第2話 自分の強さ
前回に続き第2話を読んでくれた方、ありがとうございます。
どのくらいの文字数が良いでしょうかね?
多すぎず、少なすぎず…
皆さんのを読んで勉強します
前回の続き
第1章自分の強さ
短剣を握ったまま
リーサは勢いよく家を飛び出した
⸻
「みんなに見せてくる!!」
⸻
「おい、走るな――!」
ケーラの声は、もう届いていない
⸻
村の通り
いつも通りの穏やかな空気
⸻
リーサは一人ひとりに声をかけて回る
⸻
「ねえ見て!これ!」
⸻
近くにいたおじさんとおばさんが振り返る
⸻
「あらあら、どうしたのリーサ?」
⸻
リーサは誇らしげに短剣を掲げる
⸻
「ケーラから誕生日プレゼントもらったの!」
⸻
一瞬、二人は目を丸くする
⸻
「……へぇ、あのケーラがな」
⸻
「剣なんて持たせるとはねぇ」
⸻
おばさんがくすっと笑う
⸻
「昔はあんなに無茶ばっかりしてたのに、今じゃすっかり“父親”だね」
⸻
おじさんも頷く
⸻
「ああ、あいつも変わったな」
⸻
リーサはきょとんとする
「そうなの?」
⸻
「そうさ。昔はな――」
⸻
おじさんが何か言いかけるが
おばさんが軽く肘でつつく
⸻
「はいはい、その話はまた今度」
⸻
リーサは少し不満そうにする
「えー気になる!」
⸻
でもすぐに笑顔に戻る
⸻
「でもね!これで私もみんな守れるよ!」
⸻
その言葉に
二人は一瞬だけ顔を見合わせる
⸻
そして、優しく笑った
⸻
「……無理はしなくていいんだよ」
⸻
「リーサは元気に笑っててくれるだけで十分さ」
⸻
リーサは少し考えてから
⸻
「でも、それだけじゃやだ」
⸻
小さく、でもはっきりと
⸻
その言葉は
どこかケーラと似ていた
⸻
遠くで、その様子を見ていたケーラは
静かに目を細める
⸻
(……似てきたな)
⸻
嬉しさと、不安が混ざったような感情
⸻
村は今日も平和だった
⸻
何も変わらない、いつもの一日
⸻
――少なくとも、この時までは
リーサは通りを駆け抜けると
今度は広場へ向かった
⸻
子どもたちが集まって遊んでいる
いつもの場所
⸻
「みんなー!!見て見て!!」
⸻
声に気づいて、何人かが振り返る
⸻
「リーサだ」
「またなんかやってる」
⸻
リーサは得意げに短剣を掲げる
⸻
「これ!ケーラから誕生日プレゼントでもらったの!」
⸻
一瞬の沈黙
そして――
⸻
「え、すごっ…」
⸻
女の子の友達が目を輝かせて近づいてくる
⸻
「かっこいい……リーサちゃんっぽい!」
⸻
「やっぱり似合うね、そういうの!」
⸻
リーサは嬉しそうに笑う
「ほんと!?」
⸻
別の女の子もくすっと笑う
⸻
「うん、なんか“守ってくれそう”って感じ」
⸻
その言葉に、リーサは少し照れる
⸻
「えへへ…そうなれるように頑張る!」
⸻
すると、横から男の子の声
⸻
「いいなぁーー!!俺も欲しい!!」
⸻
「ずるいぞリーサだけ!」
⸻
「なあそれ貸してくれよ!」
⸻
リーサは慌てて短剣を抱える
⸻
「だ、だめ!これは私の!」
⸻
男の子は頬を膨らませる
⸻
「けちー」
⸻
別の男の子が腕を組んでじっと見る
⸻
「ていうかさ」
⸻
少し意地悪そうに笑う
⸻
「女なのに剣とか好きなんて、変わってるよな」
⸻
一瞬、空気が止まる
⸻
女の子たちが「えっ」と顔をしかめる
⸻
リーサはその言葉を聞いて
少しだけ驚いた顔をする
⸻
でも――
⸻
「そうかな?」
⸻
あっさりと返す
⸻
「好きなものがたまたまこれなだけだよ?」
⸻
きょとんとした顔
⸻
男の子は一瞬言葉に詰まる
⸻
「いや…まぁ…そうだけどさ」
⸻
すると女の子が前に出る
⸻
「リーサちゃんはそれでいいの!」
⸻
「かっこいいし!」
⸻
「むしろあんたより強いでしょ?」
⸻
