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「シェリア。ナダルの国王がお前を見初めた」


「え? どうしてわたしなんかを?」


「さぁ。お前が魅力的だからだろう?」


今まで兄を助けオルベリアをようやく財政難から回復させ軌道に乗せたところだった。


「それで承諾されたのですか?」


「ああ。仕方ないだろう?相手は強国だ。それにお前をよこせばと、半永久的なフォシル燃料の供給を約束してくれた」


「なんですって?」


フォシル燃料といえば各国がノドから手が出るほど欲しがる世界共通の燃料だ。それを半永久的に供給させると?


「くそっ。お前なくしてこの国の運営をどうやってやっていけというんだ」


机をバンと叩いている。


「ですが、お兄様。フォシル燃料があればもう財政難に陥ることはありませんわ。わたし行きます」


「シェリア。お前……」


「あーら。お姉さま。お姉さまなんかを見初める人もいるのね。奇特なお方」


執務室に来ることなどほとんどない妹のアリアがやってきた。


兄と同じ青い髪に青い瞳の美しく華やかな美女だ。

王妃とそっくりで、自分だけがプラチナブロンドにエメラルドの瞳でこの二人とちがうことを小さいころからどれだけ疎ましく思ったことか。


「アリア。いい加減にしろ。今国はシェリアのおかげで建て直せたんだ」


「まぁ何よ。お兄様まで肩を持つの?」


ぷぅーっと口を膨らませた顔までかわいらしい。


「ダニエル様との婚約もなくなっちゃうわね。お姉さま」


うふふと笑っている。


そうなのだ。ダニエルと結婚すると思っていたけれど、オルベリアの国益には変えられない。

ダニエルならわかってくれるわ。


「ダニエルなら国と婚約とどっちが大事かわかってくれるわ」


「まぁ。なによそれ」


アリアがにらむようにシェリアを見る。


「ちょっと国を建て直したからっていい気にならないでよね。そんな大きな胸揺らして気持ち悪いったら」


そういい捨てるとアリアは執務室を出て行った。


そのあとは兄の大きなため息だけが執務室の中に響いていた。


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