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マジカル☆ベリー番外編 籠の中の触手

少女の望まぬ英雄譚番外編、アルベランシリーズは十三という不吉な数字を避けるため、未完のまま完結という形になりました。

悪いクレィシャラナ(蛮族)を正義のアルベラン(蛮族)が打ち破り、多くの人々の上に君臨する、という物語は実に実に野蛮です。

対話ではなく剣を手に、暴力で全てを解決する。

理性と平和を尊ぶ時代に逆行するような、なんとも野蛮な物語。

一人の創作者として、自分が書くべき物語は本当にそのような物語なのだろうか。

そう考えるとどうしても、続きを記す指先に迷いが生じ、先へ進めず。


――ぴぴんとひらめきが舞い降りたのは、まさにそんな折りのことです。


一体、自分は何を描きたいのか。

言葉にすれば単純ながら、創作者にとってはとても奥深い問いであります。


それはAでありながらBでもあり、CからZであるとも言えるでしょう。

場合によってはそこに数字が入り、奇怪な記号が加わったり加わらなかったりもするのかも知れません。

Aというものを描きたいけど、やっぱりFも欲しいよね、数字の3も加えちゃおう等々、事実として少女の望まぬ英雄譚という物語はそのように出来上がりました。

百合小説のわりにやたらと目立つおじさん達もそうした過程で生まれた一部――時折、自分が本当に描きたかったものは『おじさん百合サンド』であったのではないかと思うほどに、気づけば指が綴るはおじさん達。

ですが、ぴぴんと舞い降りたひらめきは、実にあっさりとそれを否定しました。


物語を綴る過程で無意識に生まれる何か。

そこにこそ、本当に描きたかったことが混じるのです。


本作の『百合百合☆ハッピーエターナルエンド☆』というべき実に阿呆そうな結末もまた、その一つ。

愛と幸福の着地点として少女達は楽園へと辿り着きましたが、しかし、私が本当に描きたかったのは少女達ではありません。

一切の穢れもない純粋無垢なる存在が、そうして出来上がった少女達の楽園に招かれる――そのような物語こそを描きたかったのです。


ここまで語れば皆様もぴぴんと来たことでしょう。

そう、触手で(




というエイプリルフール番外編になる予定の品でした……(二敗目













太陽が昇るより前の深夜三時。

倉庫から現れ体をくねらせるのは一匹の触手であった。

月明かりを触手の一本一本に浴びせるように、全身をくねらせている。

周囲から無数の触手が寄ってきては全身の触手をくねらせ、何かを伝えていた。

我々は彼――にゅるるんに近づき、声を掛ける。


――おはようございます、早いですね。


『おはようございます。元々夜行性ですから、日の出前に行動し始めることが多いですね。私はベリー様からリーダーを任されておりますから、夜班からの伝達事項なんかも聞いておく必要がありますし』


――夜班?


『小さな子達は太陽にも弱いですし、その子達の面倒を見たり、妖魔を狩ったりするのが夜班の仕事ですね。ベリー様や姫様達がゆっくりとお休み出来るよう、周辺の警戒にも当たります。各地にいるグループ外の群れとの外交なども基本的に彼らの仕事ですね。ほとんどの触手は夜班です』


彼は無数の触手を器用に操り答えた。

彼らは触手の動きを組み合わせたにゅるるん語(※テロップ:にゅるるん語は彼の名前に由来する。)と呼ばれるものを用いる。

触手一本一本が異なる周波数の魔力震動を発生させることが出来るため、触手同士であれば目で見ずとも直感的に意味が伝わり、それほど不便はないらしい。

ただ、だからと言って一切見る必要がないかと言えばそうでもなく、そうした触手話(※テロップ:触手を用いた手話。)はわずかな動きの違いで感情を表現する。

微妙なニュアンスなどは魔力振動だけでは伝えることが難しく、彼らの中で対話は向かい合って行なうのが良しとされているようだ。


これまで意思疎通は困難。

偉大なる女王陛下とマジカルベリー、マジカルクリシェの三人しかにゅるるん語を理解出来ておらず、対話の際には筆談やタイピングでやり取りをすることになっていたのだが、今回はマジカルクリシェが発明した『にゅるりんがる』のおかげでスムーズに会話が行えるようになった。


現在は偉大なる女王陛下が制定されたB型触手保護法を記念し、王国マジカルテクノロジーより特別価格。

お求めやすい『さんきゅっぱ』、3万9800クレジットで販売予定。

今なら予約特典で魔法少女達の可憐なフォトが三枚ランダムでついてくる。

是非この機会に手に入れよう。


『昼班はベリー様達のお側に侍り過ごす、選ばれた一部の触手だけの仕事です。ベリー様達はお優しいですから、私を含めて何匹かの触手には家族や妻を連れて来ても良いと仰って下さるのですが、あまりぞろぞろと行ってもご迷惑でしょうから、基本的には十匹程度……毎日お側で過ごさせていただいているのは私だけですね』


