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【第二話】2冊目のノート:鬼との出会い

さて、夢日記として1つのノートに書かれていた内容は、大体ここまでだ。ここからは、2冊目の本に突入する。このノートは、1冊目に比べて考察や予想が多く書かれている。今までの夢で、夢どうしの繋がりを意識し始めたからなのかもしれない。とにかく、ここからはより一層夢が連続して続いていく事になる。

当時の記録と考察を読み、それに今ならではの考察も含めて書いていく事にする。

1月1日1:00就寝

(補足:当時は2階建ての一軒家に住んでいた)この日は、新年のカウントダウンをするために、いつもより遅くまで起きていた。それこそ、深夜1時までは起きていた。そろそろ寝るか、と思い寝室に向かう。どこからか、セミの声が聞こえる。ちょうど、ミンミンゼミのような、少し違うようなそんな音がする。今から思えばコオロギだったのかもしれないが、いずれにせよ季節外れだと思う。こんな夜更けでもセミは元気だな、と思った次の瞬間、今が1月という事を思い出した。先程から、暖房とは違う方向から暖かい風が吹いている。窓は閉めたはずなのに、いや、それ以前に先程から季節感が現実とは全く異なる。

ふと寝返りすると、頭に何かが当たったような感触がする。そこに何か物を置いていた記憶は無いが、一応確かめてみる事にした。ゆっくりと目を開き、周りの様子を眺める。ただ、いつもの寝室が見えるだけだ。だが、奇妙な点はいくつもあった。例えば、自分の服が半袖だった事。いかにも今夏であるかのような服装に替わっていた。それに、よく見ると空には雲がかかっていた。寝る前は快晴だったのに。いくつもの疑問を持ちながらも、周りを見回していると、寝室の扉の向こうに階段が見えた。そこに、明らかに異質な物が見えた。

1階へと降りるための階段の他に、上へと上がる階段、本来なら無いはずの階段が、そこにあった。本来なら行くべきではないのかもしれないが思い切って探索する事にした。結論からいえば、5階まで続く階段と、それぞれ異なる配置の部屋がいくつかあった。引き返し、寝室の前まで戻ってきた所で夢から覚めた。

この夢は一体何だったのか、この先でも度々登場するが、どれも核心を突くような物ではなかった。だが、この日の夢が後の夢に大きな影響を及ぼしていた事も、また事実だ。


1月1日23:00就寝

この日も、2階の寝室へと向かい、いつも通り眠りについた。その日は、当時にしては珍しく自分で起きる事が出来た、と錯覚した。しかし、実際には昨日と同じ、つまり巧妙に現実の家とリンクした夢だった。その瞬間、昨日の夢の記憶が蘇る。明確な根拠があったわけではないが、昨日の夢の続き、という感じがした。明晰夢とも呼べるかもしれない。しかし、この日は3階への階段は無かった。という訳で少々ガッカリしつつも、時計を見た。現在時刻は五時半。いつも夢を見ている(と考えられる)時間と一致する。そこに妙な整合性を見つけた後で、2階にある寝室から1階に降りてみることにした。

1階に着き電気を付けようとしたが、スイッチを押しても部屋の電気が全く付かなかった。何度照明のスイッチをカチカチ押しても、何も反応が無い。停電していたのかもしれないと思ったが、2階の廊下の電気は問題無い事から、そうではない事が分かる。不思議に思って電源パネルと照明を交互に見ていると、背後から何者かが近づいてくる足音に気が付いた。現実的に考えたら、この時間は誰も起きてこないはずだし、そう考えると怖かった。そして、後ろを振り返る暇も無く、徐々に意識が薄れていった。そして気付いた時には夢から覚めていた。


1月2日22:50就寝

全く同じ夢を見た。今度は後ろを向きながらスイッチを押したが、的確に背後から近づいてくる。意識が遠のき、夢から覚めた。


1月3日23:15就寝

今日も全く同じ夢を見た。今度は絶えず周りを見ながらスイッチを押したが、上から何かが降ってくる音と共に、意識が遠のき、夢から覚めた。


1月4日23:15就寝

またしても全く同じ夢を見た。今度は近くの物陰に隠れることにした。物を探すように歩き回る足音が聞こえる。しばらくは安全に思えたが、やがて足音が近づき、背後から近づかれ、意識が遠のき、夢から覚めた。


1月5日23:20就寝

繰り返される夢を見始めて、今回で5回目となる。今日は初めて追ってくる存在を見る事に成功した。近づいてくる足音の正体は、昔話に出てくるような鬼だった。姿を見られた鬼は、しばらく硬直していた。その隙に、鬼の見た目を細かく観察してみる。まず、典型的な角から、ボサボサの髪、赤い肌に、どこを見ているか分らない目、しっかりと閉じた口、手には大きめの刀を持ち、足は骨張っていて厳つい印象だ。

そのまま動かないようだったので、気にせず2階に戻る事にした。そして、寝室に向かっているうちに、さっきまで無かったはずの3階への階段をまた発見した。その階段を登ると、目の前に2つの扉があった。片方の扉は鍵が閉まっていて、中に入ることが出来なかった。もう片方の正面の扉に鍵は無く、自由に出入りできるようになっていたので、その中に入った。

その部屋は中央にテーブルがあり、12種類24個の置物が置かれていた。壺、箱、ガラスケース、人形等、色々な物があった。そして部屋の奥には大きな時計があった。ふと、その時計に触れてみると、勢いよく時計の針が回転し始めた。そうしていると、また鬼が近づいてきて、何かを話しかけられたような気がする。何を話していたかは、全く分からなかった。そして鬼は、25個目の置物となった。

それから3ヶ月、全く夢を見なかった。新年のあの時からは毎日夢を見ていたのに、急に全く夢を見なくなった。今から思えば、夢の世界の「時間」が一気に4ヶ月先に進んだからかもしれない。あの時計には、そのような効果があるのだろうか?

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