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Original Girl!!  作者: Mikem
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2/12

第2話 自分の強さ

前回に続き第2話を読んでくれた方、ありがとうございます。

どのくらいの文字数が良いでしょうかね?

多すぎず、少なすぎず…

皆さんのを読んで勉強します

前回の続き

第1章自分の強さ



短剣を握ったまま


リーサは勢いよく家を飛び出した



「みんなに見せてくる!!」



「おい、走るな――!」


ケーラの声は、もう届いていない



村の通り


いつも通りの穏やかな空気



リーサは一人ひとりに声をかけて回る



「ねえ見て!これ!」



近くにいたおじさんとおばさんが振り返る



「あらあら、どうしたのリーサ?」



リーサは誇らしげに短剣を掲げる



「ケーラから誕生日プレゼントもらったの!」



一瞬、二人は目を丸くする



「……へぇ、あのケーラがな」



「剣なんて持たせるとはねぇ」



おばさんがくすっと笑う



「昔はあんなに無茶ばっかりしてたのに、今じゃすっかり“父親”だね」



おじさんも頷く



「ああ、あいつも変わったな」



リーサはきょとんとする


「そうなの?」



「そうさ。昔はな――」



おじさんが何か言いかけるが


おばさんが軽く肘でつつく



「はいはい、その話はまた今度」



リーサは少し不満そうにする


「えー気になる!」



でもすぐに笑顔に戻る



「でもね!これで私もみんな守れるよ!」



その言葉に


二人は一瞬だけ顔を見合わせる



そして、優しく笑った



「……無理はしなくていいんだよ」



「リーサは元気に笑っててくれるだけで十分さ」



リーサは少し考えてから



「でも、それだけじゃやだ」



小さく、でもはっきりと



その言葉は


どこかケーラと似ていた



遠くで、その様子を見ていたケーラは


静かに目を細める



(……似てきたな)



