11話 伝説の実力
翌日
伝説の勇者一行による訓練最終日
勇者ミリヨノから下される訓練は簡単なもので、実に最難関であるようにも思えるものである。
昨日の放課後
「明日の俺がやる訓練、どんなものにするのが良いか、、、」
自分もクロードから学びを受けた身として、Fクラスに何かしらのきっかけや良い刺激を与えてあげたいという気持ちを持っていた。1番良いのは自分の実力を見せて、仲間たちのように生徒と一緒に実践させたりするなどを考えていたが、ふとリーサという少女について思い出す。
あんな子がここにいるのか?あれほどの実力を隠して入学したのか?将又なぜあの歳であの強大な魔力を占めている?
考えれば考えるほど、その疑問が彼の好奇心と探究心を擽る。
そこに、
「迷っているなら俺から明日の訓練について提案させてもらうぞ」
「クロード先生!」
こうして伝えられたミリヨノの訓練。
それは、
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ミリヨノの訓練
「俺から下す訓練はひとつ、、、」
クラス全体に緊迫した空気が流れる。
どんな恐ろしい訓練なのか、生きる伝説と呼ばれた男がどれ程までに俺たち、私たちを壊しに来るのか、色んな想像ができてしまう。そして明かされた訓練内容
「訓練は、、、俺を全員で倒して見せてくれ!」
・・・・・・・・
クラスは呆気にとられる。
そしてそんな頭の整理をする暇もなくクロードが追い討ちにかかる。
「ただし、クラス30人程度が相手だ。俺とミリヨノの2対クラス全員だ!」
・・・・・・・・
「えええええええええええーーッッ!!!???」
ルールはこのようにミリヨノ&クロードVSクラス全員
・魔法や武力、剣術を用いたなんでもあり
・ミリヨノ、クロードを場外または倒せば勝利
2人から言われたルールはこれだけである。
「クラス全員でなら、もしかしたら…」
「いや!?相手は魔王倒した勇者とその師匠だぞ!!」
「私たちクラス全員でかかったって…」
色んな意見が飛び交う中、この条件の訓練に大いに納得し、モチベーションが上がっている者が一人居た。
「やろう!!」
リーサはみんなのこれから来る雨雲のような黒い影を一筋のひかりのごとく発した。
「正気か!?勝ち筋はあるのか?」
「なにも」
「じゃあ作戦は?」
「無いけど、」
全員呆気にとられる。
この場において、いくら訓練とはいえどこのタイミングでこんなめちゃくちゃなことを言ってきた奴に少しでも希望を抱いてしまうなんて…
「別に負けても良くない?」
リーサは言いたいことを全員に言われる前に口を開く。
「勝つか負けるかなんて今は関係ない。勇者と戦えるなんてもう無いかもしれない。こんな機会滅多にないよ。
それに、さっきは勝つか負けるか関係ないって言ったけど、
私は負けるつもりはないよ」
サウスはニヤつく。
この場でこうも全員の精神的な主導権を握り、普段のような普通のポジティブなヤツという印象とは裏腹の無自覚なカリスマ性
「サウス!お前なら…」
「俺はやるぞ、そして勝つ!」
カナリエは静かに笑った。
私の親友はこういう時にすごく
『カッコイイ』
カナリエはクラス全員にバフがかかる結界を発動する。
そして、
「もうやるしかないわよ、この2人、1度言ったら聞かないから!」
そして2人はやる気に満ちた目で攻撃体制に
クラスは少しずつ変化していった。
先程のまでの負のオーラそれが、1人の少女によって打ち消されている。
「これは…」
ミリヨノには、1人の少女が大勢の大群を一斉に味方にしたように見えた。
クラス中がひとつになる。
どんな強大な強さも、なにか惹きつけるものを持っている者はいかなる場合も最も強い力を発揮する。
「よし、やれるだけやってやる!!」
「私だって!」
「俺も乗った!!」
勇者ミリヨノの訓練開始!!
その瞬間リーサは速攻でミリヨノの目の前に移動
地面を蹴り、その動きを捉えたものは1人を除いて居ない。
ドンッ!!!
カナリエの結界により身体能力が上がる上に身体硬化の魔法を付与
拳は鋼よりも硬くなる。
ぶつかると同時にミリヨノはリーサと同じことをし、片手で止めて見せた。
ギイィィーーー!!!