「うっ…!」
⸻
周りからくすくす笑いが起きる
⸻
リーサは少し困ったように笑いながら
⸻
「もう、ケンカしないでよ〜」
⸻
そして、短剣を見つめる
⸻
「でもね」
⸻
少しだけ真剣な声になる
⸻
「ちゃんと使えるようになるから」
⸻
「ケーラに教えてもらって」
⸻
「みんな守れるくらい強くなる」
⸻
その言葉に
周りの子どもたちは静かになる
⸻
風が少しだけ吹いた
⸻
「……ほんとリーサって」
⸻
誰かがぽつりと呟く
⸻
「リーサだよな」
⸻
意味はよく分からないけど
みんながなんとなく納得している
⸻
リーサはまた笑った
⸻
何も変わらない
いつもの広場
⸻
だけど
その小さな決意は
確かにそこにあった
ケーラ・ディレインは
戦うことが特別好きだったわけではない。
また、嫌いというのも違う
⸻
だが
⸻
生き残るための術は、誰よりも知っている
⸻
体の使い方
間合いの取り方
相手を見る目
⸻
それらは、あの襲撃の中で
嫌というほど叩き込まれたものだった
⸻
だからこそ
⸻
リーサにも教えることができた
⸻
「いいか、まずは足だ。動けなきゃ何も始まらない」
⸻
リーサは何度も転びながら
それでも食らいつく
⸻
運動神経は、特別いいわけじゃない
だが悪くもない
⸻
何より
⸻
覚えるのが早い
⸻
「もう一回!」
⸻
その言葉が止まることはなかった
⸻
そして現在
⸻
10歳になったリーサは
“それなりに動ける子”にはなっていた
⸻
村の大人たちも思っている
⸻
「まぁ、元気な子だな」
「ちょっと身軽で、覚えがいい」
⸻
その程度
⸻
“強い”なんて、誰も思っていない
⸻
――その日までは
⸻
村の外れ
小さな山道
⸻
リーサは一人、籠を持って歩いていた
⸻
「ん〜今日はいっぱい取れそう!」
⸻
木の実や薬草を集めるのは
いつもの手伝い
⸻
風が揺れる
鳥の声が聞こえる
⸻
いつもと同じ、静かな山
⸻
――そのはずだった
⸻
「……?」
⸻
ふと、足が止まる
⸻
何かがおかしい
⸻
音が、消えた
⸻
さっきまで聞こえていた鳥の声が
ぴたりと止んでいる
⸻
風の音だけが、不自然に響く
⸻
リーサの背筋に
ぞくりとした感覚が走る
⸻
(……なに、これ)
⸻
教えられたことが
頭の奥から浮かび上がる
⸻
“嫌な感じがしたら、止まれ”
⸻
リーサはゆっくりと周囲を見る
⸻
そして
⸻
草むらの奥
⸻
“それ”と目が合った
⸻
ガサリ
⸻
低く、重い音
⸻
姿を現したのは
⸻
リーサの身体の
およそ四倍はある巨大な獣
⸻
黒に近い毛並み
太い腕
地面を踏みしめるだけで伝わる重さ
⸻
クマに似ている
だが、それよりも明らかに大きい
⸻
「……っ」
⸻
声が出ない
⸻
獣の目が、リーサを捉える
⸻
“獲物”として
⸻
その瞬間
⸻
全身が理解した
⸻
(これ、やばい)
⸻
心臓が一気に跳ね上がる
⸻
足が震える
⸻
逃げなきゃいけない
⸻
分かっているのに
⸻
体が、動かない
⸻
獣が一歩、踏み出す
⸻
ズシン
⸻
その重さだけで
地面がわずかに揺れた
⸻
――殺気
⸻
それは初めて感じる
“明確な死の気配”だった
⸻
リーサの手は
無意識に短剣の柄を握っていた
⸻
(……どうする)
⸻
頭の中で
ケーラの声が響く
⸻
「逃げられるなら逃げろ」
⸻
「無理なら――」
⸻
その先は、まだ教わっていない
⸻
目の前の獣が
ゆっくりと口を開く
⸻
低い唸り声
⸻
逃げ場は、ない
⸻
そして
⸻
獣が、地面を蹴った
地面を蹴った瞬間
巨大な獣がこちらへ向かってくる
⸻
「っ……!」
⸻
リーサの足が、反射的に動いた
⸻
逃げる
⸻
全力で
⸻
枝を踏み、石を蹴り飛ばしながら
必死に走る
⸻
(逃げなきゃ……!)
