犬のマカロンの救出
気づけば、目の前に先ほど脳内で見たワンちゃんがいた。そうマカロンだ。
「マカロン。救出に来たぞ!」
言って、俺は絶賛落下中のマカロンを空中でしっかりとキャッチした。
「さあ、これでもう安心だ。後はご婦人にマカロンを届けるだけ……ってここは空中だった!」
俺は投げ落とされたマカロンを救出すべく、俺自身も竜神大吊橋の下の空中にワープしたのだった。しかもワープ直前の大仏補助精霊の言葉からすると一日に一回しかテレポーテーションは出来ないとのこと。それが意味することはつまり……。
「俺って、もしかして大ピンチじゃねー!!??」
その時、大仏補助精霊の言葉が脳内に響いた。
『レベル三になった今なら他の特技も使えるようになったはず。例えば水戸の納豆も具現化出来るようになったはず』
「納豆をこの状況でどう使えと!」
俺は急下降しながら大仏補助精霊に向かって怒鳴った。
『僕には思いつかないけれど、そこはヒーローの君が何とか考えてくれ。なんたって君は茨城県のヒーローなんだから』
「そんな無責任な……」
『ヒーローの君なら具現化できる納豆もただの納豆じゃないはず。何とかこのピンチを切り抜けてくれ。君の助けを今か今かと待っている茨城県民の為にも』
くそうっ。どうすれば。俺が召喚出来る納豆がただの納豆ではないということらしいが、それでも納豆をこの場面でどう利用すれば。
!!☆☆!!!!!☆☆!!
「閃いた!!」
俺脳内にある映画の一場面が浮かんだのだ。それはアメリカのハリウッド映画のスパイダー〇ンだった。
蜘蛛の糸を利用して相手と戦うヒーローの姿が目に浮かんだのだ。もしかしてそれを納豆のあのネバネバの白い糸で再現出来ないだろうか。大仏補助精霊曰く、俺が具現化できる納豆はただの納豆ではなくヒーロー仕様らしい。ということは……。俺は可能性に賭けてみた。
一か八か! 鬼が出るか蛇が出るか!
「水戸の納豆召喚!!」
俺は脳内で力強い納豆のネバネバをイメージし、それを指先にその脳内のイメージを伝えた。
すると指先に納豆豆が一粒出現し、そこから白いネバネバ糸がまるで蜘蛛の糸が放射状に広がるように出現した。
いける!!
確信した俺はその糸をまずは水の上にこれまた放射状に張り巡らせ、トランポリンとかサーカスで綱渡りや、空中ブランコから落ちた時用のクッションみたいなイメージでもし落ちた時の為にそれを地面から5、6メートル付近に辺りの木々などと結んで、何層にもして敷いた。そして間髪入れず、俺はネバネバ白い糸を今度は竜神大吊橋の鉄筋下部分に直線で伸ばすと、鉄筋の下部分に糸を結んだ。後はどのぐらいの強度があるかだ。
幸いなことに、納豆ネバネバ糸は、ヒーロー仕様が功を奏したようで、切れることはなく、俺とマカロンは空中で振り子のように大きく揺られた後、揺れは収まった。
それと同時に竜神大吊橋の上からは大きな歓声と拍手が響き渡ってきた。
どうやら強盗犯は確保されたらしく、観客が橋付近に集まって来ていたのだ。
「凄いじゃないか!」
「格好良い!」
「あなたは茨城県のヒーローね」
「また次も期待しているぞ!」
そんな声が上から聞こえて来て俺はとても嬉しかった。
そして俺のレベルが三から四を一つ飛ばして一気に五まで上がった。