――なるほど。特別な存在なのですね。


『いえ、私が特別……という訳ではないのです。あの日偶然、クリシェ様に拾っていただけなかったなら、私は路地裏の触手としてみじめに死んでいたでしょう。私はどこにでもいる触手の一匹です。……私がこのような立場になったのもそのような巡り合わせあってのこと。特別と言うならば、出会った頃から優しく、深い愛で我々に接してくれている皆様のことでしょう』


彼は触手をくねらせ告げると、目を潤ませた。


『申し訳ありません。少し涙脆いのが悪いところで……出会った頃を思い出すだけで思わず』


――過酷な日々だったのですね。


彼は頷き、語る。

か弱い触手として生まれ落ちてからの日々を。

百年ほど前、隕石によって外宇宙から飛来した彼らは、日の当たらぬ場所でひっそりと暮らす平和な存在。

争いごとを嫌って、家の軒下や配管の中などに身を寄せ合って生活していたらしい。

しかし突如現れた魔王ギルギルによる地球侵略により、その平和は奪われた。


彼らの一部があろうことか、魔王ギルギルに惑わされ、その手下となってしまったのだ。

愛と平和を重んじる触手達がどうしてそのようなことを。

多くの触手達には疑問であったが、当時のマジカルベリーは魔王ギルギルが生み出したという野蛮で触手の風上にもおけないA型触手(※テロップ:個々が縄張りを持つ非社会性触手を示す。)と戦っていた。


恐らくは、その戦いに偶然巻き込まれた結果の不幸であったのだろう。

とはいえ、一度始まった以上、もはや戦いは避けられないもの。


マジカルベリーは襲いかかる彼らを敵と見なし、そして触手達も仲間達に刃を向けるマジカルベリーを敵と見なした。


魔王ギルギルが倒される日まで(※テロップ:劇場版マジカルベリーDVD三本セットは現在、定価1万6000クレジットで発売中。)その戦いは続いた。

そして戦いが終わった後も、魔王ギルギルと対立関係にあった退魔師に敵と見なされ、隠れ住んでいた彼の両親は触手狩りに。

そうして彼も、路地裏の触手として生きることになったのだという。


この星では奇妙で特異なその容姿。

彼らを目にしてパニックを起こした人間からの暴力を受けることが多く、人目を避けるように山中を住処にしていた彼らであったが、退魔による触手狩り。

退魔達の魔力感知を逃れるため、木を隠すには森、と市街地に紛れ込むように身を隠す事になったという。


当時幼かった彼はまともな食糧も得られず、日々の糧も満足に得ることは出来ず、夜に軒下から抜け出してはアスファルトの隙間に生えた雑草を食べて過ごす日々。

そんな折りに出会ったのが、彼らが姫と慕う、マジカルクリシェであった。


『雑草を食べている最中、視線を感じて固まってしまいました。人に気付かれたら殺されるのだと、同じように暮らす多くの触手達にも聞かされていましたから。……ですが、クリシェ様は私を見て驚く様子もなく、袋からクッキーを取り出し、私に差し出したのです』


彼は懐かしむように月を見上げて語る。


『恐る恐ると受け取り、口にしたあのクッキーの美味しさは忘れられません。思わず涙が零れてしまうと、クリシェ様は優しく撫でて下さいました。何かを仰いながら……恥ずかしながら、当時は人の言葉も分からなかったのですが、身振り手振りで喜びを伝えました』


そのつぶらな一つ目は、涙で潤んでいるように見えた。

B型触手は一度受けた恩を決して忘れないという。


『人間はペットとして他の生物を飼うことがあるようで……この星では奇異な見た目の私を気にもせず、まるで子犬か何かのように、お手やお座り、などとジェスチャーを。私も同胞以外で、生まれて初めて優しく接してくれるクリシェ様へどうにか感謝の気持ちが伝わらないものかと、あれこれ考えて……にゅるるん、という名前を付けていただいたのもその時のことです』


目を閉じると、彼は触手でその目を拭う。


『それから、セレネ様と女王陛下が現れ、ベリー様が……皆様困惑されているようでした。後で事情を知れば当然でしょう。本来は敵同士……しかし、対話共存の道があるとお考え下さり、私を連れ帰り……そこでの生活が当時の私にどれほど幸せなものであったか、その感謝と喜びを伝えるには、この触手が何万、何億本あっても足りません』


そして再び、彼は月を見上げた。

まるでそこに、何かの姿を宿すように。


『私の生は、この方達に尽くし、捧げるためにあるのだと、そう思いました。この触手は、あの方達が歩く道先の障害を取り除くもの……それが小石の如きであっても。その笑顔のためならば、死さえも些末事。今はそういう心持ちで、あの方達にお仕えしています。……無論、お優しい方達……感謝など求めてはおられぬのでしょうが、それが触手の流儀。こればかりは曲げられません』