嬉しさと、不安が混ざったような感情



村は今日も平和だった



何も変わらない、いつもの一日



――少なくとも、この時までは

リーサは通りを駆け抜けると


今度は広場へ向かった



子どもたちが集まって遊んでいる


いつもの場所



「みんなー!!見て見て!!」



声に気づいて、何人かが振り返る



「リーサだ」


「またなんかやってる」



リーサは得意げに短剣を掲げる



「これ!ケーラから誕生日プレゼントでもらったの!」



一瞬の沈黙


そして――



「え、すごっ…」



女の子の友達が目を輝かせて近づいてくる



「かっこいい……リーサちゃんっぽい!」



「やっぱり似合うね、そういうの!」



リーサは嬉しそうに笑う


「ほんと!?」



別の女の子もくすっと笑う



「うん、なんか“守ってくれそう”って感じ」



その言葉に、リーサは少し照れる



「えへへ…そうなれるように頑張る!」



すると、横から男の子の声



「いいなぁーー!!俺も欲しい!!」



「ずるいぞリーサだけ!」



「なあそれ貸してくれよ!」



リーサは慌てて短剣を抱える



「だ、だめ!これは私の!」



男の子は頬を膨らませる



「けちー」



別の男の子が腕を組んでじっと見る



「ていうかさ」



少し意地悪そうに笑う



「女なのに剣とか好きなんて、変わってるよな」



一瞬、空気が止まる



女の子たちが「えっ」と顔をしかめる



リーサはその言葉を聞いて


少しだけ驚いた顔をする



でも――



「そうかな?」



あっさりと返す



「好きなものがたまたまこれなだけだよ?」



きょとんとした顔



男の子は一瞬言葉に詰まる



「いや…まぁ…そうだけどさ」



すると女の子が前に出る



「リーサちゃんはそれでいいの!」



「かっこいいし!」



「むしろあんたより強いでしょ?」



「うっ…!」



周りからくすくす笑いが起きる



リーサは少し困ったように笑いながら



「もう、ケンカしないでよ〜」



そして、短剣を見つめる



「でもね」



少しだけ真剣な声になる



「ちゃんと使えるようになるから」



「ケーラに教えてもらって」



「みんな守れるくらい強くなる」



その言葉に


周りの子どもたちは静かになる



風が少しだけ吹いた



「……ほんとリーサって」



誰かがぽつりと呟く



「リーサだよな」



意味はよく分からないけど


みんながなんとなく納得している



リーサはまた笑った



何も変わらない


いつもの広場



だけど


その小さな決意は


確かにそこにあった

ケーラ・ディレインは


戦うことが特別好きだったわけではない。

また、嫌いというのも違う



だが



生き残るための術は、誰よりも知っている



体の使い方

間合いの取り方

相手を見る目



それらは、あの襲撃の中で


嫌というほど叩き込まれたものだった



だからこそ



リーサにも教えることができた



「いいか、まずは足だ。動けなきゃ何も始まらない」



リーサは何度も転びながら


それでも食らいつく



運動神経は、特別いいわけじゃない


だが悪くもない



何より



覚えるのが早い



「もう一回!」



その言葉が止まることはなかった



そして現在



10歳になったリーサは


“それなりに動ける子”にはなっていた



村の大人たちも思っている



「まぁ、元気な子だな」


「ちょっと身軽で、覚えがいい」



その程度



“強い”なんて、誰も思っていない



――その日までは



村の外れ


小さな山道



リーサは一人、籠を持って歩いていた



「ん〜今日はいっぱい取れそう!」



木の実や薬草を集めるのは


いつもの手伝い



風が揺れる


鳥の声が聞こえる



いつもと同じ、静かな山



――そのはずだった



「……?」



ふと、足が止まる



何かがおかしい



音が、消えた



さっきまで聞こえていた鳥の声が


ぴたりと止んでいる



風の音だけが、不自然に響く



リーサの背筋に


ぞくりとした感覚が走る



(……なに、これ)



教えられたことが


頭の奥から浮かび上がる



“嫌な感じがしたら、止まれ”



リーサはゆっくりと周囲を見る



そして



草むらの奥



“それ”と目が合った



ガサリ



低く、重い音



姿を現したのは



リーサの身体の


およそ四倍はある巨大な獣



黒に近い毛並み


太い腕


地面を踏みしめるだけで伝わる重さ



クマに似ている


だが、それよりも明らかに大きい



「……っ」



声が出ない



獣の目が、リーサを捉える



“獲物”として



その瞬間



全身が理解した



(これ、やばい)



心臓が一気に跳ね上がる



足が震える



逃げなきゃいけない



分かっているのに



体が、動かない



獣が一歩、踏み出す



ズシン



その重さだけで


地面がわずかに揺れた



――殺気



それは初めて感じる


“明確な死の気配”だった



リーサの手は


無意識に短剣の柄を握っていた



(……どうする)



頭の中で


ケーラの声が響く



「逃げられるなら逃げろ」



「無理なら――」



その先は、まだ教わっていない



目の前の獣が


ゆっくりと口を開く



低い唸り声



逃げ場は、ない



そして



獣が、地面を蹴った

地面を蹴った瞬間


巨大な獣がこちらへ向かってくる



「っ……!」



リーサの足が、反射的に動いた



逃げる



全力で



枝を踏み、石を蹴り飛ばしながら


必死に走る



(逃げなきゃ……!)



心臓がうるさい


息が荒い



だが



ふと、頭をよぎる



(この先って……)



脳裏に浮かぶのは


いつも遊んでいる広場



友達たちの顔



「……っ!」



足が一瞬だけ鈍る



(このまま行ったら……)



あの場所に


この“化け物”を連れていくことになる



子どもたちがいるかもしれない



逃げることはできる



でも



それじゃダメだ



リーサの目が、変わる



走りながら、地面に転がる石を掴む



振り返る



距離は、もう近い



獣の足音が迫る



「えいっ!!」



全力で、投げた



石は一直線に飛び


獣の顔面へと当たる



ゴッ



鈍い音



一瞬の静止



そして



獣の目が、完全にリーサを捉えた



「……よし」



小さく呟く



狙い通り



標的は、自分



リーサはすぐに背を向け


進行方向を変える



村とは逆方向へ



森の奥へと走り出す



(こっちに来て……!)



足は震えている



怖くないわけがない



それでも



止まらない



後ろから


再び重い足音が響く



ズシン、ズシンと


確実に距離を詰めてくる



それでもリーサは振り返らない



ただ、前だけを見る



(みんなのところには……絶対に行かせない)



小さな背中が


大きな脅威を引き連れて


森の奥へと駆けていく

村での仕事を終えたケーラは


一人、森の近くを歩いていた



夕方の静けさ


いつもと変わらないはずの空気



――だが



ピタリと足が止まる



「……っ」



鼻をかすめる違和感



血の匂いではない


だが



“危険の匂い”



ケーラの目が鋭くなる



(……いるな)