⸻
心臓がうるさい
息が荒い
⸻
だが
⸻
ふと、頭をよぎる
⸻
(この先って……)
⸻
脳裏に浮かぶのは
いつも遊んでいる広場
⸻
友達たちの顔
⸻
「……っ!」
⸻
足が一瞬だけ鈍る
⸻
(このまま行ったら……)
⸻
あの場所に
この“化け物”を連れていくことになる
⸻
子どもたちがいるかもしれない
⸻
逃げることはできる
⸻
でも
⸻
それじゃダメだ
⸻
リーサの目が、変わる
⸻
走りながら、地面に転がる石を掴む
⸻
振り返る
⸻
距離は、もう近い
⸻
獣の足音が迫る
⸻
「えいっ!!」
⸻
全力で、投げた
⸻
石は一直線に飛び
獣の顔面へと当たる
⸻
ゴッ
⸻
鈍い音
⸻
一瞬の静止
⸻
そして
⸻
獣の目が、完全にリーサを捉えた
⸻
「……よし」
⸻
小さく呟く
⸻
狙い通り
⸻
標的は、自分
⸻
リーサはすぐに背を向け
進行方向を変える
⸻
村とは逆方向へ
⸻
森の奥へと走り出す
⸻
(こっちに来て……!)
⸻
足は震えている
⸻
怖くないわけがない
⸻
それでも
⸻
止まらない
⸻
後ろから
再び重い足音が響く
⸻
ズシン、ズシンと
確実に距離を詰めてくる
⸻
それでもリーサは振り返らない
⸻
ただ、前だけを見る
⸻
(みんなのところには……絶対に行かせない)
⸻
小さな背中が
大きな脅威を引き連れて
森の奥へと駆けていく
村での仕事を終えたケーラは
一人、森の近くを歩いていた
⸻
夕方の静けさ
いつもと変わらないはずの空気
⸻
――だが
⸻
ピタリと足が止まる
⸻
「……っ」
⸻
鼻をかすめる違和感
⸻
血の匂いではない
だが
⸻
“危険の匂い”
⸻
ケーラの目が鋭くなる
⸻
(……いるな)
⸻
次の瞬間
地面を蹴った
⸻
森の中を駆ける
枝を払い、最短距離で進む
⸻
やがて聞こえてくる
⸻
重い足音
木々を揺らす音
⸻
そして――
⸻
小さな足音
⸻
「……まさか」
⸻
視界が開けたその先
⸻
巨大な獣と
それに追われる、小さな背中
⸻
「リーサ!!」
⸻
叫びが森に響く
⸻
リーサが振り向く
⸻
「ケーラ!!」
⸻
その一瞬
⸻
獣が腕を振り上げる
⸻
鋭い爪
一撃で引き裂くための動き
⸻
「――っ!!」
⸻
だが
⸻
リーサの体が跳ねる
⸻
地面を蹴り
横にあった木へ
⸻
枝に向かって、跳ぶ
⸻
ギリギリの距離
⸻
手を伸ばし――
⸻
「っ!!」
⸻
掴んだ
⸻
そのまま体を引き上げる
⸻
下を、爪がかすめる
⸻
空気を裂く音
⸻
ほんのわずかでも遅れていれば
確実に終わっていた
⸻
だがリーサは
枝の上で体勢を整える
⸻
荒い呼吸
震える手
⸻
それでも
⸻
目は、獣をしっかり捉えている
⸻
獣が再び飛びかかる
⸻
枝を揺らし、牙を剥く
⸻
リーサは
わずかな動きでそれをかわす
⸻
足をずらす
体をひねる
⸻
最低限の動きで
攻撃を“外している”
⸻
(……見えてる)
⸻
恐怖の中で
それでも
⸻
“動きが分かる”
⸻
ケーラがその様子を見て
息を呑む
⸻
「リーサ……」
⸻
信じられないものを見る目
⸻
(すごい……)
⸻
(攻撃を……見切っている……)
⸻
ただ逃げているだけじゃない
⸻
“対応している”