鈍い音、まさに強大な力どうしのぶつかり。
「はあぁぁッ!!」
パンチを連打!2発、3発…10発、20発…
ミリヨノは片手だけで防ぐ。
が、
最後に放たれたのは上体を倒した強烈な蹴り。
ミリヨノの視界からリーサが消えすらっとした綺麗な脚からは想像できない力を感じる蹴りがミリヨノを襲う。
そこに、
「ストリーム・アロー!」
クロードの声が飛び、無数に放たれる光の矢のようなものが飛び交う。
リーサは1つの矢をミリヨノに放とうとした蹴りで防ぎ、体制を直し1歩大きく下がる。
その後も氷魔法で壁を作ったり、腕を振って氷の粒によって矢から防いだ。
「続くぞ!!」
サウスが声を上げ、一斉に襲いかかる。
クラスメイトが魔法などを使い、ミリヨノ、クロードを追い詰めるが、キャリアを詰んだ2人はいとも簡単に攻撃を交わす、守る行為をした。
そこでサウスは自分の剣に魔力を纏わせる。
彼の体から湧き出るオーラは凄まじく、全員が今からすることを理解し攻撃は続けるが、サウスが走り出した瞬間に全員退いた。
そして、
大きな一撃、件を振るう
『断空の絶閃 / ヴォイド・カッター』
真空の刃に魔力を乗せ、視認できない速度で遠くの標的を両断するサウスのとっておきでもある。
クラス中がサウスに期待し、これならやれるのでは?と全員が盛り上がる。その攻撃は2人に届きクロードがバリアを張り防ぐが、ヒビが割れて攻撃が届いた。クロードは驚いた。
と、その時!!
「はぁっ!!」
ミリヨノの懐にしまわれていた剣が抜かれ、その斬撃とサウスの剣が止まる。
「俺に剣を抜かせた。見事だ!!」
そして押し返し、剣と剣が離れた瞬間、サウスと同じようにミリヨノは剣に魔力纏わせ横に振るわせた。
とてつもない衝撃波とその威力はまるでハリケーンが直撃したのではないかと思わせるほどの災害規模だった。
サウスは遠くへ吹っ飛ばされるが衝撃波は止まらない。
「サウス!?」
カナリエが叫んだ
クラス全員サウスの状態に言葉が出ない。
「(サウスという男もまたここにいる生徒と比にならない力を持ち合わせている。だが、圧倒的勝ち目のない的に出くわした際、お前はどうする。俺が今やれるべきことは厳しいがこのような経験を皆に味わってもらうこと。この経験がいつか大きなものになると信じるしかない。
さぁ、どうする?)」
ミリヨノは考えている。自分のスピードならサウスをまだ助けられる。この刹那のような時間でも俺の実力があれば、、怪我をせずに済む。
どうする。
その時、
サウスの飛ばされるさらに背後にリーサが一瞬で移動していた。
リーサの周りには白く光るオーラがはっきりと見えており、サウスを止めた。空中浮遊によって飛んでいるリーサはサウスを抱え転移魔法でみんなの近くの地上に移動させる。
「転移魔法だと!?」
クロードは生徒にこんな簡単に転移魔法が使えることに驚愕した。
転移魔法は操作が複雑で覚えるのに人によっては5年以上かかる者もいる。15歳の少女がこうまで規格外なのは歴代でも初めてである。
「勇者に剣を抜かせるなんて、さすがサウス!」
「…ち…がう、それしか俺はまだできていねぇ…」
「ナイスだーサウス!!」
「私たちがヒールを使うわ!」
「お前がやってくれた分俺たちが守るぞ!」
サウスにとって予想外のみんなの言葉に目を丸くする。
「まぁまだ元気そうね!でも一旦前戦したんだから休みな」
カナリエは笑いながら言う。
そしてサウスは少し間が空いて笑った。
「案外、友達が多いようだな…俺は」
この戦いを得て、ここまでの強さなのかとミリヨノの実力を改めて知るサウス。仲間たちの強さは半端ではなかったが明らかに次元か違う。
これが、英雄や伝説と呼ばれる本物の勇者。
リーサはどう立ち向かうのか。




