いますぐできそうなこと。なろうチアーズを一度止めよう。
いろいろと皆さんの投稿を読んでみて、自分なりの結論を書きました。
# いますぐできそうなこと。なろうチアーズを一度止めよう。
AI大量投稿への対策として、いちばん今すぐできそうなことは何か。
私は、なろうチアーズプログラムを一度止めることだと思います。
投稿を止める、という話ではありません。
AI作品を禁止する、という話でもありません。
まず、お金につながる部分をいったん止めて、制度を見直すべきではないか、という話です。
## 1 問題定義
なろうチアーズプログラムは、作者を応援するための仕組みとして始まったものだと思います。
作品が読まれる。
広告が表示される。
その結果、作者にリワードが入る。
「読まれること」が応援になる。
これは考え方としては、とても自然です。
ただ、AI大量投稿の時代になると、少し話が変わります。
AIを使うと、作品を書くコストが大きく下がります。
特に、短編だけではなく、長編や連載作品でも、下書き、構成、会話、設定整理などをAIに手伝わせることができます。
その結果、今までなら途中で止まっていた作品も、投稿できる形まで持っていきやすくなります。
これは良い面もあります。
書きたかった人が書けるようになるからです。
でも同時に、悪い面もあります。
たくさん投稿することが、お金や露出につながるなら、たくさん投稿したほうが得になる。
ここに問題があります。
これを少し難しい言葉で言うと、インセンティブの問題です。
※インセンティブとは、「そうしたほうが得になる仕組み」という意味です。
今の仕組みだと、丁寧に一作を書く人だけでなく、たくさん投稿して少しでも読まれようとする人にも、同じように道が開いています。
もちろん、大量投稿している人が全員悪いという話ではありません。
AIを使っている人が全員悪いという話でもありません。
問題は、制度の側が「たくさん出すこと」を得にしてしまっているかもしれない、という点です。
## 2 解決策
一番早い対策は、なろうチアーズプログラムを一度止めることだと思います。
繰り返しますが、投稿を止めるという意味ではありません。
小説家になろうには、これまで通り自由に投稿できる。
AIを使った作品も、ルールの範囲内で投稿できる。
読む人も、これまで通り読める。
ただし、収益化だけはいったん止める。
そのうえで、制度を作り直す。
たとえば、収益化に参加する場合は、本人確認を必須にする。
ここで言う本人確認は、いわゆるKYCです。
※KYCとは、収益を受け取る人の本人確認です。身分証確認などを含みます。
KYCを入れれば、複数アカウントを大量に作って収益化するコストは上がります。
さらに、投稿数や更新数が多ければ多いほど得になるのではなく、一定以上は重みを下げる。
つまり、たくさん投稿すればするほど、一本あたりの収益や露出が増え続ける、という状態を避ける。
これも少し難しく言うと、合理戦略を変える、という話です。
※合理戦略とは、「そのルールの中では、そう動くのが一番得になりやすい行動」という意味です。
今のルールで、大量投稿が得になっているなら、人は大量投稿します。
それは人間が悪いというより、そういうルールになっているという話です。
ならば、ルールを変える必要があります。
## 3 理由
なぜ、いったん止める必要があるのか。
理由は単純です。
お金が絡むと、行動が変わるからです。
お金がない場所では、投稿する理由はだいたい「書きたい」「読んでほしい」「反応がほしい」になります。
でも、収益化が入ると、そこに「少しでも稼げるなら投稿する」という理由が加わります。
さらにAIによって投稿コストが下がると、こうなります。
一作に時間をかけるより、たくさん出したほうが得かもしれない。
短期間に更新したほうが得かもしれない。
複数作品を並べたほうが得かもしれない。
この状態が続くと、読者側からはこう見えます。
また同じような作品が増えた。
またAIっぽい作品が増えた。
ランキングが信用しにくい。
新着を見るのがつらい。
面白い作品にたどり着きにくい。
つまり、作者支援のための制度が、結果として読者の発見体験を傷つけてしまう可能性があります。
もちろん、なろうチアーズプログラムそのものの理想は悪くないと思います。
読まれた作品に作者支援が届く。
創作を続ける理由になる。
それ自体は良いことです。
でも、AI大量投稿時代には、そのままでは危ない。
制度が想定していた投稿コストと、今の投稿コストが変わってしまったからです。
だから、まずはお金につながる部分をいったん止める。
これを、利得を外す、と言ってもいいと思います。
※利得を外すとは、投稿量がお金や露出に直結しないようにする、という意味です。
## 4 まとめ
AI大量投稿の問題は、AIそのものだけの問題ではないと思います。
AIを使えば、作品を作るコストが下がる。
収益化があれば、たくさん投稿する理由が生まれる。
ランキングや新着がそのままだと、読者は似たような作品を浴び続ける。
その結果、面白い作品が埋もれる。
だから、まずできそうなことはシンプルです。
なろうチアーズプログラムを一度止める。
投稿は止めない。
AI作品も禁止しない。
でも、収益化だけはいったん止める。
そして、本人確認、投稿量への減衰、読者が作品を見つけやすくなる仕組みを入れたうえで、作り直す。
AI時代に必要なのは、書く自由を奪うことではなく、悪い方向に頑張ったほうが得になる仕組みを減らすことだと思います。
読む人が疲れない。
書く人が埋もれない。
真面目に作る人が損をしない。
そういう形にするために、まずは一度止めて、設計を見直す。
今すぐできそうなこととしては、それが一番早いのではないかと思います。
実際に止めるとしても、すぐ中断は難しいと思います。
たとえば二か月ほどアナウンス期間を置いてから一度中断し、再開時にはStripeなどの外部サービスを使ってKYCを入れる形にすればよいのではないかと思います。




