こんな仮面なんかつけなくてもいいように。してやるから」
「え?」
「君の馬鹿な兄と妹と対峙しに行こう」
「本気で言っているのですか?」
「君をここまで自己肯定感の低い人間にしてしまったのはまちがいなく彼らだ。俺は許せない」
「陛下……」
本当にわたしを思ってくださるのだ。
陛下は本当にわたしを……
「わたしも向き合います。今まで当たり前のように逃げていました。けれど、向き合わないとダメですよね。ひとりじゃ無理だったかもしれないけれど、陛下がいてくだされば……対峙できそうです。そうすればわたしもわたしとして生きていけます」
「そうだ。シェリアはシェリアとして生きなければならない。今のままではいけない。対峙してそして彼らに謝罪させる」
「はいっ!」