次の瞬間


地面を蹴った



森の中を駆ける


枝を払い、最短距離で進む



やがて聞こえてくる



重い足音


木々を揺らす音



そして――



小さな足音



「……まさか」



視界が開けたその先



巨大な獣と


それに追われる、小さな背中



「リーサ!!」



叫びが森に響く



リーサが振り向く



「ケーラ!!」



その一瞬



獣が腕を振り上げる



鋭い爪


一撃で引き裂くための動き



「――っ!!」



だが



リーサの体が跳ねる



地面を蹴り


横にあった木へ



枝に向かって、跳ぶ



ギリギリの距離



手を伸ばし――



「っ!!」



掴んだ



そのまま体を引き上げる



下を、爪がかすめる



空気を裂く音



ほんのわずかでも遅れていれば


確実に終わっていた



だがリーサは


枝の上で体勢を整える



荒い呼吸


震える手



それでも



目は、獣をしっかり捉えている



獣が再び飛びかかる



枝を揺らし、牙を剥く



リーサは


わずかな動きでそれをかわす



足をずらす


体をひねる



最低限の動きで


攻撃を“外している”



(……見えてる)



恐怖の中で


それでも



“動きが分かる”



ケーラがその様子を見て


息を呑む



「リーサ……」



信じられないものを見る目



(すごい……)



(攻撃を……見切っている……)



ただ逃げているだけじゃない



“対応している”



まだ粗い


まだ危うい



だが確かに



自分が教えてきたものが


形になっている



その瞬間



枝がミシリと音を立てる



「……っ!」



限界が近い



下では獣が狙いを定めている



次の一撃は


避けきれないかもしれない



ケーラの足が


さらに強く地面を蹴った



「そこから動くな!!」



距離を詰める



間に合うかどうかは


分からない



それでも



間に合わせるしかない

ケーラの胸が、強く締め付けられる



仲間を失った


家族を失った



あの夜の悲鳴は


今でも消えていない



(もう……失いたくない)



リーサなんて、なおさらだ



傷ひとつ、付けさせたくない


危ない目になんて、遭わせたくない



強くなんて、ならなくていい



(俺が守るから)



それでよかったはずなのに



視界の先



枝の上で


巨大な獣を相手に


必死に、しかし確実に捌いている小さな背中



リーサ



血の繋がりなんてない


捨てられていた子



でも――



(関係あるかよ)



拳を強く握る



(あいつは……俺の娘だ)



(命を賭けてでも守る存在だ)



そのはずなのに



今、胸にあるのは


それだけじゃない



恐怖の中で


逃げずに


立っている



自分が教えた動きで


“戦えている”



(……やれるのか)



一瞬の葛藤



守るか


任せるか



そして



ケーラは、覚悟を決めた



「リーサ!!」



声が、鋭く飛ぶ



「そのまま――3歩下がれ!!」



リーサの目が動く



言葉が届いた



「視野を広くしろ!」



枝の上で


バランスを取りながら


リーサが後ろへと下がる



ギシ、と木が軋む



だが、落ちない



「いいか!!」



ケーラの声が続く



「攻撃には“意思”がある!!」



獣が吠え、跳ぶ



「ただ振り回してるように見えても、必ず狙いがある!」



リーサの呼吸が整い始める



「やみくもな動物の攻撃なんて――」



「怖くもなんともない!!」



その言葉に


リーサの目の奥が変わる



「現に今、お前は避けれてる!!」



事実



リーサは、避けている



ギリギリでも


確実に



「体勢を低く――!」



獣が再び腕を振り上げる



「潜れ!!」



リーサが動く



枝から、あえて低く身を投げる



爪が頭上をかすめる



着地



膝を曲げ、衝撃を殺す



「そして――」



ケーラの声が重なる



「カウンターを挟め!!」



リーサの手が


短剣を握る



恐怖は消えていない



でも



足は、止まっていない



教えられた通りに



体が、動く



「……っ!!」



一歩、踏み込む



獣の懐へ



振り下ろされた腕の“内側”



わずかな隙間



そこへ



短剣を――

鋭い爪が


一発、二発と振るわれる



空気を裂く音



だが



「っ……!」



リーサの体が沈む



さらに低く



限界まで体勢を落とす



爪が、頭上をかすめる



その瞬間



踏み込む



一気に懐へ



「はぁっ!!」



拳が突き出される



腹部へ



――ドンッ!!



鈍く、重い衝撃



全長3〜4メートルの巨体が


わずかに浮き



後方へと押し出される



「……っ!?」



リーサ自身も驚く



(入った……!)



だが



獣は倒れない



すぐに体勢を立て直し



咆哮とともに


再び突っ込んでくる



「まだ……!」



リーサの足が動く



次は


“待たない”



地面を蹴る



獣よりも速く



懐へ



「せいっ!!」



蹴りが


腹に叩き込まれる



ドッ!!



