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浅間家のVRMMO  作者: 黒鉄 鋼


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キャラクリは拘りたい

「お、ダウンロード完了した」


 アルカディア・クロニクルのダウンロード開始から約12分程だろうか?ようやくゲージがマックスになりダウンロードが終わった。


「それじゃ早速始めますか」


 ダウンロード中にアルカディア・クロニクルについて情報はかなり集めたし、さっさと開始する。

 ゲームを始めると真っ白だったホームワールドが真っ暗になり、一瞬の間の後、空間が切り替わる。


 周囲を見渡すと巨大なステンドグラスと十字架が備え付けられた台座が見つかり、周囲には長椅子がずらりと並んでいる。何処か教会のような…いや恐らく教会なんだろう。その中心に俺は立っていた。


『アルカディア・クロニクルへようこそ。ゲーム開始前に利用規約をご確認して下さい』


キョロキョロと周囲を見回していると何処からか機械音声と共に長文がずらりと並んだウィンドウが現れた。

 どうやらこの長文の利用規約を下まで見て同意しないといけないらしい。まぁどのゲームにもある物だ。だが!


「ほとんどの人間が見ないよなぁ利用規約」


 俺もその一人だ。ぶっちゃけ見ないといけないものなのは分かってるが、こんな長い利用規約なんぞ態々見ないんだよ。きちんと見る奴なんて都市伝説的存在だわ。大体が垢BANされるような事をするな、ルールを守れとかを長ったらしく書いてるだけだしな。


 てな訳で利用規約を一番下まで高速スクロール!からの同意するボタンを即座に押して終わらせる。


『利用規約の同意を確認。続いてプレイヤー名を入力して下さい』


 同意が終わればお次はプレイヤーネームのお時間らしい。目の前にキーボードのウィンドウが出てくる。


「名前はいつも使ってるやつで…」


 カタカタとキーボードを打ち込んでパッパッと入力する。そして入力を終えてエンターキーをターン!とカッコつけて押す。


『プレイヤー名「ボールチョコ」でよろしいですか?』


 ボールチョコ…俺が昔から大好きなお菓子である小さいボールみたいな球状のチョコ菓子を連想させる名前にした。この名前はどのゲームでも使い続けてる物だ。


「イエスイエス。よろしいですよー」


 機械音声の確認に適当に相槌を打ちながら早くキャラクリが出来ないかと待つ。さっさとキャラクリさしてほしいぜ。


『プレイヤー名をボールチョコに決定しました。続けてキャクタークリエイトに移ります』

 

 よしよし、キャラクリがようやく出来る。ダウンロード中に見た情報からある程度の方針は考えてある。


 目の前に大きな姿見鏡が現れ、俺の姿が写し出され、そこには茶色の短髪、黒い瞳をした平均的な身長の俺が写っている。

 顔つきはそこそこ、少し童顔なのがコンプレックスになっている顔だ。


「さてそれじゃ先ずは種族選択しますか」


 姿見鏡のすぐ横に浮かんでいる幾つかのタブから種族選択と書かれたものをタップする。すると多種多様な種族の画像が現れた。


 アルカディア・クロニクルには8種類の種類を選ぶ事が出来るらしい。人間(ヒューマン)、森人(エルフ)、山人(ドワーフ)、獣人(ビースト)、魔人(デモニア)、竜人(ドラグノス)、妖精(フェアリー)、鬼人(オーガ)…此等8種類になっている。