⸻
まだ粗い
まだ危うい
⸻
だが確かに
⸻
自分が教えてきたものが
形になっている
⸻
その瞬間
⸻
枝がミシリと音を立てる
⸻
「……っ!」
⸻
限界が近い
⸻
下では獣が狙いを定めている
⸻
次の一撃は
避けきれないかもしれない
⸻
ケーラの足が
さらに強く地面を蹴った
⸻
「そこから動くな!!」
⸻
距離を詰める
⸻
間に合うかどうかは
分からない
⸻
それでも
⸻
間に合わせるしかない
ケーラの胸が、強く締め付けられる
⸻
仲間を失った
家族を失った
⸻
あの夜の悲鳴は
今でも消えていない
⸻
(もう……失いたくない)
⸻
リーサなんて、なおさらだ
⸻
傷ひとつ、付けさせたくない
危ない目になんて、遭わせたくない
⸻
強くなんて、ならなくていい
⸻
(俺が守るから)
⸻
それでよかったはずなのに
⸻
視界の先
⸻
枝の上で
巨大な獣を相手に
必死に、しかし確実に捌いている小さな背中
⸻
リーサ
⸻
血の繋がりなんてない
捨てられていた子
⸻
でも――
⸻
(関係あるかよ)
⸻
拳を強く握る
⸻
(あいつは……俺の娘だ)
⸻
(命を賭けてでも守る存在だ)
⸻
そのはずなのに
⸻
今、胸にあるのは
それだけじゃない
⸻
恐怖の中で
逃げずに
立っている
⸻
自分が教えた動きで
“戦えている”
⸻
(……やれるのか)
⸻
一瞬の葛藤
⸻
守るか
任せるか
⸻
そして
⸻
ケーラは、覚悟を決めた
⸻
「リーサ!!」
⸻
声が、鋭く飛ぶ
⸻
「そのまま――3歩下がれ!!」
⸻
リーサの目が動く
⸻
言葉が届いた
⸻
「視野を広くしろ!」
⸻
枝の上で
バランスを取りながら
リーサが後ろへと下がる
⸻
ギシ、と木が軋む
⸻
だが、落ちない
⸻
「いいか!!」
⸻
ケーラの声が続く
⸻
「攻撃には“意思”がある!!」
⸻
獣が吠え、跳ぶ
⸻
「ただ振り回してるように見えても、必ず狙いがある!」
⸻
リーサの呼吸が整い始める
⸻
「やみくもな動物の攻撃なんて――」
⸻
「怖くもなんともない!!」
⸻
その言葉に
リーサの目の奥が変わる
⸻
「現に今、お前は避けれてる!!」
⸻
事実
⸻
リーサは、避けている
⸻
ギリギリでも
確実に
⸻
「体勢を低く――!」
⸻
獣が再び腕を振り上げる
⸻
「潜れ!!」
⸻
リーサが動く
⸻
枝から、あえて低く身を投げる
⸻
爪が頭上をかすめる
⸻
着地
⸻
膝を曲げ、衝撃を殺す
⸻
「そして――」
⸻
ケーラの声が重なる
⸻
「カウンターを挟め!!」
⸻
リーサの手が
短剣を握る
⸻
恐怖は消えていない
⸻
でも
⸻
足は、止まっていない
⸻
教えられた通りに
⸻
体が、動く
⸻
「……っ!!」
⸻
一歩、踏み込む
⸻
獣の懐へ
⸻
振り下ろされた腕の“内側”
⸻
わずかな隙間
⸻
そこへ
⸻
短剣を――
鋭い爪が
一発、二発と振るわれる
⸻
空気を裂く音
⸻
だが
⸻
「っ……!」
⸻
リーサの体が沈む
⸻
さらに低く
⸻
限界まで体勢を落とす
⸻
爪が、頭上をかすめる
⸻
その瞬間
⸻
踏み込む
⸻
一気に懐へ
⸻
「はぁっ!!」
⸻
拳が突き出される
⸻
腹部へ
⸻
――ドンッ!!