その反動を利用し


さらに跳ぶ



体が宙を舞う



一瞬の静止



そして――



「――っ!!」



振り抜く



顔面へ



クリーンヒット



バシィッ!!



乾いた音が森に響く



獣の頭が揺れる



その動きが



ピタリと止まる



「……」



リーサも、動かない



短剣を構えたまま



ただ、見据える



獣を



荒い呼吸



汗が頬を伝う



時間が


止まったようだった



10秒



20秒



――約30秒



互いに動かない



視線だけが交差する



やがて



獣が、ゆっくりと息を吐く



敵意が、わずかに薄れる



そして



一歩、後ろへ



さらに一歩



リーサから目を離さぬまま



静かに



森の奥へと


消えていった



「……はぁ……っ」



その姿が完全に見えなくなった瞬間



リーサの体から


力が抜ける



膝がわずかに震える



それでも



倒れない



立っている



ケーラは、その姿を見ていた



言葉が、出ない



ただ一つ



確信していた



(……こいつは)



(もう、“守られるだけの子”じゃない)



夕暮れの森の中



小さな少女が


確かに“戦った”痕跡だけが残っていた

獣の気配が完全に消えたあと


森の中に静けさが戻る



リーサの膝がわずかに震える



(……終わった)



その瞬間



「リーサ!!」



ケーラが駆け寄ってくる



リーサはびくっとして


思わず背筋を伸ばす



(やば……怒られる……)



短剣を握りしめたまま


視線をそらす



「ケーラ、あの、そのー……」



言葉が詰まる



「ご、ごめんなさ――」



その時



「リーサ!!怪我はないか?」



予想と違う言葉



ケーラはすぐに手を取り


ぐっと引き上げる



リーサは少し驚きながら立ち上がる



「だ、大丈夫……」



「だけど……」



言いかけると



「大丈夫なら良かった」



ケーラは、笑っていた



優しく


どこか安心したような顔で



リーサは目をぱちぱちさせる



(あれ……怒らないの?)



ケーラは軽く息を吐いて



「逃げようとしたけど」



「村の方に獣が行きそうだったから、おびき寄せたんだろ?」



リーサが固まる



「見てたの!?」



ケーラは肩をすくめる



「いいや、見てない」



「でも分かる」



少しだけ笑って



「何年一緒にいると思ってるんだよ」



「それに――」



ほんの少し、照れくさそうに



「俺は父親だぞ」



リーサの顔がゆるむ



一瞬の沈黙



そして



「クスッ……」



小さく笑いがこぼれる



「アハハ!!」



さっきまでの緊張が嘘みたいに


笑い声が森に広がる



ケーラは少し戸惑う



「そ、そんなおかしいこと言ったか?」



リーサは笑いながら首を振る



「ううん、なんか……安心した」



そう言って


少しだけ近づく



ケーラはその様子を見て


ふっと目を細める



(……ほんと、強くなったな)



さっきの動き


判断


覚悟



全部が


想像以上だった



そして同時に



(このまま村だけじゃ……)



その力は


収まりきらない



少しの沈黙



風が木々を揺らす



ケーラがぽつりと口を開く



「なあ、リーサ」



リーサが顔を上げる



「ん?」



ケーラは一瞬だけ考えてから



「……少し、話がある」



その声は


さっきまでとは少し違っていた



優しさの中に


ほんの少しだけ


“真剣さ”が混ざっている



リーサはそれを感じ取って


自然と表情を引き締める



「なに?」



ケーラは空を一度見上げてから


ゆっくりと視線を戻す



何かを決めたように



そして――

ケーラは少し間を置いてから口を開く



「……少し、真剣な話なんだが」



リーサは首をかしげる



「なに?」



ケーラはゆっくりと言葉を選ぶ



「この世界にはな」



「魔法、武力、知識……いろんなものを学べる場所がある」



「ただの訓練じゃない」



「戦う力も、生きる力も、全部だ」



リーサの目が少しずつ輝き始める



「そんなとこあるの?」



ケーラは小さく頷く



「アルディア・オールターズ学院っていう」



「年齢は関係ない」



「実力があれば、誰でも道が開ける場所だ」



リーサは驚きと興味が混ざった顔になる



「へぇ……」



ケーラは続ける


第3章


「勇者を育てたこともある」



「魔法使いも、剣士も、いろんなやつがそこから出てる」



少しだけ視線を逸らす



「……お前なら、もっと伸びる」



その言葉は


静かだけど、確信があった



リーサは一瞬だけ黙る



さっきの戦いが、頭をよぎる



(もっと……強くなれる?)