 種族事にステータスの伸び具合が異なり、後は種族専用スキルってので棲み分けされているらしい。

 ステータスにはSTR、DEX、INT、AGI、DEF、MNDの6種類となって種族事に伸びやすい、伸びにくいの特徴がある。

 見た目もそうだが専用スキルやステータスの伸び具合なんかで自分のプレイスタイルと合うものを選ぶのが良いだろう。そんな訳で俺が選ぶのは…


「鬼人(オーガ)!君に決めた!」


 某ポケットにモンスターをinするアニメの主人公の決め台詞と共にオーガを選択する。

 オーガは屈強な肉体を持つ種族で、怪力なのが特徴だ。ステータスもそれに伴う伸び方をするらしい。そして何より俺がオーガを選んだ理由は専用スキルにある。


 コイツの専用スキル、【不屈(インドミタブル)】。パッシブスキルで効果は受ける物理攻撃を-10%すると言うもの。

 コレが俺のプレイスタイルとかなりマッチするのだ。


 俺は大抵どのゲームでも火力とスピードのどちらか、もしくは両方を伸ばしてダメージ覚悟で敵を吹っ飛ばす事が多い。その為敵の攻撃を受けても被ダメを減らせるこの不屈はかなり有難いのだ。


 さて、オーガに種族を決めた事で姿見鏡に写っていた俺の身体にも変化が現れた。額から角が生え、顔つきや身長はそのままに、肉体が筋肉質になっている。


「ガチムチって程では無いけどしっかり筋肉が有るなぁ」


 現実の俺じゃ到底成し得ない肉体美だ。何でかは分からんが現実の俺はどれだけ鍛えても筋肉があまり付かない体質らしく、今の姿見鏡に写っている肉体は羨ましい気持ちになる。


 一先ず現実でもこの肉体がほしいと言う複雑な気持ちは置いといて、次は見た目に手を加えて行こう。

 今のままじゃ筋肉質な身体に童顔のせいで少しアンバランスな見た目になっている。その為先ずは顔つきを偏向させていく。


「先ず丸顔のこの顔に手を加えて…」


 丸顔だった顔を大人っぽい面長でシュッとした顔に変えていく。この時に筋肉質な身体と違和感が無いように微調整をする。


「お次は目付きを鋭く、つり目に…」


 更にぱっちりしている目を細く鋭くし、少しだけ威圧感が出るようにする。こう言った作業を全体の雰囲気と照らし合わせつつ約1時間、続けて行き…






「よっしゃ完成!中々のイケメンになったぞ!」


 姿見鏡には一時間前まで写っていた童顔の俺ではなく、筋肉質で鋭い目付きが特徴的なイケメンになっていた。鋭い目付きにしたお陰か威圧感が出る顔つきにはなったがかなり理想の顔になった。

 やっぱゲームするなら理想の顔でやりたいというものよ。

 髪型や髪色、瞳の色等も変えて、赤色の髪色をした短髪。瞳の色は髪の色と合うように此方も赤色にし一体感を出す。

 

 身長も伸ばし、大体185cm程まで伸ばした。現実の俺の身長が170cm位だから15cm程伸ばしてある。ここまで伸ばすといざ実際にゲーム開始する時に違和感が発生するかも知れないが、今の技術は凄いらしく違和感が出ないように補正を掛けてくれるらしいから気にしない。


 コレでほとんどが完成した。かなり時間を掛けたからさっさと次に進もう。


『キャクタークリエイトの完了を確認しました。続けて初期選択スキルと武器選択に移行します』


 キャラクリを完了させると同時に目線が高くなる。どうやら作成したキャラの姿に変わったらしい。

 キャラクリの次はスキルと武器選択になる。アルカディア・クロニクルには他のゲームの様なジョブシステムが無いらしい。プレイヤーはレベルを上げて得たスキルポイントと言うので様々なスキルを取得、もしくはスキルのレベルを上げて自身を強化していくものらしい。


 周囲には姿見鏡が消えて大量の武器が並んだ武器台がずらりと囲うように現れた。


「さてそれじゃ先ずは武器を選ぶか」


 プレイスタイルから種族選択は決めていたがスキルや武器はかなり豊富らしく大して決めていなかった。と言っても武器に関しては初期選択の武器ってだけであとで他の武器に持ち帰ることも出来るらしいからそこまで気にするほどでも無いが…やっぱ最初の武器は性に合うものを選びたい。