⸻
鈍く、重い衝撃
⸻
全長3〜4メートルの巨体が
わずかに浮き
⸻
後方へと押し出される
⸻
「……っ!?」
⸻
リーサ自身も驚く
⸻
(入った……!)
⸻
だが
⸻
獣は倒れない
⸻
すぐに体勢を立て直し
⸻
咆哮とともに
再び突っ込んでくる
⸻
「まだ……!」
⸻
リーサの足が動く
⸻
次は
“待たない”
⸻
地面を蹴る
⸻
獣よりも速く
⸻
懐へ
⸻
「せいっ!!」
⸻
蹴りが
腹に叩き込まれる
⸻
ドッ!!
⸻
その反動を利用し
さらに跳ぶ
⸻
体が宙を舞う
⸻
一瞬の静止
⸻
そして――
⸻
「――っ!!」
⸻
振り抜く
⸻
顔面へ
⸻
クリーンヒット
⸻
バシィッ!!
⸻
乾いた音が森に響く
⸻
獣の頭が揺れる
⸻
その動きが
⸻
ピタリと止まる
⸻
「……」
⸻
リーサも、動かない
⸻
短剣を構えたまま
⸻
ただ、見据える
⸻
獣を
⸻
荒い呼吸
⸻
汗が頬を伝う
⸻
時間が
止まったようだった
⸻
10秒
⸻
20秒
⸻
――約30秒
⸻
互いに動かない
⸻
視線だけが交差する
⸻
やがて
⸻
獣が、ゆっくりと息を吐く
⸻
敵意が、わずかに薄れる
⸻
そして
⸻
一歩、後ろへ
⸻
さらに一歩
⸻
リーサから目を離さぬまま
⸻
静かに
⸻
森の奥へと
消えていった
⸻
「……はぁ……っ」
⸻
その姿が完全に見えなくなった瞬間
⸻
リーサの体から
力が抜ける
⸻
膝がわずかに震える
⸻
それでも
⸻
倒れない
⸻
立っている
⸻
ケーラは、その姿を見ていた
⸻
言葉が、出ない
⸻
ただ一つ
⸻
確信していた
⸻
(……こいつは)
⸻
(もう、“守られるだけの子”じゃない)
⸻
夕暮れの森の中
⸻
小さな少女が
確かに“戦った”痕跡だけが残っていた
獣の気配が完全に消えたあと
森の中に静けさが戻る
⸻
リーサの膝がわずかに震える
⸻
(……終わった)
⸻
その瞬間
⸻
「リーサ!!」
⸻
ケーラが駆け寄ってくる
⸻
リーサはびくっとして
思わず背筋を伸ばす
⸻
(やば……怒られる……)
⸻
短剣を握りしめたまま
視線をそらす
⸻
「ケーラ、あの、そのー……」
⸻
言葉が詰まる
⸻
「ご、ごめんなさ――」
⸻
その時
⸻
「リーサ!!怪我はないか?」
⸻
予想と違う言葉
⸻
ケーラはすぐに手を取り
ぐっと引き上げる
⸻
リーサは少し驚きながら立ち上がる
⸻
「だ、大丈夫……」
⸻
「だけど……」
⸻
言いかけると
⸻
「大丈夫なら良かった」
⸻
ケーラは、笑っていた
⸻
優しく
どこか安心したような顔で
⸻
リーサは目をぱちぱちさせる
⸻
(あれ……怒らないの?)
