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「ディアン。給金だ」
「え?」
王城では、月末に職員に給金が手渡される。
帝国で流通している通貨『ルギー』をキルギアでも通貨としており、帝国通貨で支払われている。
ラインハルトが部下に命じて布袋に貨幣を詰めていたのは知っているが、シェリアは自分がまさかもらえるとは思ってもおらず、執務をしていた自分の前にデュランダルが大きな布袋を置いた時は驚いて声を失った。
「あの……わたしがもらうわけには……」
「なぜだ?」
「ただの居候です」
「俺の秘書プラス王女の教育係として俺が決めた給金だ。受け取ってもらえないと俺が困る」
「ですが……」
「ディアンさん。労働には妥当な対価が必要です。お受け取りください」
給金を計算しているのもラインハルトだ。
「王城の家賃と食事代もきちんと引いてあるから安心して受け取るがいい」
「陛下、ありがとうございます」
給金を受け取ったからってどうするというわけではないけれど……。
それでも自分の仕事を認めてもらえたみたいでうれしかった。
オルベリアでは王族だったこともあり労働に対して対価をもらったことなどなかったからだろうか。
「当然のことだ。ところでディアン」
「はい」
「今日の午後から空けておいてほしい」
「はい。では王女殿下は?」
「ロレッタには今日は休みだと伝えてある。王女もたまには休息が必要だろう」
「はい。では空けておきます」
何だろう?
新たな仕事の話とか?かな
給金がもらえたことがうれしかったが、これからのために貯金しておこうと心に決めたシェリアである。




