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「デュランダル陛下。ただいま戻りました」


その日の朝早くにキルギアの最強の近衛兵を率いる『メルディス・ファルコン』がカルザスの後処理を終えて戻ってきた。

先日勝利したカルザス王国はキルギアに取り込むことになった。貴族たちはキルギア側についたものはそのまま貴族として残すことにし、王族と王族についたものは家門断絶の上全員追放とした。

カルザスはブドウ農園が多く、キルギアワインをまた大量生産できそうだ。


「カルザス地方はひとまず落ち着きました。あとはわたしの部下のヤーコンが指揮をとってくれています」


「わかった。これからもよろしく頼む」


「はっ」


「ところで陛下。不穏な噂を耳にしました」


「なんだ?」


「オルベリア王国がどうやらナダル王国と同盟を結ぶようです」


「そうか」


「カルザス地方の南部にあるマルコー国からの情報です」


マルコー国は帝国の属国だが、帝国のやり方に我慢できないようで、もうすぐキルギアへ取り込むことになりそうだ。そのマルコー国の南に位置するのがオルベリア王国だ。この国はリストリア帝国とは一線をひいており、昔は繁栄していた。

だが、ここ最近は王や王妃の浪費が激しく民への税金の搾取がひどく、諸外国との条約も平気で破るなどひどい有様で国自体の運営が危ぶまれるほどになっていた。

数年前に王と王妃が亡くなってからそのあとを継いだ今の王が国を立て直したと言われている。

だが、デュランダルの予想ではその国の再建に一役買ったのはどうみてもシェリアだ。

兄の現王も阿呆ではないようだが、ナダルと組むというあたりかなり狡猾なのか、もしくはだまされやすいかどちらかだ。


「ナダルの王は死んでしまったようですが、弟のユーリーン王もかなりの策士のようですね」


「ああ。実質クーデターのようなものだ。弟のほうも兄の件にかんでいるには違いないから必ずやつを倒すつもりでいる」


「はい」


「だが、今はまだ時期ではない」


「そうですな」


「オルベリアとナダルの同盟の内容を調べてくれ」


「はい。わかりました」


と、そこへラインハルトが出勤してきた。


「おはようございます。あ、メルディス様ではないですか。お帰りなさい。カルザスの処理お疲れ様です」


笑顔で話しかけると、メルディスも答えた。


「お前、子どもが生まれたって?」


「あ、まぁ。そうです」


照れくさそうに頭をかいている。


「かわいいだろ」


メルディスがからかっているとそこにギルティもやってきた。


「皆様おそろいで」


「ギルティ。お前も久しぶりだな」


「ええ。人使いの荒い陛下に一か月まるまる休みなしで働かされましたからね。久しぶりの休みでした」


「満喫したか?」


「はい。彼女とデートへ」


この三人が寄るといつもワイワイガヤガヤこんな状態になる。

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