レベルをどんどん上げた。
でも、腹が減っては戦は出来ぬ。というわけで鰻を食べて精をつけることにした。
俺が向かった先は牛久沼付近の鰻屋だ。牛久沼はうな丼発祥の地と言われているから何だかそのこともあり、更に鰻を食べたら力が湧いてくる気がした。と、思ったらレベルが6に上がった。
大仏補助精霊曰く、パワーフードを食べたことにより、レベルが上がったとのことだ。案外茨城県のヒーローのレベルって簡単に上がる物なんだな。それとも俺が上がりやすい体質なのか?
鰻を食って、考え事をしていたらふと、あの有名な木村屋のあんぱんの木村安兵衛も牛久出身だったと聞いたことがあるなあとか思い出した。
次にレベル上げの為に向かった先はまたしても石岡だった。
この前、石岡フラワーパークで人を助けたばかりだけど、次に向かった先はダチョウ王国だ。
日本一のダチョウの飼育数を誇る場所で、そこではダチョウの肉や、ダチョウの卵を買ってその場で食べることも出来る。お店には芸能人の色紙も飾られていて、何だか不思議な楽しい気分になった。ダチョウやエミューを見て、色々と動物的な直観力を学び、その場を後にした。レベルはいつの間にか7に上がっていた。
そして、次に向かった先は霞ケ浦だ。国内で二位の湖面積を持つ巨大な霞ヶ浦。そこを運航している遊覧船に乗り、船の上から湖が風で揺れるその水面の動きを観察しながら、それを自身の精神の揺らぎと重ね、波長を合わし、自然と一体化することによって茨城県のパワーをより借りることが出来るようになった。レベルは8に上がっていた。
次に向かった先は袋田の滝だ。日本三名瀑の一つに数えられ、季節によって様々な滝の表情を見せ、とても美しい場所だ。
そこで滝を下から、そして上から眺め自然の雄大さを学び、攻撃を受け流す方法をマスターした。
だが、レベルはまだ8だ。次第に俺の心の中に焦りが浮かんで来た。
早くレベルをもっと上げなければ。早くしなければ悪魔が日本を滅ぼしてしまう。
俺は更に集中してレベル上げを行うことにした。
真っ先に向かった先は、筑波山だ。筑波山は877メートルある山だ。バナナって覚えて下さい! いえーい! と頭の中にある芸人が浮かんだが、すぐに頭を横に振った。
ふざけている場合じゃない! そう思ったからだ。筑波山はあの亀田三兄弟も修行に訪れたことでも有名で、俺も修行をするべく筑波山を昇ったら、レベルが9に上がった。
山の次は海ということで、茨城県は山と海があるので、木と水のパワーをもらうべく、次は大洗へと向かった。大洗はあの聖地巡礼で有名になったガルパン。そうガールズ&パンツで有名な場所だ。
「違うよ! ガールズ&パンツゥアーだよ!」
すかさず、大仏補助精霊が俺の考えに突っ込みを入れた。というか冗談で考えたことに突っ込みを入れるなよ。というか頭の中の考えを盗聴するなよな。俺のプライバシーがなくなるだろうが。
ということで大洗に行って、海を眺め、波の音に耳を傾け、海のパワーをもらった俺は、大洗の海から近い場所に建てられている、大洗水族館にそのまま向かった。
大洗水族館は色々なサメの飼育としては日本一だ。だからサメからも何か攻撃技術を学ぶことがあると思い、行くことにしたのだ。サメを眺めたことより、感覚的な野生感を更に高めることが出来、レベルが10に上がった。
陸、海、ときたら次はそう宇宙だ。
筑波には筑波宇宙センターのJAXAがある。だからそこへ向かった。
JAXAは見学も可能なので、そこで俺は見学をすることによって宇宙についての知識を深めた。レベルは11に上がり、俺は茨城県内でのみ隕石を召喚することが出来るようになった。
ついでに国立科学博物館つくばにも寄った。年に一回しか公開されていない、博物館も俺がヒーローだと言うことを言ったら快く、博物館を見せてくれた。
次に分館の筑波実験植物園に行って、粘菌について学び原始的な感覚を研ぎ澄ました後、自衛隊百里基地に行き、科学技術と特訓され鍛え上げられた隊員を見て、自分ももっとストイックになろうと決心した。
「ずいぶんと成長したようだな」
茨城県の精霊が俺に話しかけてきた。
「ええおかげさまで」
「しかし猶予はないぞ。魔の手がすぐそこまで迫っておる」
「はい。頑張ります」
本当に猶予がなくなってきたようだ。俺は不安や迷いを振り切るように国営日立海浜公園に行き、美しい紫色のネモフィラを見て、少しばかりの現実逃避をした。