彼や触手達とマジカルベリー達が出会い、絆を結んでいく心温まる物語、『魔法少女マジカル☆ベリーReincarnation+N』シリーズはフェアリープライムビデオで配信中。

この機会に是非チェックしよう――


「――あの、さっきから販促がやたらと多すぎない?」


先ほどからリビングで垂れ流されている、『触手達の流儀』なるドキュメンタリーを眺めつつ、セレネが呆れたように告げる。

毎度の如く、困り顔を浮かべたベリーの胸の上でふんぞり返っていた羽虫は腕を組み、眉をひそめて口にした。


「これくらいは普通ですわ、マジカルセレネ。B型触手保護法に伴う諸経費を賄うには色々と稼がなければなりませんの。これでも控えめなくらいですわ」

「これで控えめならあなたの普通は本編の半分くらいが販促で埋まりそうね……」


クリシェはいつもの如く、ベリーに肩を寄せつつすやすや寝入り、その膝の上にはにゅるるんが恐縮した様子で座って(触手を折りたたむ正座である)いた。

そして更にその隣にいるのは、ベリーと同じく和装の女性――アーネ。

彼女もまた恐縮した様子でそわそわとセレネの様子を伺っている。


「そんな細かいところはどうでも良いのですわ。これで理解したはず……わたくしは私利私欲のためにマジカルセレネをこき使おうと考えてる訳ではありませんの。妖精と人間、そして触手達の共存のため、常に未来のことを考えて頭を悩ませているのですわ」

「徹頭徹尾私利私欲でしょ。クリシェにただ同然で作らせたにゅるりんがるが3万9800クレジットってどういうことなのよ」


溜息も出ないとはこのことである。

マジカルベリーシリーズを切っ掛けに、妖精の国では前代未聞の触手ブームが到来しているらしいと聞いたのは数年前のこと。

物珍しさから来る一過性のものだと思われていたようだが、意外や意外。

見た目に反して心清らかで善良な生き物として知られるほどに、そのギャップが堪らないというファンが急増。

セレネ達が時折やらされている動画チャンネルでは、初代魔法少女マジカルベリーを差し置いてにゅるるんが登録者数ナンバーワン。

触手の団らんシリーズなどという、触手達が和やかに触手を揺らしながら食事をするだけの動画が数千万回は再生されていた。


このブームを商機と見たクレシェンタは各種グッズに飽き足らず、ホームステイという名目でペットとしての輸入を企み、言いくるめられたクリシェによって十秒ほどで開発されたのがにゅるりんがるというネックレス型翻訳機。

無から有を作り出すという、いつも通り理解の範疇を超えたマジカルクリシェの力の産物である。


まるで大当たりのパチンコからあふれ出す玉の如く、じゃらじゃらと生み出されたにゅるりんがるの価格は驚きの39800クレジットである。

フェアリークレジットの価値は概ね円と変わらず、4万円相当。

強欲もここまで来ると清々しかった。


「一つの商品が消費者の手元に届くまで、どれほどの妖精が関わっているか知らないからそんなことが言えますの。あなたはもう少し経済というものを勉強なさるべきですわ」

「あなたはもう少し倫理や道徳というものを学ぶべきじゃないかしら」


基本的に人を疑うことを知らない善良な触手達。

ペットとして飼われることには前向きであったが、流石に飼われた先で酷い目に遭う子が出たら夢見が悪いと、触手保護法を制定させたのは去年のこと。

それでは購買層が限られすぎて商売にならないなどと散々文句を垂れたクレシェンタであったが、その補填に搾り取れるところから搾り取る気であるらしい。

存在の九割五分が悪という概念で出来た羽虫である。


「ともかく、細かいところは良いとして。マジカルセレネ、あなたが先ほど言った言葉を思い返すべきですわね。ご覧の通り、わたくしは触手達のイメージアップにきっちりと力を注いでますわ」

「……商売目的が九割九分とはいえ、まぁ否定出来ない部分ね」

「この番組はほんの一例……次のドラマもまた、美しき妖精達の暮らしに触手という心清らかな隣人を添えることを目的とした、そういう優しい提案の物語ですの。そうでしょう、アーネ様?」


水を向けられたアーネは、びくっ、と肩を跳ねさせつつ、緊張した様子で頷く。


「は、はい……現在は卑猥な価値観ばかりが蔓延る、触手と百合という組み合わせに新たな価値観を提示する……そういうテーマの意欲作です。女王陛下の仰るとおり、妖精の方達と触手の方達を繋ぐ一つの指標となるような、そういう物語に出来れば良い、と」


アーネは険しい顔で首を振る。


「世の中には触手と言うだけで卑猥な光景を想像する方が少なくありません。無数の触手達と日々和やかに、健全な日々を過ごされる皆様に対し、口に出すのも憚られるような、破廉恥極まりない、退廃的な妄想をしてしまう方も中にはいるとか……何と嘆かわしいことでしょう」


