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デュランダルに好きだと言われた。
そんなの……ありえない。
わたしをどうして好きになる人なんているというの?
信じていた婚約者も結局わたしじゃなく妹を好きだった。そして殺そうとまでされて最悪な形で裏切られた。
そんな価値のないわたしだ。
自分なりにがんばってオルベリア王国を再建させた。実際再建したしそのやり方は間違っているとは思わない。
だけど、再建さえ終わればわたしなどいらなかったのだ。
そんな愛されないわたしだ。
小さいころから母はおらず、父はわたしがいくら努力しても当たり前としか思ってくれなかった。
わたしは人に愛されたことがない。
そんなわたしを、まさか陛下が好きになるなんて、おかしい。
嘘に決まってる。
陛下みたいな優しい人がわたしを好きになるわけないのだ。
何かの間違いだ。
絶対……。
その日の夜は眠れなかった。
だけど朝はやってくる。
翌朝定時どおりに執務室へと出勤した。
「ディアン。昨年度の小麦の輸入量の資料だ。かなり不足している。何かいい方法はないだろうか?」
通常通りのデュランダルとの仕事の会話だ。
「そうですね。ちょっと検討してみます。その資料をいただけますか? 二、三日ください」
「わかった。よろしく頼む」
そしてその日は過ぎていく。
昼からはよく眠ったわと元気満々のロレッタに久々に読み書きの勉強を教える。
「陛下へお手紙を送られたそうですね。陛下はとても喜んでおられました」
「そう?」
嬉しそうに鼻をこすっている。
「では今度は数学の勉強に入りましょうか?」
「え? 数学?」
ぎょっとした表情。
「ええ。数字を扱えなければ王女とは言えません。将来のためにもきちんと覚えなければ」
「数字かぁ…」
「そうですよ」
「でも聖女よ」
ふふんと胸をはる。
「それは陛下から聞きました。聖獣の言葉を操れるすごいことだと思いますよ。けれど聖女のマナーが悪かったらどう思われると思いますか?聖女が数の計算もできなかったら?」
「う……」
「王女殿下。マナーと知識は大切です」
「はい」
その日もまじめに授業は進んだ。
夕方になって授業が終わり、部屋にもどってゆっくり紅茶を飲んでいると、メリッサが入ってきた。
「ディアン様。陛下がお呼びです」
「え?」
思わず身構えてしまう。
「昨日の件について執務室で公爵閣下方々とともに話を詰めたいと……」
あ、仕事の話か……。
ほっとする。
仕事ならば得意分野だ。
「わかった。すぐ行きます」




