7,未知との遭遇
3人の前に突如立ちはだかった正体不明のクモ型生物
元兵士ではあるものの、武器がないため戦うこともできず、何とか逃げる3人、
しかし逃げた先には、さらなる「未知との遭遇」が待っていた!
3人は逃げた。とにかく逃げた。
いつもなら戦っていたかもしれない。しかし、今は少し事情が違う。
「武器さえあれば、何とかなるかもしれないのに…!」
メイが逃げながらそう言うと、
「あの補佐官野郎、物資くらい持たせてくれたってよかったのに、」
ルイはベイ中佐とレイラ補佐官を相当恨んでいるようだ。
「ねえ、もうかれこれ15分くらい走ってる気がするんだけど…」
アレンが辛そうな声でそう言った。
「確かに、並みの動物なら、15分も逃げればさすがに追ってこないはず…」
メイもそろそろ走るのが辛そうだ。
体力自慢のルイも流石に15分間全力疾走できるほどではない。
3人の走るスピードはだんだん落ちていく。
しかし、後ろから追いかけてきている正体不明のクモはスピードを落とす気配がない。
だんだん距離が縮まっていく。
「なあ、俺らこんな感じで死ぬのか? すっげえ屈辱だぜ…?」
ルイがそういった。しかし、メイとアレンには、喋れるほどの体力が残っていなかった。
そのとき、
「あっ、!」
メイが落ちていた小石に足を引っかけて転んでしまった。
「メイ!」
アレンとルイは引き返して助けようとしたが、もう体が限界だった。
正体不明のクモはもうそこまで来ている。
「まずい、このままじゃ全員やられるぞ!」
瀕死の3人に、クモは容赦なく襲い掛かる。
「うわあああああっ!!」
3人はこんなところで死んでしまうのが悔しかった。まだ中佐や補佐官に仕返しもできていないのに…。
死んだと思った。しかし、死んでいなかった。
なんと正体不明のクモは3人に襲い掛かったその姿のまま完全に動きを止めていた。
「助かった…」
ルイはとりあえず周りを見渡した。
クモの足に服が引っかかって動けなくなっているアレン、怖さのあまり目を閉じているままのメイ、
なぜクモの動きが急に止まったのかは全く分からなかったが、クモが急に動き出す危険性を考えて、アレンとメイを背負って安全な宿屋の廃墟まで避難した。
気が付くと辺りはもう暗くなり始めていた。
3人が落ち着いた頃には、もう辺りはすっかり暗くなっていた。
宿屋の前で見張りをしていたルイは、道を挟んで向かい側の民家の中に、少し小さめのクモがいるのを見つけた。小さめといっても、ルイの伸長と同じくらいはある。さっきのクモが大きすぎただけだ。
ルイは静かに宿屋の中に戻ると、そのことを2人に伝えた。
「私もアレンもまだ完全には回復していないけど、逃げたほうがいいと思うわ。またあのクモに襲われたら、今度こそ皆殺しにされる気がするし、」
メイがそう言うと、
「僕もそう思う。あんな恐ろしい奴、もう見たくもない…、」
アレンも逃げる意見に賛成だった。
「じゃあこの町から逃げるってことでいいな、あと、この建物の二階に武器がいろいろあったから、それぞれ使いやすいのを持っていこう。」
ルイは弓と7本の矢を、
メイは短めの剣を、
アレンは先が少し欠けた槍を手に取った。
武器がそろうと3人は町を後にした。
「なあ、あの町、何だったんだろうな。」
ルイが問いかける。
「知らないけど、ろくなところじゃなかったわよ… 本当に疲れたわ、」
メイは大分体力を削られてしまっているようだった。
「あのクモ、あの町だけならいいんだけど…、」
アレンは少しトラウマを植え付けられている。
「あーあ、なんか俺ら、死に損なっちゃったな、」
ルイがそういうと、
「死に損なった…って、生きていることに感謝しなさいよ!」
メイがすかさず返した。
少しだけいつも通りの3人に戻ったような気がした。
しかしその時、誰も予想しなかったことが起きた。
「ドカーン!」と張り裂けるような音が夜の静寂を切り裂くと同時に、銃弾がメイの耳をかすめた。