度しがたいとはこのことです、などとやや頬を赤らめつつ、アーネは続けた。

そんな彼女を見るセレネの眼には、何とも言えない疑念が宿る。


数々の人気作を生み出した天才作家、栗須アリネ。

ちょっと大人なその作品のいくつかにはセレネも目を通していたのだが、その正体がアーネと知り、様々な疑問が氷解した。

大抵出てくる童顔の女性。

そして一人称が名前の少し幼い少女とお嬢さま。

微妙に立場や役割を変えつつ、奇妙な一致――自意識過剰だと気にしないようにしていたのだが、しかし著者がアーネでモデルが自分達だと聞けば異様なほどに納得があった。


お隣さんとして小さな頃はよく遊んでもらっており、その頃は優しいお姉さん、と素直に慕っていたのだが、子供心にも分かる変な人。

異様なほどベリーに憧れているのが傍目から見ると良くわかり、ベリーの影響で花や料理に目覚めたり、和服を着たりとあれこれベリーの真似をしていた。

ベリー本人は自分のこととなるとやたら鈍感――自分の影響でそういうものに目覚めたというなら良いことだ、という認識であったが、どちらかと言えばただのまねっこ。

腰の低い父親が、度々申し訳なさそうに謝っていたのを覚えている。


ベリー自身は気にしておらず、母もあの子には丁度良いと笑っていたこともあり特に問題にはならなかったのだが、中々に困った変な人。

基本的に善良で純粋、若干犯罪レベルで愛が深いという欠点(大分致命的)こそあれど、悪い人ではないというのが救いだろう。

母が亡くなった時期には何かと世話を焼いてもらっていたし、感謝もしているのだが、しかし。


セレネ達をモデルにあのちょっと大人な物語の数々を裏で記していたかと思えば、何とも言葉にしづらい感情があった。

とはいえ、知らずとはいえ彼女の作品をこれまで散々楽しんで来たことは事実――それに関してとやかく言う気持ちも起きない。


「とりあえず、そういうドラマを作るのは構わないし、わたしをモデルにしたいというのも今更もはやという感じ。駄目だなんて言うつもりもない。でもね、いくらぴったりだからってわたしがキャストはどう考えても無茶よ」

「そんなことはありません! マジカルベリーシリーズには全編目を通しましたが、セレネ様の演技力は本職の方と比べても見劣りしません。流石にわたしも、セレネ様が正真正銘の素人というのであれば考えましたが……」

「これに関して言えばアーネ様に一理ありますわね。マジカルセレネ、あなたも今では芸歴6年……十分に女優を名乗って許されるレベルですわ」


何が芸歴よ、とうんざりしたように羽虫を睨んだ。

世界平和のために魔法少女としての義務を果たせ、などと普段は口にしながら、今度はそれを芸歴扱いである。

コロコロと言うことの変わる都合の良い口であった。


「そうですね。実際、最初の頃に比べると、お嬢さまの演技も随分――」

「……余計なこと言わない。あなたやっぱりこの羽虫から賄賂か何かをもらってるでしょ。この羽虫の味方ばっかりしてる気がするんだけれど」

「賄賂だなんて、疑心暗鬼は良くないですよ。あるのは優先順位の違いくらいで……」

「どう考えても横暴な羽虫を優先する理屈があるなら聞いてみたいんだけれど」

「だって、勿体ないではないですか」


睨み付けたセレネに対し、ベリーはあっけらかんと告げる。


「確かにクレシェンタ様はわがままで理不尽でございますが、ある意味ではそのおかげで、自分一人なら絶対にやらなかっただろうことをしたりして。自分の世界や常識に閉じこもっているだけでは、見えないものは多くあるもの……にゅるるんのことだってそうではありませんか?」


ベリーに撫でられたにゅるるんはうねうねと体中の触手を嬉しそうに揺らす。

本来であれば可愛いへの冒涜というべき不気味極まりない動きであったが、今では妙な愛らしさを感じる辺り、相当セレネも毒されていた。


「退治すべき触手と頑なであれば、こうしてにゅるるん達と楽しく暮らす今の日々はなかったわけです。魔法少女でなければシェルナ様達と楽しくバーベキューをすることもなかったでしょう」


ベリーは指で机の上――そこに置かれた企画書の束を示して微笑んだ。


「確かにドラマとなれば相応の苦労もあるでしょうが……ですが直に触れて感じてみれば、ほんの少しであっても見える世界は変わって、広がるもの。未知の世界に踏み出す一歩は新たな出会いに繋がったりするのかも知れません。……そういう機会を些細な理由で手放してしまうよりは、やって試して駄目だった、とみんなで笑う方が楽しい生き方なのではないかと」