ケーラはリーサを見る



「無理にとは言わない」



少し優しく



「どうだ?」



「行ってみたいか?」



森の風が、二人の間を通り抜ける



リーサは


少しだけ下を見てから



短剣を握り直す



そして



顔を上げた

リーサは少し考える



「んー……」



森の静けさの中


風が揺れる



「んー、、、学校へは〜……」



ケーラはじっと待つ



そして



「うん!行かない」



間があった分


思わずケーラが吹き出す



「随分と溜めたな笑」



リーサは肩をすくめる



「私はさ〜」



「興味があって、やってみて楽しいことをやってるだけだし」



「特別強くなりたい!ってわけじゃないんだよね〜」



「強くなれたらいいな〜くらい」



少し曖昧で


でも、リーサらしい答え



普通なら戸惑う言葉



だが



ケーラは笑った



「そうか!良かった〜」



リーサが驚く



「え!?」



ケーラはどこか安心したように



「いや、だって行きたいって言われたら」



「離れ離れになるところだったからな」



リーサは一瞬ぽかんとして



「もう、寂しがり屋だなケーラは笑笑」



くすっと笑う



そして少しだけ空を見て



「でも……」



「ちょっと興味は湧いたかも」



ケーラを見る



「ありがとう」



ケーラは少しだけ目を細める



「……ああ」



二人は並んで歩き出す



夕焼けの中



帰る場所は同じ



それだけで十分だった



――だが



その選択が



数年後、大きな意味を持つことになる




あれから5年後



同じ森



だが



そこにいる少女は


もう“あの頃のリーサ”ではなかった



木々の間を走る影



速い



人の動きではない



枝を踏み


空中で体勢を変え


音もなく着地する



「……遅い」



低く、落ち着いた声



その視線の先には


かつて自分を追い詰めたような猛獣



だが今は



“狩られる側”が違う



リーサは一歩踏み出す



風が揺れる



身体能力は、もはや常識外



無駄のない動き



そして



腰に差した短剣



あの時、もらったものとは違う



だが



“始まり”は同じ



さらに



指先に淡い光が灯る



簡易的な魔法



生活の中で覚え


独学で磨いたもの



戦闘用ではない



だが



「使い方次第」



それがリーサのやり方



「……来るなら来なよ」



構えは自然体



だが隙がない



その姿は



村の少女ではなく



“戦える者”のの動きだった

春の風がゆっくりと校舎を抜けていく


新しく建てられた中学校


まだ木の香りが残る廊下



窓際



リーサは頬杖をつきながら外を眺めていた



「はあー……」



ぽつりと漏れたため息



その横から、ひょこっと顔が覗く



「どうしたの?ため息なんてついて」



カナリエだった



リーサは少しだけ視線をずらす



「だってさ〜…もう卒業だよ?」



指先で机をトントンと叩きながら



「やりたいことなんて、これといったの無いしさ〜」



カナリエは少し意外そうに目を丸くする



「リーサにしては珍しいんじゃない?」



腕を組んで、じーっと見る



「いつも“あれやりたい!これやりたい!”って」



「好奇心いっぱいな子って思われてると思うわよ?」



リーサがピタッと止まる



「えっ、そうなの!?」



勢いよく振り向く



カナリエは吹き出す



「気づいてないの?笑」



リーサは少しだけ考える



「えー…そんなつもりなかったんだけどな〜…」



窓の外を見る



風に揺れる木々



その向こう



ずっと続く森



「……でもさ」



少しだけ真面目な声



「なんか、“これだ!”っていうのが無いんだよね」



「やりたいことはあるけど」



「どれも“決める理由”にはならないっていうか」



カナリエは少しだけ表情を変える



「……怖いの?」



リーサは一瞬だけ目を細める



「んー…」



少し考えてから



「怖いっていうより…」



「決めたら、それ以外できなくなりそうで」



静かな本音



カナリエはふっと笑う



「欲張りなんだね」



リーサも小さく笑う



「かもね」



その時――



コンコン



教室のドアがノックされる



「失礼する」



教師が入ってくる



だが



その後ろに



“見慣れない人物”が立っていた



黒を基調とした装い



この村では見ない雰囲気



教室の空気が、少しだけ変わる



「今日は、外部からの来訪者がいる」



ざわつく教室



その人物の視線が



ゆっくりと



“リーサで止まる”



――違和感



理由は分からない



だが



リーサは、無意識に感じ取る



(……なんだろ、この感じ)



その瞬間



物語が



“動き始める”


第2話ご覧頂きありがとうございます。

第2話は少し長めに文字を埋めたのですがどうなんでしょうかね?

投稿頻度に関しては、熱しやすく冷めやすいタイプなので未定です。

ちょくちょくやっていきます!

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