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手を……つなげなかった。


その夜、オペラから帰ったデュランダルは一人部屋で悶々としていた。


自分の計画ではオペラを見ながら手をつなぎ、そっと手の甲にキスをして告白を…するつもりだった。


が、

気づいたらシェリアはオペラに没頭して涙をポロポロ流しており、いつの間にか自分もオペラに熱中していたようで、全然何もできなかった。


くそっ。


自分の男としての経験のなさがここででてしまったか。


シェリアは自分とオペラの主人公を重ねていたな。

やはりまだダニエルのことを…


いや、だが、俺の下で働けることが楽しいと言っていたな。

これは進歩だ。

そうだろう?進歩にちがいない。


いや、でも手をつなげなかった……。


だが、シェリアはずっと笑顔だったし、そのあとの食事もおいしそうに食べてくれていたからよしとしよう。

最初のデートはこんなもんだ。

まだまだ時間はある。


次は何に誘おうか。


小さな王国の国王は忙しい。

そうこう考えているうちに睡魔が襲い、デュランダルは眠りに落ちていった。


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