「……あなたって一周回って脳天気よね」


何をやらせてもあっという間に超一流。

人にコンプレックスを植え付けるためだけに生まれてきたのではないかという天才ベリーであるのだが、なるようになれと言わんばかり。

時折凄まじく行き当たりばったりであった。


あれこれと頭を捻って出す結論が基本的にクリシェと変わらない辺り、やはり似た者同士――違いと言えば一周するかしないか程度で、根本的なところで脳天気。

無駄に有り余る才能故の無自覚な傲慢さと言えるのかもしれない。


「何かと器用なあなたにとっては相応の苦労で済むかも知れないけれど、普通の人間にはそうじゃないの。マジカルベリーはまだいいわよ、メインは戦闘で演技もシンプルだし。でも今回のも結局、鳥籠みたいなドラマなんでしょ?」


企画書を手に取り、ぱらぱらとめくりながら告げる。

鳥籠というのは四人の女性が繰り広げる、大人気お屋敷恋愛ドラマであった。

セレネとベリー、クリシェをモデルにしたらしい三人ともう一人、この家で飼われるピンクの小鳥から着想を得たらしいわがままなお嬢さまが繰り広げる、ドロドロとした恋愛模様を描いた物語。


先日まではそんな鳥籠の妖精バージョンを作ると豪語していたのだが、これではセレネを説得出来ないと考えたのか方針転換。

鳥籠という物語に触手というペットを加えてアレンジ、あくまでにゅるるん達B型触手の魅力を伝えるためのドラマにしたいと言い出していた。


取って付けたような言い分である。

そんな口から出任せを誰が信じるか、とセレネが訴えた結果、様々な資料と共に見せられているのが『触手達の流儀』。

B型触手の善良かつ穏やかな生態を伝えるための宣伝番組であった。


九割以上は妖精達にペットとして触手を購入させるためとはいえ、確かにこの羽虫はにゅるるん達のイメージアップ活動を随分熱心に行っているらしい。

セレネを言いくるめるためだけの取って付けたアレンジと切って捨てるには、企画書自体あまりに本格的であった。

軽く目を通せば、まるで触手の保護が全人類、全妖精の使命と言わんばかりの美辞麗句が並べられている。


「……強欲なこの羽虫のことはひとまず置いておいて」


セレネはそれを見ながら嘆息する。


「この企画やドラマ自体は否定しない。触手という良き隣人の姿を、多くの人に届けたいという試みは、わたしもその……」


口にしながら、これほどに抵抗感のあるセリフもあったものであろうか。

触手という良き隣人、という言葉を平然と口にした自分に戸惑いを隠せず、様々な感情を振り払うように咳払い。


「と、ともかく、それ自体はわたしも悪いことじゃないと思うわ。でもだからこそ、やるならわたしみたいな中途半端な素人ではなく、本気で演技に打ち込んできたプロの人を使うべきだと思うの」

「セレネ様……」

「正直言って、わたしはあなたのファンだし、今回も良い作品を見せてくれるんだろうと思ってる。そのメインキャストに、と言ってもらえるのはすごく光栄だけれど……ファンだからこそ、わたしはやりたくない」


企画書を机に置くと、立ち上がる。


「にゅるるん達のことがあるもの、番組の宣伝なんかは手伝ってもいい。ただ、ドラマのキャストは引き受けられないわ。悪いけれど、別の人を探して」


そうしてセレネは自分の部屋へと戻っていき、それを困った様子でベリーとアーネは見送り、目を見合わせる。


「残念ながら、今回はちょっと厳しそうですね。拗ねたり怒ったり、というのであればもう少し説得のしようもあったのですが……申し訳ございません」

「い、いえ、元々無茶なお願いでございましたし……」


アーネは言いながらも落胆したように肩を落とす。

感情的になっているセレネに関してはあれこれと言いくるめたり、宥めたりという形で説得も出来るのだが、今回は冷静な様子。

真面目に考えた上での結論となると、流石にベリーでもどうしようもなかった。


胸の上であぐらをかいて腕を組み、目を閉じて考え事をしているクレシェンタにベリーは告げる。


「わたしとクリシェ様は構いませんので、今回はひとまず――」

「いいえ、諦める必要はありませんわ」


声を掛けたベリーに対し、キリッとした目で答えると、アーネに目を向けた。


「アーネ様、キャストはこのまま……ただ、マジカルセレネが演技しやすいよう、脚本は最大限配慮してくださいまし」

「セレネ様が、演技しやすいよう……」

「そう。マジカルセレネは必ず来ますわ。あなたの役目は、マジカルセレネという素材を活かすこと……」


ぱたぱたぱた、と企画書へと降り立つと、。


「マジカルセレネはどうあれ、試みそのものに関しては好意的。必要なものはその背中を後押しする何かだけ……確かにわたくしやマジカルベリーがあの頑固で面倒臭いマジカルセレネの心を動かすのは難しいですけれど……」