⸻
ケーラは軽く息を吐いて
⸻
「逃げようとしたけど」
⸻
「村の方に獣が行きそうだったから、おびき寄せたんだろ?」
⸻
リーサが固まる
⸻
「見てたの!?」
⸻
ケーラは肩をすくめる
⸻
「いいや、見てない」
⸻
「でも分かる」
⸻
少しだけ笑って
⸻
「何年一緒にいると思ってるんだよ」
⸻
「それに――」
⸻
ほんの少し、照れくさそうに
⸻
「俺は父親だぞ」
⸻
リーサの顔がゆるむ
⸻
一瞬の沈黙
⸻
そして
⸻
「クスッ……」
⸻
小さく笑いがこぼれる
⸻
「アハハ!!」
⸻
さっきまでの緊張が嘘みたいに
笑い声が森に広がる
⸻
ケーラは少し戸惑う
⸻
「そ、そんなおかしいこと言ったか?」
⸻
リーサは笑いながら首を振る
⸻
「ううん、なんか……安心した」
⸻
そう言って
少しだけ近づく
⸻
ケーラはその様子を見て
ふっと目を細める
⸻
(……ほんと、強くなったな)
⸻
さっきの動き
判断
覚悟
⸻
全部が
想像以上だった
⸻
そして同時に
⸻
(このまま村だけじゃ……)
⸻
その力は
収まりきらない
⸻
少しの沈黙
⸻
風が木々を揺らす
⸻
ケーラがぽつりと口を開く
⸻
「なあ、リーサ」
⸻
リーサが顔を上げる
⸻
「ん?」
⸻
ケーラは一瞬だけ考えてから
⸻
「……少し、話がある」
⸻
その声は
さっきまでとは少し違っていた
⸻
優しさの中に
ほんの少しだけ
“真剣さ”が混ざっている
⸻
リーサはそれを感じ取って
自然と表情を引き締める
⸻
「なに?」
⸻
ケーラは空を一度見上げてから
ゆっくりと視線を戻す
⸻
何かを決めたように
⸻
そして――
ケーラは少し間を置いてから口を開く
⸻
「……少し、真剣な話なんだが」
⸻
リーサは首をかしげる
⸻
「なに?」
⸻
ケーラはゆっくりと言葉を選ぶ
⸻
「この世界にはな」
⸻
「魔法、武力、知識……いろんなものを学べる場所がある」
⸻
「ただの訓練じゃない」
⸻
「戦う力も、生きる力も、全部だ」
⸻
リーサの目が少しずつ輝き始める
⸻
「そんなとこあるの?」
⸻
ケーラは小さく頷く
⸻
「アルディア・オールターズ学院っていう」
⸻
「年齢は関係ない」
⸻
「実力があれば、誰でも道が開ける場所だ」
⸻
リーサは驚きと興味が混ざった顔になる
⸻
「へぇ……」
⸻
ケーラは続ける
⸻
第3章
「勇者を育てたこともある」
⸻
「魔法使いも、剣士も、いろんなやつがそこから出てる」
⸻
少しだけ視線を逸らす
⸻
「……お前なら、もっと伸びる」
⸻
その言葉は
静かだけど、確信があった
⸻
リーサは一瞬だけ黙る
⸻
さっきの戦いが、頭をよぎる
⸻
(もっと……強くなれる?)
⸻
ケーラはリーサを見る
⸻
「無理にとは言わない」
⸻
少し優しく
⸻
「どうだ?」
⸻
「行ってみたいか?」
⸻
森の風が、二人の間を通り抜ける
⸻
リーサは
少しだけ下を見てから
⸻
短剣を握り直す
⸻
そして
⸻
顔を上げた
リーサは少し考える
⸻
「んー……」
⸻
森の静けさの中
風が揺れる
⸻
「んー、、、学校へは〜……」
⸻
ケーラはじっと待つ
⸻
そして
⸻
「うん!行かない」
⸻
間があった分
思わずケーラが吹き出す
⸻
「随分と溜めたな笑」
⸻
リーサは肩をすくめる
⸻
「私はさ〜」
⸻
「興味があって、やってみて楽しいことをやってるだけだし」
⸻
「特別強くなりたい!ってわけじゃないんだよね〜」
⸻
「強くなれたらいいな〜くらい」
⸻
少し曖昧で
でも、リーサらしい答え
⸻
普通なら戸惑う言葉
⸻
だが
⸻
ケーラは笑った
⸻
「そうか!良かった〜」
⸻
リーサが驚く
⸻
「え!?」
⸻
ケーラはどこか安心したように
⸻
「いや、だって行きたいって言われたら」
⸻
「離れ離れになるところだったからな」
⸻
リーサは一瞬ぽかんとして
⸻
「もう、寂しがり屋だなケーラは笑笑」
⸻
くすっと笑う
⸻
そして少しだけ空を見て
⸻
「でも……」
⸻
「ちょっと興味は湧いたかも」
⸻
ケーラを見る
⸻
「ありがとう」
⸻
ケーラは少しだけ目を細める
⸻
「……ああ」
⸻
二人は並んで歩き出す
⸻
夕焼けの中
⸻
帰る場所は同じ
⸻
それだけで十分だった
⸻
――だが
⸻
その選択が
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数年後、大きな意味を持つことになる
あれから5年後
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同じ森
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だが
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そこにいる少女は
もう“あの頃のリーサ”ではなかった
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木々の間を走る影
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速い
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人の動きではない
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枝を踏み
空中で体勢を変え
音もなく着地する
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「……遅い」
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低く、落ち着いた声
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その視線の先には
かつて自分を追い詰めたような猛獣
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だが今は
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“狩られる側”が違う
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リーサは一歩踏み出す
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風が揺れる
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身体能力は、もはや常識外
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無駄のない動き
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そして
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腰に差した短剣
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あの時、もらったものとは違う
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だが
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“始まり”は同じ
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さらに
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指先に淡い光が灯る
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簡易的な魔法
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生活の中で覚え
独学で磨いたもの
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戦闘用ではない
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だが
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「使い方次第」
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それがリーサのやり方
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「……来るなら来なよ」
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構えは自然体
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だが隙がない
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その姿は
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村の少女ではなく
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“戦える者”のの動きだった
春の風がゆっくりと校舎を抜けていく
新しく建てられた中学校
まだ木の香りが残る廊下
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窓際
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リーサは頬杖をつきながら外を眺めていた
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「はあー……」