 俺のプレイスタイル的には火力が出せるかつ、連続攻撃を出し続けられる武器が良いのだが…一先ず斧等の大柄な武器が並んだ武器台の前に立つ。

 武器は試し切り等も出来るっぽいから幾つか手に取って軽く振ったりしていく。


「火力が出せそうなのは斧に大剣、ハンマー…おっモーニングスターとかも有るのか」


 火力を求められそうだけど連続攻撃は難しそうだな…いや使い方次第ではどうにかなりそうだけど、今回は唆られないな。

 

「となるとやっぱこの辺りか?」


 次にナイフ等の短刀から片手剣、ロッドとかが並んでいる武器台を見ていく。ここら辺のは素早い攻撃が出来そうな奴だ。

 一応この近接武器の反対側には弓やクロスボウ、後は銃なんかの遠距離武器や魔法を使う用のなのか杖とかも置いてある。だが俺は遠距離でチクチクするより近接でぶん殴るのが好きだからそっちには目も向けない。

  

「おっ、コレ良さそう!」


 そうして武器を見ていっていると面白そうな物を見つけた。それは傍から見れば金属製の手甲のような物だけど、拳部分が膨らんでおり、どちらかと言うとボクシンググローブに近い。


「武器名は拳手甲(ナックルガントレット)ね。打撃武器の1種になるのか」


 拳手甲って事だから体術を使った戦い方が出来そうだし、色んなゲームだと体術は連続攻撃が出来る戦闘スタイルってのが定石だ。それに見た目的になんか火力も出せそうだ。

 拳手甲を手に装備して軽くシャドーボクシングをしてみる。腕を振り抜く感じはさほど重さも感じないし扱いやすい。

 取り敢えず武器はこのナックルに決定する。次はスキル選択だ。


『武器を拳手甲に決定します。続けて初期選択スキルを選択して下さい』


 お次はスキルの選択になる。さっきも言ったがプレイヤーは様々なスキルで強くなっていくものだ。そのスキルを初めに5つ、選ぶ事になるらしい。


 周囲の武器台が消えて様々なスキルの名前がずらりと並んだウィンドウが現れた。そしてその一番上には推奨スキルと書かれた欄もある。


「一先ず1つ目のスキルは【体術】だな」


 【体術】。推奨スキルの欄の一番上に載っているスキルだ。武器の拳手甲を選択したからには選んでおいた方が良いだろう。スキルの説明欄には【体術】は拳や脚等を使って戦う際に攻撃力にボーナスが付いたり、アーツと呼ばれる技が習得出来る物らしい。


「良いね。それじゃ残りのスキルはプレイスタイルに合ったものを選んで行くか」

 

 暫くの間、色んなスキルを吟味しながら武器と【体術】スキル、後はプレイスタイルと合うスキルを選んでいく。そうして約数十分後…


「よし。コレに決めた」

 

 5つ目、最後のスキルを選び終えた。中々スキルとかにシナジーのあるスキルを選ぶのに苦労したぜ。

 俺が選んだ残りのスキルは【筋力増強】、【瞬発力増強】、【瞑想】、【底力】の4つだ。

 【筋力増強】はステータスのSTRにボーナスポイントを付与するパッシブスキル。同様に【瞬発力増強】もAGIにボーナスポイントを付与するもの。

 【瞑想】は発動させると動かない間、一定時間事にHPを回復させるものだ。【底力】は体力が減れば減るほど微小ながら攻撃力アップさせるスキルになる。 

 

 【瞑想】と【底力】はかなりシナジーがあると思う。戦闘中、体力が減れば底力で火力を上げ、危ない領域に至れば瞑想で体力を回復させる。瞑想の回復が発生するのは5秒ごと。5秒後に回復量は少ない物の即座に回復できる為、兄貴と一緒にするなら、ある一定の領域に回復するまでを兄貴に凌いでもらえば何とかなるだろう。


 特にアイテムも金も少ない序盤にはアイテムを使わなくても回復できる手段があった方が良いだろうしな。


『初期選択スキルが決定しました。コレにて全ての工程が終了しました。コレよりゲームを開始させます』


 スキル選択が終わればようやくゲーム本編になるみたいだ。チュートリアルはこの後するのだろう。チュートリアルが終われば兄貴と合流だ。

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