その指が示すのはにゅるるんであった。


「あなたの言葉であれば、きっと素直に受け入れる。……そう確信しましたわ。今晩、マジカルセレネの説得を」


にゅるるんは目を見開き、うねうねと触手を動かす。

その役目はあまりに重い、と告げるにゅるるんに対し、クレシェンタは続けた。


「説得、という言い方は少しばかり重い言葉に聞こえたかもしれませんけれど……難しい事ではないですわ。ただ、十年先、二十年先……あるいは百年、二百年の先に、あなた達がどのような未来を望んでいるか」


それを伝えるだけで構いませんの、とクレシェンタは、女王らしい優美な笑みを浮かべてにゅるるんに告げる。


「今回のドラマを切っ掛けに、広がって行くにゅるすれん。物語とは伝えるために紡ぐもの……触手達の楽園を描く物語に、マジカルセレネは不要かしら?」


にゅるるんはつぶらな瞳を更に大きく見開きながら、戸惑うように触手を揺らす。


「あなたは感謝と素直な気持ちを聞かせるだけで構いませんわ。触手達の代表として、マジカルセレネと話を……必要なら他の触手達と話し合ってくださいまし。このドラマは、あなた達の到ったにゅるすれんの素晴らしさを多くの者達に見せるため……そういう感謝の物語ですもの」


にゅるるんは大きく頷くと、敬礼するように触手をぴしっと動かした。

そしてベリーへと目を向け、うねうねと触手を揺らし、彼女は困った様子で苦笑しながら頷くと頭(※注:頭しかない)を撫でた。

そしてすやすやと眠るクリシェの上から飛び降りると、外へ――そんな様子を見送りながら、クレシェンタはふふん、と腕を組む。


「これで解決ですわね。頑固でわがままなマジカルセレネも下からお願いされれば断れませんわ」

「そういうやり方はあまり褒められたものではないと思いますが……」


嘆息しつつも、年々増え続けていく触手達。

いずれベリー達も妖精界へと移住する関係上、この一帯でこのまま全員飼い続けるというのは色々と問題があった。

触手達の人気が高まっている間に少しずつ、ペットという形で妖精界に触手を受け入れる土壌を作っていきたいという考えはベリーの考えとも反するものではなく、にゅるるん達も前向きである。


純粋無垢なにゅるるん達をセレネの説得に利用するというのはやや気が引けるものの、彼らの希望もあると考えれば目を瞑る他ないだろう。

クレシェンタを優しく両手で掴みあげると、窘めるように続けた。


「今回はにゅるるんの希望もあってのこと。とはいえ、あまり都合良く他人を利用するような真似はなさらないように」

「下僕の分際でわたくしに説教する気かしら?」

「主君が道を誤らないよう、忠告するのが良い下僕というものです。わたしはみんなで楽しく、女王陛下にお仕えしたいですから」


睨み付けるクレシェンタの小さな頭に口付け、微笑み。

それから考え込む様子の、アーネの方へと目を向ける。


「色々とややこしい話になってしまって、すみません」

「いえっ、その……」


アーネは視線を揺らし、頷く。


「……どうしても引き受けていただきたいからと、にゅるるん様達のことを出汁に使うと言いますか……物語のアクセント程度に考えてしまっていました。ですが、セレネ様のご様子……皆様は本当に、触手の方達を大切に想われているのだと知り、少しばかり自分が恥ずかしく……」

「アーネ様……」


アーネは画面に映る『触手達の流儀』を眺めた。

そこではにゅるるん達がセレネと楽しげにゲームをする姿が映っている。


「女王陛下、よろしければ編集前のものも含めて、わたしににゅるるん様達の映像を見せていただけますか? 良き隣人としての触手を描くため、わたしはもっと、にゅるるん様達のことを知らねばなりません」


立ち上がり、頭を下げたアーネに対し、手から抜け出したクレシェンタは再びベリーの胸の上。

腕を組むと鷹揚に頷く。


「映像は家に届けさせますわ。ですが、本格的な撮影開始までそれほど時間が無いということは理解を。期限は四月一日……一分、一秒の遅れも許しませんわ。プロとして、締め切りはしっかりと守ってくださいまし」

