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「どうした?」
顔を赤くしていたらデュランダルがのぞき込んできた。
「いえ、何でもありません。それよりそろそろ着くころでしょうか?」
なんとなく、がやがやと周りが騒がしい。王都へ近づいているのではないか?
「そうだな。ここまでくれば安全だ。もう誰も近づいてこない。何しろ魔獣が怖いからな」
見てみると無表情に戻っていた。
うーん。貴重な笑いだったのかしら?
そのままあっという間に王城に着いたようだ。
ゆっくりと馬車は停まり、デュランダルのエスコートで馬車から降りると、そこはそびえたつような高さの城で、城のまわりにはとてつもなく高い城壁が取り囲んでいた。
さすが魔獣がはびこる地域だ。
ぬかりなく城は守られているのね。
そして驚いたのが白の正面玄関の前に並ぶ使用人たちだ。
ずらりと並んだ使用人はよほど教育をきちんと施されているのか、一斉にそろえて頭を下げた。
オルベリア王国には絶対真似できないだろう。
「国王陛下。お帰りなさいませ」
中の年配の侍女が掛け声をかけると他の者も声をそろえる。
「「「お帰りなさいませ」」」
「うむ。こちらは変わりないか?」
「はい。魔獣はひとまずなりをひそめておりますゆえ、民の暮らしは守られております」
「そうか。城は?」
「はい。ただいま、ロレッタ殿下をメイサがなだめておりますが…」
「そうか」
歩きながら年配の侍女から報告を受けているので、シェリアはその後ろから早足でついていく。ワンピースでよかった。
ドレスだったらこの早足には到底ついていけないわ。
「マリア」
突然立ち止まったのでぶつかりそうになる。
「この令嬢だが、今日からこの城に住まわせる。だが、訳あって本名は明かせない。みなには親戚筋の女性と説明しておいてくれ」
「かしこまりました」
「名は……」
「ディアンと申します」
ミドルネームならほとんど知られていない。
「では、ディアン様とお呼びするよう皆に申し送りいたします」
「ロレッタの横の部屋に。あと、メリッサを侍女につけてくれ。ドレスなどいるものはすべてマリアにまかせるから仕立て屋を呼んで至急用意するように」
「はい。かしこまりました」
なんだか次々と決まっていくようだ。
「では早速お部屋にご案内いたします。まずはご入浴の準備をいたします」




