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「対応してくれると思っていた。助かった。ギルティ」
「はいっ!」
「して、陛下。いったい何があったのです?」
メルディスがしびれを切らしてついに声をあげた。
ギルティの件は解決したと思ったのだろう。
デュランダルは針葉樹林であったことをかいつまんで簡単に事実のみを話した。
「なんという……」
「殿下が聖王だというのですか?」
「ああ、そのようだ」
今腰に帯刀している聖剣となった魔剣と右上腕の刻印の上を上着の上からではあるがすっと抑えてみるとやはり熱を帯びている。
あまりに現実離れしていた出来事だったので夢かと思いたいところだが、先ほどの一件はまちがいなく起きたことなのだ。
事実だということを伝えるためにデュランダルは上着もシャツも脱いで、右上腕にある刻印を三人に見せた。
「おおっ!」
ラインハルトとメルディスが大声をあげる。
「信じられない。童話が事実だったというのでしょうか?」
声がうわずっているラインハルトにメルディスが返す。
「事実なんだろう? 見ろよこの刻印を」
「いや、だが…ロレッタ殿下が聖女だったというのも信じられていないのに……」
「ロレッタ殿下が魔獣、いや、今は聖獣なのか?と話していたのは事実だよ。俺は見た」
「ギルティも見たのか?」
「ああ。へんな言葉をホワイトサーベルと話していた。俺には理解できないものだった。ホワイトサーベルが何かをロレッタ殿下に話しかけてそれでロレッタ殿下が返事をしたような感じだったな。そのあとディアン様を咥えたままホワイトサーベルは消えたんだ」
ロレッタがホワイトサーベルと話せるなんていまだに信じられない。
だが、本当のことなのだ。
自分が聖王の刻印を刻まれたことも。
「いずれにしても今日起きたことは事実だ。だが、魔王が現れているわけでもないし俺は今までどおり過ごす。そして今日あったことはここだけの話だ。いいな」
「はい。陛下もロレッタ殿下とディアン様も大神殿から戻られて部屋におられることになっています。そのあたりはぬかりなくマリア殿と口裏を合わせてありますので」
「ですが、一つ問題がありますぞ。陛下」
メルディスだ。
「なんだ?」
針葉樹林の上空に聖王の刻印が現れたのを皆が見ております。
「なんだと?」
聖剣に血を注いだときのあの光はそんなに上まで届いていたのか?
頭を抱える。
そうか、そんなことが……。
「それならこうすればいいのでは?」
ギルティだ。
「聖王が現れる予兆だということにするのです。魔獣の聖地の上に聖王の刻印が現れたとなると民は聖王が現れたのだとすでに噂しているでしょう。だが実は現れているわけではなく予兆だと大神官が予言してくれればいい。大神官を抱き込みましょう」
「なるほど」
「さすれば、もし魔王が本当に世界に君臨しつつあるというのであれば、魔王側は動き出すはず」
「ギルティ。さすがだ」
「名誉挽回ですね」
二人に言われて、ギルティは照れている。
やはりこの三人がいなければならない。
そしてシェリアも。
「よし。では俺が大神官のところへ早朝にでも行ってきます」
「ああ頼む」
ギルティに任せることにした。
なんとなくほっとしたのだろう。
急に体が疲れを感じている。
そろそろ眠りたい。
「では今日はここまでにしよう。俺はかなり疲れているようだ」
「わかりました。マリア殿を呼びましょう」
かなり疲れていた。
そのまま部屋に戻ると、さすがにもう我慢できず、デュランダルは死んだように昼頃まで眠り続けた。




