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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
6章 大学受験
101/140

100話 第二の転校生

 その日、俺たちのクラスに転校生が現れた。しかも、苛立ちを覚える方の美男。ふと後ろを見ると、彼を見て鈴本さんが震えていた。

 「僕は土宮有馬つちのみやありま。皆、宜しくね!」

飛びきりの笑顔。その笑顔が眩しすぎて毫光が見えた気がした。

「キャッーーー!」

「イケメンッッッーーー!」

「好きぃぃぃっっっ!」

すると、教室に黄色い声がこだまする。

「しゅ、周波数が高いっ!何Hzだこれぇっ?」

俺は耳を塞ぎながら、思わず呟く。

 「じゃぁ、鈴本の後ろに座ろうか。」

「はい!」

(しかもこの男、特等席取りやがってっ!鈴本さんは俺の彼女なのにっ!)

横切る有馬を見ながら俺は歯軋りをする。

 「沙耶香ちゃん、久しぶり。」

しかも、早速絡む。

(と言うか、久しぶり?)

小首を傾げていると、鈴本さんの

「え...えぇ、久しぶりね。」

という暗い声が聞こえる。と言うことは、2人は知り合いというわけか。

「そんなことあるぅ?」

俺は思わず嘆息を漏らした。

 

 さて、鈴本さんの様子を見るにこの2人の間には何かありそうである。果たしてそれは恋愛、もしくは辛酸か。どちらにせよ、本人に聞いてみるものである。

 「す、鈴本さん。」

「何、井上くん?」

「もしかして、あの転校生と何かあったり?」

試しに質問を投げ掛けてみると、鈴本さんは

「...。」

と黙り込む。その沈黙は重く冷たく。その沈黙を破るのは彼女自信。

 「有馬くんは私の中学の頃の元カレなの。」

唐突な告白。それは大阪へ行くと告げられたあの日に匹敵する驚きであった。

「でも、半年も経たずに別れてしまったの。キスとかもしたことないわ。したのは手を繋ぐのとデートが2回ぐらい。でも、告白された当時は両思いだったの。」

つまり、あれは鈴本さんのファーストキスだったわけか。俺は心の底からホッとする。まさか、ファーストキスの相手が立花さんだったとは思ってもみない。

 「じゃぁ、何でそんなに早く...。」

そう言うと、鈴本さんの顔がさらに暗くなった。

(やべ、地雷踏んだか?)

そう思っていたが、彼女は話を続ける。

「実際、付き合ってみたら愛が重すぎたのよ。それだけなら良かったんだけど...。私の友達に愛香って子がいたのよ。しかも、その子も彼が好きだった。それなのに、彼女は両思いだからって恋する気持ちを忍んで私たちを応援してくれたわ。それなのに...。」

「それなのに?」

俺が相槌を打つと、彼女はさらに続ける。

「それなのに彼を気付いてなくて...。御礼を言わないどころか、時折彼女と一緒にいると無理矢理引き剥がしてきて、最終的には彼女に酷いこと言ったのよ。『俺の女に近づくな』って。」

と。

 「うわぁ...。」

俺は呆れのため息を漏らす。女友達にも嫉妬するとか流石に重すぎる。

「中学三年の頃に親の転勤で山口に引っ越したらしいんだけど...まさかまた戻ってくるなんて...。」

どんどん彼女の顔が青ざめていっている。

(これ以上、この話をするのはダメだな。)

そう思って、俺は

「す、鈴本さん。今度の土曜日皆で勉強会を開かない。あの、その、受験もかなり近付いてきたし。」

と話を転換する。

 「いい...わ、ね...。」

その最中、鈴本さんの声が止まる。刹那、

「やぁ。」

と、後ろから有馬の声が聞こえた。

「ご、ごめんなさい井上くん。その話はまた明日ね!」

間もなく、鈴本さんは行ってしまった。

 「やっぱ、避けられてなぁ。まあ良いや、丁度良い。えっと、名前は...。」

彼に対する少しの敵意を圧し殺して、俺は

「井上正一、正一って呼んでいいよ。」

と答える。

「正一、そこでちょっと話そう。2人切りで。」

「あ、あぁ...。」

(どうしよう、嫌な予感しかしない。)

そうは思ったが、取り敢えず彼に付いて行ってみることにした。もう一度言うが、本当に嫌な予感がするのである。

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