「……はい!」


アーネはその言葉に頷くと、深々とベリーに頭を下げて去って行く。

果たしてそんなに急がせる必要があるのだろうか、とベリーは困ったように胸の上のクレシェンタへと目を向けつつ、すやすや眠るクリシェの頭を優しく撫でた。







食事を終えて湯に浸かり、パジャマに着替えて風呂上がりのストレッチ。

あの羽虫にしては珍しく、あれ以上の強要をしてくることはなかったのだが、それがなんとも怪しい。

タイミングを見計らって何かを仕掛けてくる予感はあり、夜の訪問者についてはある程度想像もついていた。


「……にゅるるん。クレシェンタに何を吹き込まれたかは知らないけれど、あれはわたしの本心だからね?」


茶菓子と紅茶を大きなトレイの上に乗せながら、部屋に入ってきたにゅるるんはこくこくと頷き、にゅるにゅると触手をくねらせる。

流石に数年の付き合いともなると、ジェスチャー交じりの簡単な触手語くらいは理解していた。


伸びた触手がベランダを示すのを見て仕方なく立ち上がり、青い宝石のような魔力結晶のペンダント――にゅるりんがるを持ってベランダへ。

晴れ渡った空に、満月が美しい夜であった。

町の煌めきに星は薄らと輝き、ほんの少し肌寒い。

上着を取ろうかと考える前に、肩の上からそっと掛けられるのはカーディガン。

毎度の如く、異様なほど気が利く触手であった。


ベランダの手すりにもたれ掛かると、空からはちらちらと桜の花弁。

いや、時期的に恐らく梅の花弁であった。

上を見上げると屋根の上、一定間隔で花弁を降らす触手が見える。

どこぞで拾い集めてきたのだろう。

薄らとであるが、心の落ち着くような雰囲気の良い笛の音が響いていた。


屋根の上に無数の触手が集まり、梅の花を散らして音楽を奏でる様を想像しながら呆れて、手すりに纏わり付くにゅるるんに目を向ける。

器用にトレイをセレネの前に触手で浮かべつつ、紅茶を注ぎ、手すりに全身の触手を巻き付ける姿は名状しがたいものであったが、気持ち悪いと思わない程度には既に見慣れた光景である。


はぁ、と深々嘆息しつつ、紅茶を一口。


「お気遣いありがとう。何はともあれ良い景色かしら。それで用件は?」

『まずはこれまでの感謝をお伝えしたい、と』


にゅるるんはくねくねと触手を揺らす。


『我々の祖先がこの星に訪れておよそ、3億年ほどとなるそうですが――』

「……ちょ、ちょっと待って。そんな前からここにいるの?」

『はい。宇宙の長い旅を終えて、多くは今なお根付いた深海に都市を作り暮らしているそうですが……お伝えしてませんでしたか?』

「……初耳よ」


その言葉に唖然としつつ、眉間を揉んだ。

とはいえ、深海生物と思えばこの見た目もある意味納得が出来る。


『星の光も届かぬ暗き世界……そこから光を追い求めて浅瀬に、そして大地に触手を下ろした者達が我々だと聞いています。長い年月で随分と枝分かれし、知性を失ったものも少なくないそうですが……この星の生物の一部は元を辿れば、我々と同じルーツになるとか』

「ルーツって……」

『元々はどちらかと言えばもう少し体も不確かな……アメーバに近い生き物だったそうで、捕食した生き物から体を変えて……場合によると哺乳類や人間の遺伝子にも、我々のような触手が混じっているのではないかと語る学者もいるようですね』


出来ればあまり知りたくはなかった世界の真実であった。

触手が、という衝撃の事実を受け止めきれないセレネに構わず、触手を震わせ、にゅるるんは続ける。


『まぁそうした学説はともかく……我々の祖先が遠く昔、母なる神の側を離れ、宇宙を旅した大きな理由は、楽園にあったそうです』

「……楽園?」

『ええ。母なる神の側ではほとんど全てが満たされながら、しかし、触手と触手を取り合うような隣人だけがいなかったのだと。更なる幸福を求めた触手達は新たな楽園を求め、旅立ちを決意し、広き虚空の世界へと散っていったそうです』


触手を揺らしながら、夜空に浮かぶ月を見上げた。


『しかし長い年月。触手と触手を結ぶため……そうして故郷を飛び立ちながら、この地に降り立った多くの触手はそれを忘れていました。悪魔や妖怪、化け物として退治され、あるいは獣に捕食され、怯えて暮らす日々。……ある時期には触手達を守るという名目で人々に戦いを挑んだ触手もいたそうですが、それも敗れ……今では八岐大蛇と知られる触手も、そんな触手の一体であったとか』


頬を引きつらせるセレネが想像するのは、小山のような触手であった。

なるほど、見ようによってはあり得ない話ではない。


『厳しい世界で生を全うした善き触手は、楽園へと誘われる……現代では死後の楽園という信仰へと変わっていましてね。私も幼い頃に両親からそのような話をよく聞かされていました』


にゅるるんはつぶらな瞳を瞼で包み、潤んだ目を煌めかせる。

月を見上げて、懐かしむように。


『苦しい日々を過ごしてもいつかは楽園に……そんなことを考えていた月夜の晩、私に手を差し伸べ、触手を取り合って下さったのがクリシェ様。そしてベリー様と女王陛下……そしてセレネ様、あなたです』


セレネを見つめたにゅるるんへと梅の花びらが煌めくように舞い降り、ほんのりと響く笛の旋律が変わる。

ふと上を見れば同じく目を潤ませる触手達がこちらを覗き込んでおり、視線が合うとすぐさま屋根の陰へと隠れた。


そんな触手達に何か突っ込みを入れたかったが、基本的に彼らは大真面目。

この演出も雰囲気作りで悪気は一切ないと知っている分、何とも言いがたい。


『その出会いが、遠く昔に祖先達が願った、我々の旅の終着地。触手達の楽園、にゅるすれんとは場所でも死後の楽園でもなく、セレネ様達との出会いそのものであったのだと、私は次第に理解しました』


