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「お前がなぜここにいるぅ~~」


自分なりに思い切り気持ち悪い声を出すと、ユーリーンの下であえいでいた女が「きゃ———!」と声をあげた。

が魔力防御壁をデュランダルが張っているので外には聞こえない。


天井のちょうどお札のほうを指さしている。


「ゆ、ゆ……」


開いた口がふさがらないようだ。


「どうした?」


ユーリーンが顔をあげて天井を見て固まった。


「ぎ、ぎゃーっ! お、お前は!」


「わたしをぅ…国王を殺したお前がどうしてここにいるぅ」


婚礼のときの衣装のまま天井でゆらゆらとシェリアは揺れていた。


「許さぬ。王と王妃を殺して自分が優雅な生活を送れるとぉ思っているのかぁ~」


間延びした声をわざと出すのは非常に滑稽だが、呪われていると思っている本人には何もわからないらしい。


「お、お助けを~。俺はお前を殺すつもりはなかった。だが、お前の兄が……」


「なんだとぅ。兄がわたしを殺せと命じたのかぁ」


うんうんとひたすら首を縦に振る。


「ど、同盟のためだ。俺は知らない。お前の兄のせいだ。どうか呪わないでくれ」


床に土下座して小さくなり震えている。


女のほうは泡を吹き気絶してしまっていた。


「そのくせに今になって大臣を送れないとか抜かしてきて困っているんだ。こっちこそっ」


キッと上を見上げてきたのでシェリアはまた大声をあげた。


「だまれぃ! 呪うぞ~」


「ぎゃー。お助けをお助けを~」


またひたすら土下座する。

あまり上を見られると演出がばれてしまう。


「オルベリアとの同盟を解消しろぉ~。このままではわたしは救われない~。婚約者にも捨てられたんだぁ。オルベリアと同盟を結んだらまだまだ呪うからなぁ~」


「わ、わわわかりました。もう同盟はやめますからどうかどうか呪わないでください」


「陛下にもぉ~来てもらおうかぁ~」


そしてこれは難しい魔術だとデュランダルは言ったが、一瞬なら可能だと言ったのでシェリアの後ろに前ナダル王のぼーっとした姿を投影してもらった。


「ぎゃー! 兄上、兄上どうかお助けを~。呪わないで、呪わないでくださいぃ~」


その言葉を最後にユーリーンは気絶してしまった。


泡を吹いて倒れている二人を見て、シェリアとデュランダルはため息をついた。

だが、これで同盟は結ばないだろう。

もし結ぼうとしたらまた悪霊としてやってくるまで。

あとはニジェールががんばって殺してくれることを祈るばかりだ。


「戻ろう」


「はい」

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