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ヒーロー活動を始める。

「俺の声が聞こえますか?」

 俺は今しがた少年達に襲われかけている男の人にテレパシーで呼びかけた。

『だ、誰ですか?』 

 俺の呼びかけに男の人が答えた。どうやら俺の思念が男の人に届いたようだ。

「俺は茨城県の精霊に選ばれた茨城県のヒーローだ。とは言ってもまだなり立てだけど。でもそうは言ってはいられない。あなたは今、少年達に襲われかかっているのですよね」

『え、ええ。たぶんおやじ狩りという奴です。彼らは俺の持っている笠間焼を強奪しようと企んでいるようです。私はここからどうにか逃げる術を探っているのですが、相手が三人いるのでそれは難しそうです』

「そうですか。では今すぐそこに行くので待っていてください。五分ほどかかりそうですが、何とか時間稼ぎをして下さい。笠間焼を上げても構いません。無傷でいられるのならば」

『それがこの笠間焼は形見の品なのでどうしても上げることは出来ません』

「くっ、分かりました。何とかそこで踏ん張っていてください。俺はもう今、向かっている最中です」

『分かりました』

 俺は現場へと急いだ。

 支給されているアイテムの一つ、茨城で作られた自転車でそこへ向かったのだが、このままでは約束の五分に辿り着くのは難しそうだった。

「ねえ、僕が助けてあげよっか」

「うぉうっ。びっくりしたー!!」

 俺の頭の右上に小さな生き物が飛んでいた。

「僕は茨城県の精霊から派遣された、補助精霊のミルクンっていうんだ」

 そのミルクンっていう生き物? は小さな大仏の形をして、宙に浮かんでいた。

「助けるって君に何か出来るのかい?」

「僕がアイテムを授けよう。でもエネルギーは君のヒーローパワーから頂くけどね」

「いいよ。それはどうぞご自由に」

「言ったねー。分かったー。そらっ!」

 補助精霊が言ったと同時に体の中のエネルギーがガクリと減るのが分かった。なぜならば力が急に入らなくなったからだ。でもそれと引き換えにアイテムが貰えるならばそれは大した問題ではないだろう。

「ほらっ、アイテムの紅あずまだよ」

 紅あずまは茨城の甘い芋だったと思う。でもそれじゃあ今のこの状況で何の役に立つのだろうか。

「この紅あずまはね。精霊を通した紅あずまだからすごいパワーを秘めているんだよ。食べて御覧?」

 言われたので一口ぱくりと食べると力がみなぎってきた。そしてそれと同時に急激な生理現象が襲い掛かってきた。そうおならである。

「やばい、おならが出る」

「ふふっ、むしろ出してよ。それ。そのおならに秘密があるんだから」

 補助精霊がわけの分からないことを言った。俺はおならをしたくなかったけど、やはり出てくるものを止めるのは不可能で、おならをしてしまった。それと同時におならの気体が黄金の煙と化して、自転車を包み込んだ。

「そのおならのガスはね。茨城県の自転車をパワーアップさせるガスなんだよ」

 ガスの煙が消えると、そこにはさっきとは全く違った自転車があった。

「これはジェット自転車だ。これに乗ったら笠間までは二分で着くよ」

 補助精霊が親指を上に向けてニカっと笑った。

 俺はその自転車に乗った。

 自転車は宙に舞い上がり、空をまるで流星のようにかけて行った。そして気づいたら俺は笠間にいた。

 そこから更に自転車を漕ぎ、襲われている男の人の所まで行った。

 男の人はしゃがみ込んで必死に笠間焼を身を挺して守っていた。

 俺はヒーローになった最初の時から覚えていた必殺技、土浦レンコンの穴ビームを使って、少年達を撃退した。そしてヒーローレベルが一から二になった。

 男の人は俺を見て、深くお辞儀をして、大事そうに笠間焼を抱えたまま帰って行った。

 茨城県のヒーローとしての活動がスタートした。

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