つぶらな瞳はうるうると潤み、真っ直ぐとセレネに向けられ。

セレネは微妙にその圧に押されて仰け反った。


『心優しきクリシェ様、過去の遺恨を忘れ、多くを与えてくれたベリー様、尽くす喜びを教えてくれた女王陛下……そして時に厳しく、いつも正しき道を我々に示してくださるセレネ様……その全てがにゅるすれんなのだと、触手達は皆、思っています』

「そ、そう……」


にゅっと顔を近づけるにゅるるんに、セレネは仰け反るあまり腰を反らす。

興奮でわらわらと眼前で揺れる触手はやはり強烈であった。


『今回のドラマが触手と妖精、人を結ぶ物語……にゅるすれんを描くものであるのなら、やはりそこにはセレネ様が必要です。どんな名女優であっても、私に取って、触手達に取ってセレネ様の代わりにはなりません』

「あ、あのね、にゅるるん……」


にゅるるんは器用にトレイを維持しつつ、頭(※注:頭しかない)を垂れた。


『どうか、今生一度のお願いです。ドラマのキャスト、引き受けていただけませんか。必要あらば触手一同、可能な限りセレネ様をサポートします』

「う……」


屋根からにゅるんにゅるんと無数の触手が降り立ち、セレネを囲むように頭(※注:頭しかない)を垂れていく。

そんな触手達に囲まれながら、セレネは目を泳がせ、額を押さえると嘆息。

しばらくの沈黙の後、諦めたように首を振った。


「……わかった、わかったわよ。その代わり、大根役者みたいな演技で後悔するのはあなた達だからね? わかってる?」


その言葉ににゅるるんはぱっと顔(※注:顔しかない)を上げ、他の触手達と目を見合わせて触手を激しく震わせた。

触手達はうねうねにゅるにゅると喜びの舞いを踊り始め、それを見ながら呆れたように、疲れたようにセレネはまた嘆息。


「全く。後悔しても知らないからね」


そして、口にしながら苦笑した。







――そうしてドラマ、籠の中の触手はスタートする。


「マジカルセレネ、何度言ったら分かりますの! 指を絡めるのは三十八番の友愛の触手、そこは九十四番の絶交の触手ですわ! 触手を友として受け入れるシーンでにゅるるんと絶交してどうしますの!」

「どれがどれか触手が多すぎて見間違うの! なんですぐ隣にそんな罠みたいな触手があるのよ!」

「にゅ、にゅるるん、気にしなくて大丈夫ですよ。セレネはちょっと覚えるのが苦手なだけで、間違って握っちゃっただけですから」

「そ、そうですよ。次はちょっとだけお嬢さまにもわかりやすいよう、友愛の触手を伸ばしてみましょう」


拗れていた女性同士の関係を、突如現れた触手が解きほぐす、愛と感動の物語。


「ちょっと待って、なんでわたしがベリーとキスしなきゃいけないのよ!」

「キスするのはあなた達ではなく、作中のベリーとセレネですわ。役に入り込めてないからそうなりますの。どう考えてもキスしかない状況――」

「そういう問題じゃないでしょ!」

「あ、あの……どうしても厳しければキスする振りでも――」

「脚本家が演者を甘やかしてはいけませんわ。マジカルセレネ、にゅるるん達のために最善を尽くすという言葉は嘘でしたの?」

「あなた本当に最低ね!」


愛し合う少女達とそれを温かい目で見守る触手達。

触手はかすがいをキャッチコピーに描かれた物語は、やたらと多い魔法少女達のキスシーンとその背徳的な内容もあって話題を呼び、マジカル☆ベリーシリーズのファンから熱狂的な支持を受けた。


「キスシーンのプロマイドなんて許可してないでしょ!」

「その辺りは自由にこっちで使って良いと契約書のここに記されてますわ。ちょっと魔法で隠してありますけれど」

「そんなの無効に決まってるでしょ!」

「ま、まぁまぁ落ち着いて……」

「あなたは毎回毎回この羽虫の味方をしないの!」


恋にゲームにドラマに映画。

魔法少女達の戦いはこれからも続いていく――













続かない。


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  2024年11月20日、第二巻発売決定! 
表紙絵
― 新着の感想 ―
番外編未完のもエープリルフールですよね?(震え声
野蛮なお話の代わりに出てきたのがシリアスかつハートウォーミングな触手の話で過去最高に感情がカオス やはりマジカルベリーシリーズは素晴らしいですな
社会やお仕事つらい....クリシェ様拾ってくだされ 触手百合か昔、沙耶のうたという作品があったな。あれは純愛()ものだったな。 人外百合ものは先生が書いてくれないかな。
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