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デュランダルよりは少し年上で三人とも歳が近くいわゆる幼馴染でいつもデュランダルの周りにいた者たちだ。
今では三人はデュランダルの最も信頼できる側近となった。
「ナダルに潜入していたんだろう?」
「はい。ユーリーン王はきな臭いやつですよ。どうもオルベリアと同盟を組みそうな感じですね」
「おっ。そっちからもそんな情報が来てるのか?」
「はい」
「ナダルもオルベリアもきな臭いな」
「ああ」
三人の会話を聞きつつ、書類を整理していると、扉が開き、シェリアが入ってきた。
「陛下。おはようございます。オズボーン閣下、ガードナー閣下おはようございます」
そこまで言ってから、不思議そうにメルディスを見た。
「ああ、ディアン。紹介しよう。メルディス・ファルコンだ。俺の三人目の側近だ。カルザスから帰ってきた」
「ディアン様ですね。陛下から聞いております。メルディス・ファルコンです。お目にかかれて光栄です」
丁寧に挨拶しているが、警戒心をあらわにしている。
やはりラインハルトもメルディスもオルベリアの王女だったというのが気になるのだろう。
ギルティのほうは一緒にナダルに行っていたので最初からシェリアを見ており、警戒心はなさそうだが……
「こちらこそよろしくお願いいたします。新人ですので知らないことがたくさんありますからまた教えてください」
「いやぁ。俺は戦闘専門なんでね。ラインハルトに聞いたほうがいいですよ。ディアン様」
「そうですか。戦闘ができることがそもそもうらやましいです。わたしは頭しか使えませんので」
簡単な挨拶を済ませると「それでは」とシェリアは執務机にすっと座った。
そして一心不乱に書類を整理していく。
その様をじっと観察していたメルディスはしばらくしてからデュランダルに向き直った。
「陛下。ではカルザスの処理の続きがあるので現場に向かいます」
「ああ、頼む」
しばらくそのまま仕事に没頭していたが、突如としてシェリアが口を開いた。
「陛下。城下に出ることはできませんでしょうか?」
「え?どうした?」
突然だなと目を向ける。
「この報告書が気になるのです。二年前の書類と今年の書類を見比べると明らかにブドウ園の収穫量がおかしいのです。半分以下になっています。ここ数年我が国には天候の大幅な変化などはないはずです。魔獣被害も調べましたが、逆に減っているくらいです。だからこの半減はおかしい。何かあるのではないかと……」
「そうか」
さすがだ。
キルギアの農作物と呼べる唯一のものがブドウで、それを使った赤ワインはキルギアワインとして大陸中に出回っている。さらっとした飲み心地で濃厚なナダルのワインとはまた違った良さがあり、世界中で人気だ。そのブドウの収穫量が減っていると。
戦闘ばかりで気づかなかった。
この国を担う者たちは自分を含め魔獣との共存と戦闘のことだけを考え、魔晶石を狙う隣国と戦闘しかしてこなかった。
戦闘にはたけていても政治的な交渉手段となるとまったく素人同然といえる。
シェリアのような政治的手腕のある人間が必要だ。
やはり自分は間違っていなかったと今になってひしひしと感じた。
と、その会話を横耳に聞いていたラインハルトは突如立ち上がると、執務室の奥にある書庫にすたすたと入っていき、分厚い資料を持ってきた。
「確かに。この資料では我が国のブドウ農園は50年来、ダンテ子爵家が領地経営をしていますが、財務報告がおかしいですね」
「ダンテ子爵家か……」
直接は知らないが、調べてみないといけないな。
「調べてみます」
「オズボーン閣下。お願いします」
「はい」
ラインハルトの目が少しずつ変わってきた気がする。
シェリアを認め始めたのかもしれない。




