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真冬になった。


雪の量がすごくてシェリアは毎日驚いている。


オルベリアでは雪が積もることは稀で、年に一度くらいうっすらと平地にも白い絨毯がかかるくらいのものだ。

だがここは毎日人の背を超えるほどの雪が積もり、王城は魔力装置があって常に雪かきが自動で行われていたが、市井では魔道具で人々は雪かきを行う。

先日またデュランダルと市井に出たがそのとき、こんなに雪深い地域でも文明を維持できるのは本当に魔力のおかげだとひしひしと感じた。


今日も王城の中は魔力装置のおかげで暖かく過ごしながらの朝の執務中のことだ。


ギルティの部下が調査から戻ってきた。


「ダンテ子爵についてとんでもないことがわかりました」


農夫としてダンテ子爵領に紛れ込んでいたその調査官は人払いを頼んだうえで説明をはじめた。


部屋にはデュランダル以下、いつもの主要メンバー、ラインハルト、メルディス、ギルディ、そしてシェリアしかいない。


「なんだ。申せ」


シェリアは自分がこの主要メンバーに含まれていること、そしてそれに意義を唱えなくなったラインハルトとメルディスに驚きを隠せなかった。

自分も認められたと思っていいのかもしれない。

キルギア王国の国民として。


「はい。まずキルギアワインについてはやはり不正がありました」


やはり。

あの帳簿は格段におかしかった。


「生産量を半分以下で報告し、残りのワインはすべてナダルへ流していたようです」


「なんだと?ナダル?」


メルディスが声を張る。この部屋は防御壁を張ってあるため外に声は漏れない。


「はい。ナダル王のユーリーンがまだ大臣だったころからつながっていたようで、高額でワインを買い取る代わりに、キルギアの情報を流させているようです。今も情報は着々と漏れています」


「はっ」


ギルティが頭の後ろで手を組み、椅子に深く沈み込んだ。


「馬鹿な。たかがダンテ子爵が知る情報など知れている。主要な情報など流れないではないか」


「そうなのですが……」


「なぜか、ナダルにはロレッタ王女殿下存命の情報がすでに渡っております」


「何?」


今度はデュランダルが声をあげた。

眉をゆがめる。

めずらしく感情をあらわにしているようだ。


ロレッタ殿下が生きていることは国外には内緒になっていたということ?

だから王城の外に出さなかったのだろうか。


「やはりナダルの狙いはこの国そのものだ。やつらはこの国の魔獣の怖さをわかっていない」


デュランダルが吐き捨てるように言った。


ナダルはキルギアを狙っている。先王が前ナダル王に殺されたことでそれは明確だ。

そしてユーリーン王もキルギアを狙っている……。

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