102話 悪事を暴け(前編)
その日、俺は1人でトボトボと下校していた。
「クズだ...。」
「あいつ、ホントに最低。」
「顔も見たくないわ。」
周りの言葉が心に深く刺さる。有馬の悪事は明らかなのに爽やか系イケメンだからか女子は皆信じこんでいる。男子も過半数は女子に流されてしまっていた。誰だって一番可愛い。浩平たちもほとぼりが覚めるまではということらしい。
それでも、次の日。噂は回っているはずなのに栞が放課後、校舎裏で話かけに来てくれた。そんな様子を見るに彼女はきっと全部信じてくれるだろうと思って全て話す。
「なるほど、その有馬って奴が悪巧みをしてるんだ...。わかった、協力するよ。」
するとやはり、栞は全て分かってくれた。
「ありがとう!」
俺は思わず彼女の手を取る。
「えっ、ちょっ!あ、当たり前でしょっ!」
その瞬間、その顔が赤くなる。
「そう言えば、浩平くんたちには言ったの?」
咳払いの後、栞は聞いてくる。
「いや、言ってない。巻き込んだらあいつらも悪く言われるかお思って。」
「全くあんたは本当にお人好しなのね。浩平くんたちだってバカじゃない。ちゃんと話せばわかってくれるわよ。」
そのやり取りの後、栞はスマホを起動。
そして、電話は浩平に。
「もしもし、浩平くん?今どこにいるの?」
『学校の中にいるが...。』
「じゃあ、校舎裏に来てくれるかしら。」
『まさか...プロポーズ!?』
「そんなわけないでしょ。第一、あんた彼女いるじゃない。」
『で、ご用件は?』
「正一から大事な話があるらしいの。そこに圭吾くんと学くんはいる?」
『いるけど...。』
「じゃあ、2人も連れてきて」
『了解。』
そうやって、浩平たちが校舎裏へ来ることとなる。
それから、カクカクシカジカを説明する。
「あの男、前々から怪しいと思ってたんだよ!」
と浩平。
(本当かよ...。)
「ああいう奴って大体たらしなんだよぁ。」
と圭吾。
(オマエモナー...。)
「そんな悪事を企てるなんて僕は彼が将来犯罪者にならないか心配だよぉ。」
と学。
(俺はお前が刑法第176条強制わいせつに違反しないかどうかが心配だよ。)
それぞれの言葉にそれぞれ思いつつ、やっぱりこいつらは最高の友達だなと心から安心する。
「じゃあ、とりあえず鈴本さんに会いにいこう!このことを説明しにいくんだ。」
俺が言うと、即刻
「えぇ。」
「おぅ。」
「イエッサー!」
「了解だよぉ。」
との4つの返事。
土宮有馬の悪事を暴くべく当事者の家へ、何気に初めてのお邪魔である。俺たちは校舎裏を抜けて、裏門から学校の外へと出た。