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ぽつりと漏れたため息
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その横から、ひょこっと顔が覗く
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「どうしたの?ため息なんてついて」
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カナリエだった
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リーサは少しだけ視線をずらす
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「だってさ〜…もう卒業だよ?」
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指先で机をトントンと叩きながら
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「やりたいことなんて、これといったの無いしさ〜」
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カナリエは少し意外そうに目を丸くする
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「リーサにしては珍しいんじゃない?」
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腕を組んで、じーっと見る
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「いつも“あれやりたい!これやりたい!”って」
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「好奇心いっぱいな子って思われてると思うわよ?」
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リーサがピタッと止まる
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「えっ、そうなの!?」
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勢いよく振り向く
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カナリエは吹き出す
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「気づいてないの?笑」
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リーサは少しだけ考える
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「えー…そんなつもりなかったんだけどな〜…」
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窓の外を見る
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風に揺れる木々
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その向こう
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ずっと続く森
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「……でもさ」
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少しだけ真面目な声
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「なんか、“これだ!”っていうのが無いんだよね」
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「やりたいことはあるけど」
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「どれも“決める理由”にはならないっていうか」
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カナリエは少しだけ表情を変える
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「……怖いの?」
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リーサは一瞬だけ目を細める
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「んー…」
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少し考えてから
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「怖いっていうより…」
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「決めたら、それ以外できなくなりそうで」
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静かな本音
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カナリエはふっと笑う
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「欲張りなんだね」
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リーサも小さく笑う
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「かもね」
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その時――
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コンコン
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教室のドアがノックされる
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「失礼する」
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教師が入ってくる
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だが
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その後ろに
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“見慣れない人物”が立っていた
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黒を基調とした装い
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この村では見ない雰囲気
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教室の空気が、少しだけ変わる
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「今日は、外部からの来訪者がいる」
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ざわつく教室
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その人物の視線が
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ゆっくりと
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“リーサで止まる”
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――違和感
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理由は分からない
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だが
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リーサは、無意識に感じ取る
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(……なんだろ、この感じ)
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その瞬間
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物語が
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“動き始める”
第2話ご覧頂きありがとうございます。
第2話は少し長めに文字を埋めたのですがどうなんでしょうかね?
投稿頻度に関しては、熱しやすく冷めやすいタイプなので未定です。
ちょくちょくやっていきます!




