111話 MSOでソロラグナロク(後編)
さて、現れたボスは5種類あるうちの二番目に厄介なジャマンデッドである。奴は毒の息を吐き、当たれば毒状態でじわじわと体力を削る。さらに、転倒効果のある範囲攻撃や一定時間上なら下、左なら右といったように動きを反転させる混乱効果の叫ぶ攻撃。要するに、妨害系でこちらを不利にしてくるボスである。
始めにたどり着いたのは俺。周りの雑魚を途中で拾ったM14で蹴散らしつつゲージをため、
「よっしゃ!」
とジャイアントに変身。殴って殴って殴りまくった。と、途端に足元へ赤い円が。
「範囲攻撃が...!」
俺は即刻退散するがもう少しのところで攻撃を受ける。巨人は転倒し、5秒の間成す術もなくただダメージを食らうのみであった。
再び立ち上がる頃には体力が1/4ほど失われていた。たが、流石のタフさである。
「おんらっ!おんらっ!」
叫びながら、俺は蹴りや殴りを繰り返し、毒を食らい、叫びは見切って横にかわす。
すると、そこへ有馬がアサルトショットガンで突っ込んできて接近戦へ持ち込んだ。
「とりあえずこいつを倒すまでは休戦しよう。」
「オーケー。浩平も頼んだ!」
「おうよ!」
その有馬は俺に言い、俺は浩平に言う。このボスを3人で倒すことになるのである。
俺は巨人で殴りながら蹴り、有馬はアサルトショットを撃ちながらグレネードを投擲し、浩平はドラグノフで撃ちながら近付く。おかげでボスの体力はどんどんと削れていった。
そして、今度は叫ぶ攻撃がくる。俺はかわすことができたが、有馬はかわしけれずに反転。
「クッソムズい!」
有馬はそう言って反転する操作に惑わされて攻撃も当たらず、最後は雑魚にやられてしまうのであった。その間に、浩平もこちらまで来て、最後は俺の蹴りでジャマンデッドを消した。
瞬間、浩平は敵と化す。すぐに人間へ戻ってドロップ品の回収に向かったが手に入れたのはミサイルランチャーのみ。強力ではあるが、リロードは遅い。対するあちらは同じドロップ品の防御力最大のメット、チョッキ、ズボン。さらに、カービンとグレネードをいくつか。
「こうなったらやるしかねぇ!」
俺はそう言い、ミサイルランチャーを構えて発射。爆破による面制圧で結構ダメージを与えたがそこで浩平のゲージが貯まった。
「来たぁぁぁっっっ!」
彼は叫んで、キングレックスへ。人間に戻った後はしばらくモンスターになれないので、俺はただ奴が鈍いのを良いことに逃げるのみであった。
その末、再びクールタイムは切れる。
「勝負だぁっ!」
俺は一旦ランチャーを捨ててから言って、 巨人となった。
が、先手を売ったのはキングレックス。腹へ噛み付いてくる。
「いってぇなぁっ!」
俺は構わずチャージ攻撃を発動。作戦通り、相手は怯んだ。これは確率であり、それを当てたのだ。その隙にレックスを蹴り飛ばし、ぶん殴り。見ると、レックスの体力は既に半分、だがこちらは残り1/3である。
俺は殴り蹴り、浩平は噛みつき頭突きする。そんな両者一歩も引かない激戦の末、先に人に戻ったのはこちらであった。しかし、あちらもほぼ体力はない。俺はレックスから逃げつつ、ランチャーを回収して引き撃ちに入った。
「絶対、勝つ!」
「そうはさせるかっ!!!」
そこへレックスは範囲系の踏み着け攻撃を連発してくる。俺は何度も食らいながら、引き撃ちを続けた。ミサイルを何発か食らうとあちらも人間に戻る。が、体力はあちらが圧倒的に上。近くの家へと走っていき、それを追ったのが仇となった。
「勝ちだ、おらぁっ!」
と浩平は家の窓を割ってそこから2倍スコープ付きで狙ってき、俺が家へたどり着く前に殺されてしまった。と言っても、勝敗は紙一重。彼の体力を見たところあとランチャーが数発当たっていればあちらも死に絶えるぐらいであった。
その後も何度かラグナロクを5人で行う。それぞれ使用キャラは同じであった。
ある時はニャンファイターの意外な強さにやられ、ある時はキングレックスにボコボコにされ、ある時はソフィモンキーの不規則な動きに惑わされ。ボスは先のジャマンデッドに加えて、高火力のバーストリビングや蘇生能力持ちのボブゾンビ、あるいは一番厄介な高体力で召喚持ち、長射程でそこそこの火力であるデモンデッドなどに出くわす。最後のが出た時には4人とも大打撃を受け、あとはただの耐久戦となった。
勝っては負け、負けては勝ち。そんな勝負を繰り返す内にもう帰る時間となってしまった。
「じゃぁな!」
「また明日な!」
「またね、浩平くん!」
「今日は楽しかった!」
ので、俺、圭吾、学、有馬は別れを告げる。明日からはまた勉強の日々の開始である。




