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「わ————!」
初めて見るキルギア国民の歓声。
今までは平民として町に紛れ込んでいるだけだったから、国王として注目されているデュランダルを見るのははじめてだった。
手を振り歓声にこたえるデュランダル。
シェリアはその横でどうしたらいいかわからなくて、静かにたたずんでいた。
「国王陛下ぁ。ばんざーい」
「国を守って下さりありがとうございます!」
デュランダルの国民の人気がすごい。
改めていい国王なのだと知った。
ラインハルトによると、よく一人でも城下に視察に出ているという。
国民を愛しているとてもいい国王なのだ。
「横の方はどなたですかぁ」
「王妃様ですかぁ」
いやいや、王妃様なんて…
思わず仮面の下で顔を赤くする。
そんなこと…
わたしなんて
デュランダルにはもったいないわ。
オペラの観覧席は本当に最上階のガラス張りの場所で、向こうからはこちらを見通せないように魔術がほどこされているのだとデュランダルはいった。
二人して仮面をはずしながら、ふかふかの椅子に腰かける。
向こうからは見えないなら、帽子もとっていいだろう。
「実は俺ははじめてなんだ。オペラは」
「え? まぁ同じです。わたしも見ている暇などなかったですから」
「俺もだ」
そしてくすくすと二人で笑いあった。
「ずっと走り続けてきたのは俺も君も同じだな」
「そうですね。わたしは結局失敗しましたが、陛下は失敗されないようにわたしも支えますから」
「さ、支える?」
「はい。部下として。最大限をつくします」
「あ、ああ」
「どうされました?顔が赤いです。熱があるのでは?最近頑張りすぎなんですよ」
「いや、大丈夫だ」
話しているうちにオペラがはじまり、初めて見たオペラはものすごく感動し、シェリアは思い切り泣いた。
なんという悲愛。
結局女性は死んでしまうのね。
ぽろぽろ泣いていると、デュランダルが胸のハンカチを出して渡してくれた。
「シェリアは感受性が強いな」
「だって…恋人に裏切られて死ぬなんてあまりにかわいそうで」
ふと思った。
自分に投影しているのかもしれないと。
ダニエルに捨てられて死んだも同じ自分に。
けれど、この女性は死んだけど自分は生きている。
ここで生きているんだわ。
肩をポンポンしてくれているデュランダルを見上げた。
「どうした?」
キョトンと自分を見ている。
表情がなかったデュランダルが最近とてもくるくる表情を変化させるのが楽しい。
次はむっとするのかな?とか次は笑うのかなとか考えながらいつも見ている。
この人の下で働くのが楽しいのだわ。
ふふふ。
シェリアは笑った。
「今度は笑うのか?」
困った顔。
ああ、こんな顔もするのだ。
とても楽しい。
「ええ。楽しいんです。陛下と仕事をできるのが。わたしはこの女性と違うんだって思ったんです。この女性は死んだけど、自分は生きてるんだって。陛下と仕事できますから」
「シェリア」
デュランダルは満面の笑みを浮かべた。




