緊急サイレンが鳴った。
ピコンピコン!
頭の中にサイレンのような音が鳴った。
「何だ?」
寝ぼけ眼をこすりながら布団から起きる。目の前には大仏補助精霊がいた。
「なあ今、頭の仲にサイレン音が鳴ったんだけど」
「僕も、茨城県から情報を今もらったばっかりだ。大変なことになったな」
「うん? 大変なこと?」
大仏補助精霊は無言で頷いた後、言葉を紡いだ。
「実は悪魔が復活したということだ」
「悪魔? 悪魔ってあの悪魔?」
「そうなんだ」
「でも一体何で」
「それは分からない。でもヒーローいる所に悪がいて、悪がいる所にまたヒーローも生まれるんだ」
「じゃあ、俺が茨城県のヒーローになったから悪魔が生まれたっていうのか?」
「それは違うと思う。悪魔が生まれたからヒーローが生まれるのはあってもその逆はないだろうね」
「つまり、俺がヒーローになったのは悪魔が生まれそうだったからっていうことなのかな」
「そうかもしれない。でも悪魔が生まれたからには、これからはのんびりしている暇はない。なんたって、彼らは、いや人間じゃないから奴らとでも言った方が適切だろう。奴らはまだヒーローが力をつける前に攻撃をどんどんと仕掛けてくるだろうからね」
「仕掛けてくるって、茨城県にかい?」
「いや、全国の都道府県にだよ」
「全国の? でもそんなにヒーローっているもんなのか?」
「それがいるんだよ。いや、かつてはいたんだよ。全ての都道府県に一人ずつ。でも悪魔が消え去りヒーロも自然といなくなっていった。というよりはヒーローが必要とされなくなったんだ。だから自然消滅と言った方が近いかもしれない。だけど、今、悪魔に来られたらまずい。なんたって全ての県にヒーローがいるとは限らないからね。現時点で。いやいたとしても皆まだ誕生したばかりのひよっこヒーローだろう。だから、このままでは日本は壊滅してしまう可能性だったある」
「どうすればいいんだよ」
俺は大仏補助精霊に言った。
「もっと茨城県の蔓延る悪を加速度的にやっつけていくしかない。つまりロープレで言うレベル上げだね」
「分かるけど、何だかヒーローって感じじゃないなあ。使命感でやるんじゃなくて、流れ作業的にやる感じがさー」
「いやいや、そんなこと言っている暇はないよ。どっちが大事なの? 君は。ヒーローとしての充実感と茨城県を守ることは」
「そりゃあもちろん……」
考えるまでもなかった。
「茨城県を守ることだ!!」
そう結論付けた俺は淡々と無感情に茨城県に蔓延る悪を退治してヒーローレベルをドンドン上げる決意を固めた。




