4,抑止力
3人は国防軍から逃れ、海外へ逃亡する計画を企てていた。
腐り切ったこの国にうんざりしていたのは、私だけではなかった、そこには「仲間」がいる
果たして逃亡することはできるのか、、
「そろそろ行くぞ」
ルイはロビーで寝てしまったアレンとメイを起こした。時刻は朝の4時過ぎだ。
「ルイ、お前起きるの早くないか?」
「寝てないからな、心配すぎて…」
「まあ無理もないわね、失敗したら私たち、本当におしまいなのかな」
「きっと大丈夫、俺たちならできる。」
「そういうアレンが一番怖がってたじゃねーかw」
「そ、そんなことないって!」
3人は内心心配でしょうがなかったが、せめて仲間の前ではいつも通りにしようと、無理に普段の姿を演じた。
そしてついに実行の時、3人は勢いに任せて重い扉を開け、正門まで全速力で突っ走った。扉から正門までは走っても約1分、それは3人にとって、人生で最も長い1分間だった。
息を切らしながら、体にまだいけると言い聞かせながら正門の前にたどり着いた…
しかし、そこに待っていたのは自由ではなかった。もっと残酷な運命だった。
「ベイ中佐!?」
「お前たちここで何をしているのかね?深夜から早朝にかけての外出は、いかなる場合も認められていないはずだぞ?」
3人は一瞬にして地の底にたたきつけられた。
弁明するアレン、開いた口のふさがらないルイ、泣き叫ぶメイ、
それを取り囲む数々の精鋭隊員たち。そう、これが3人の運命。
応接室にて
「お前たちは何を考えているんだ?逃げ出したい気持ちもわかるがまさか本当に実行に移すなんて…、やはり、お前たちは反乱因子になりかねない。今まで思いとどまってきたがしょうがない、お前たち第111分隊の3名は今日をもってこの国防軍から永久追放とする。」
「待ってください、国防軍から永久追放ということは、僕たちの特別任務は取り消しということですか!?」
アレンの顔は少し希望を取り戻したかのような様子だった。
しかしそんなに甘い話があるわけもなかった。
「は?そんなわけないでしょう?脱走して永久追放されてしまえば調査にはいかなくていい? そんな簡単に調査を回避できるなら、みんなとっくにやっているわよ」
レイラがそういうと、隣に座っている中佐も口を開いた。
「あなたたちがしたことは、許されることではないのでな、君たち反逆者に制裁を下すことで、今後少しでも抑止力になると思ってな」
耐えきれなくなったルイが怒りに任せて反抗した
「俺たちが反逆者だって?独裁者に反抗するのは当然だろ? お前たちが裏で国家転覆の計画を企てていることだって知っているんだぞ?」
「ルイ、そんな根も葉もないことを言ったってしょうがないわよ…」
メイは暴れだすルイを止めようとした。
「そうだなあ、ルイ隊員、君のお友達の言うとおりだ、証拠はどこにあるんだね?」
「それは…」
ルイは何も言い返せなかった。
「まあいい、お前たちはどうせここでおしまいだ。君たちには最期の任務として、惑星Xに物資なしで行ってもらおう。君たちが何と言おうと、これは覆らない」
「待て、そんなの、遠回しに死ねと命令してるようなものじゃないか!」
ルイはまだ反抗した。
「そうだなあ。ただ処刑するだけでもいいのだが、それだと面白くない。今この調査団の中では、どんな拷問よりも、どんな処刑方法よりも、惑星Xの調査という任務が恐れられているのでな。おまえたちを惑星X送りにすれば、反逆者を実質的に処刑したことになるだけでなく、他の者がこのようなことを起こさないための抑止力となるからな」
ベイ団長の口から出た言葉はあまりにも残酷だった。
ルイは気力があれば幹部2人に殴りかかっているところだった。
しかしもうそんな気力はどこにも残っていなかった。
「では、明日の昼12時に計画を実行する。それまでに家族でもなんでもに最期の言葉を残しておくとよい。もっとも、反逆して追放など、不名誉すぎて誰にも言えないだろうけどなあw」
ベイは最後の最後まで残酷極まりなかった。
ベイ中佐の積み上げてきた功績を知っていて、彼のことを慕っていたルイも、もうそんな気持ちはどこにもなくなっていた。




